身体の不思議 女性と男性・・・・・工事中です。

◎女性特有の体質から起きる身体生理作用・神経的作用(月経)

ダイビングに於いてどの様な症状が心因的・肉体的に起きるかを述べる前に女性の体の仕組
みを最初に説明しなければ成りません。これは定期的に女性の体に起きる生殖機能が脳から
のホルモン分泌信号によってコントロールされる時に身体及び精神的に不安定な状態を作り
出す事が既に分かって折、ダイビングに対しても著しく不安定な状態を作り出します。
ここで述べて行くものは状況の変化に対して、如何に対応するかを学び取ろうとするものです
が、時としてピルの使用によって月経ホルモンの増加や減少を促す事で予定日の調整をした
時にも身体や精神的に不安定な要因を作り出し、この事で体調不良、減圧症へ罹患する不安
が増えて行きます。定期的に起こる身体的・精神的な要因に対して、安定を図る為に何をなす
べきかを考える事で、より良いダイビングを目指すものです。


月経前症候群・・・PMSとは     月経前症候群(PMS=PreMenstrual Syndromeの略)

月経前に見られるストレスを伴った抑うつや倦怠感の状態は、他の心身症と混同されがちです。
日常慢性的、或いは不定期的に症状が現れる心身症に対して、PMSは、特定の時期 にのみ
心身に症状が現れるという大きな特徴があります。
 
うつ(鬱)病、自律神経失調症、慢性疲労症候群などの疾患者は、月経前になると特に症状が
重く なる傾向にあります。 またパニック障害疾患者は、発作の頻度が増す傾向に有る様です
が、 これらの症状は月経性愁訴といい、PMSとは異なります。

PMSの特徴として

@月経の周期に伴い反復して出現する。
A月経のある女性にのみ出現する(※A)
B排卵から月経前、プロゲステロン(※B)が活発になる時期(黄体期)に出現する。
C月経終了後、プロゲステロンが必要とされない時期(卵胞期)には消失する。
D症状が賢著に現れるのはパラ月経期(※C)に集中し、経血量の減少と伴に症状も消失する。
E血液中のプロゲステロン値が非常に高くなる妊娠中には症状がみられない。

(※A)
まだ初潮を迎えていない女性、閉経後の女性、(病因、あるいは経口避妊薬投与により)月経が
止まっている女性、無排卵周期の女性、両側卵巣摘出手術を受けた女性にはPMSの症状が現
れません。
(※B)
プロゲステロン(黄体ホルモン)は卵巣で生成され、子宮内膜に受精卵の着床の準備をさせ、
乳腺に乳汁分泌の準備をさせる働きが有ります。
(※C)
パラ月経期とは、月経直前の4日間と月経中の最初の4日間を指します。 この時期は、判断力
の低下、感染症に対する抵抗力の低下、苦痛に対する耐性の低下、視覚的鋭敏さの低下が著
しくなります。

身体及び精神的に及ぶ各症状表 A-1

精神的状態として現れる症例            

 1.イライラして落ち着かない。        
 2.眠れない、睡眠が浅い。             
 3.仕事や勉強への根気が無くなる。         
 4.眠くなる、横になりたくなる。                
 5.記憶力の低下、物忘れがひどい。
 6.外出するのがいやな感じ。                  
 7.気が動揺する。                                
 8.緊張し易い。                                     
 9.怒りっぽくなる。                                
10.憂鬱になったり、ふさぎ込む。
11.考え過ぎ、考えが止まらない。
12.理由もなく泣きたい、涙もろい。
13.気持ちが散乱し、集中出来ない。
14.人との付き合いを避けるようになる。
15.孤独感、空虚感を感じる。
16.判断力が低下。
17.理由もなく不安感になる。
18.仕事や勉強の能率が低下。
19..集中力の低下、落ち着かない。
20.興奮し易い、興奮状態の継続。
21.どこと無く疲労感、体が重い。


身体的状態として現れる症例

 1.肌が荒れる。吹き出物が出来る。
 2 胸が張る、乳房が痛む。
 3.
冷や汗がでる。
 4.
頭痛、頭が重い、肩や首がこる。
 5.
胸がしめ付けられる様な気分。
 6.
腰痛、腰が重たい。
 7.
下腹部が張る、痛くなる。
 8.
過食又は食欲が無くなる。
 9.疲れやすい。
10.
吐き気がする。
11.
体がむくむ、或いは冷える。
12.
動悸がする。
13.
食べ物の好みが一時的に変わる。
14.
体重の一時的増加。
15.
耳鳴りがする。
16.
めまいがする。
17.
息苦しい。
18.
顔が火照る。
19.
動作がぎこちない。
20.
手足のしびれ。
21.喉が渇く。
22.便秘、下痢をする。
 

上記の表が示す様に陸上でも辛いのにダイビングでは更に辛いものとなる為、生活習慣や
食生活に於いて心身に対しバランス良く順応して行くしか有りません。

◎月経とは

 月経とは、出血を伴う子宮の内層(子宮内膜)の脱落で、女性が妊娠していないなら、凡そ 月に
1回のサイクル(1周期)で生じて行く。この機能は女性の生殖期間を強く特徴づけるものであり、
思春期に於ける月経の始まり(初経)からその停止(閉経)まで延々と続く。

定義として、最初の出血の日がそれぞれの月経周期の初め(1日目)として数えられる。
1周期は次の月経の直前で終わる。月経周期はおよそ21〜40日の範囲にあり、正確に28日で
1周する方は僅かに10〜15%程度でしかない。それ程に微妙なもので有り、心身ともに影響を
受けている。月経の間隔は初経のすぐ後と、閉経の前に一般に最も長い。月経周期は、卵胞期、
排卵期、黄体期の三つの区分として分けられ見る事が出来る。

卵胞期は特に長さが異なり、出血の1日目から卵子の放出(排卵)を引き起こす黄体形成ホル
モンのレベルの急上昇の直前まで続くが、この状態は卵巣で卵胞がこの期間中に発達するため
に卵胞期と呼ばれている。この前半の期間に下垂体は僅かに卵胞刺激ホルモンの分泌を増や
して、卵子を含んでいる3〜30個の卵胞の成長を刺激をする。この中で選ばれた卵胞の一つだけ
が成長を続ける。他の刺激された卵胞は退化して行く。年を取って行くと、卵胞期は生殖期間の
終わり、閉経の間近では、より短くなって行く傾向がある。

月経では、子宮内膜の一部がエストロゲンとプロゲステロンのホルモンレベルの低下に応答し
て脱落する。子宮内膜は三つの層から成り立ち、一番上の(表面)層と真ん中の(中間)層の大
部分は脱落し、最も下の(基底)層は他の二つの層を再建するために残留して、そして新しい
表層、中層の細胞を産生する働きを持っている。月経の出血は3〜7日間続き、平均5日間。
出血に伴う血液の喪失は0.5〜10オンス(約14.8〜296ml)まで及び、平均は4.5オンス(約133ml)。
生理用ナプキン或いはタンポンは、タイプにもよるが、最高1オンス(29.6ml)を保持できる。
月経
の血は通常、出血が非常に重くない限りでは凝固しない非凝固血。

卵子が放出される排卵期は黄体形成ホルモンレベルの急上昇で始まり、卵子は通常に於いて
黄体形成ホルモンの急上昇の開始から16〜32時間後に放出される。卵巣の表面から膨れて
成長している一つの卵胞は、最終的に破裂してそして卵を放出する。排卵時前後に一部の 女性
に於いて数分〜数時間続く、中間痛として知られている下腹部片側の鈍痛を感じる。
痛みは卵子を放出した卵巣と同じ側 で感じられるけれども、痛みの正確な原因は知られていない。
痛みは卵胞の破裂より先に起こ るか、あるいは後で起こるかもしれなく、また、全てのサイクル
で生じないかもしれなく解明が今一つである。卵 子の放出は二つの卵巣で交互に繰り返すわけ
ではなく、ランダムであるが、もし一つの卵巣が除 去されれば、残っている卵巣が毎月卵子を
放出する。

黄体期は排卵の後に続き、卵子に対して受精が生じない限りは14日間続いて、月経の直前 に
終わる。黄体期では、破裂した卵胞は卵子を放出した後で閉じて黄体を形成し、 プロゲステロン
の分泌量を増加させる。

プロゲステロンの働きで体温を黄体期の間に僅かに上昇させ、月経が始まるまで、高いまま に
維持をする。この体温の上昇は排卵が生じたかどうかの推定や判定に利用される。

卵子が受精しない限り、黄体は14日後に退化し、そして新しい月経周期が始まる。もし卵子が
受精をすれば黄体はヒト絨毛性ゴナドトロピンを産生し始める。このヒト絨毛性ゴナドトロピン
ホルモンは黄体を維持し、それは成長している胎児がそれ自身のホルモンを産生できる様に
なるまで、プロゲステロ ンを産生する。
妊娠テストはヒト絨毛性ゴナドトロピンの増加したホルモンレベルを検出する事に基づい ている。

月経に於ける作用図 A-2

と、ここ迄は女性の体の神秘なる月経の説明でしたが、上記のA-1表に有る精神的・身体的な
症状が神経とホルモンの作用によるものとされていますが、どの様に作用し、またダイビングに
於いての作用と身体生理(脳の機能及び知覚と感覚、血液の循環、免疫、呼吸、代謝と体
温他)生理学全般
に於ける説明をしなければなりません。
女性の生理時に於いて、減圧症に罹り易いとされていますが、何故罹り易いのか、また何故に
減圧症に罹らないのかをを説明致します。

◎A-1表の全体を考えた場合、くよくよ、いらいらとネガティブな思考やストレスが生じると免疫
 性、血液循環、水分調整、体温調整機能
に少なからず影響を与えます。この事が減圧症に
 罹る引き金となるようです。これは視床、視床下部と自律神経系とのやり取りで問題が身体
 各部に起こる為、減圧症に罹る恐れが大きくなるのです。生理の時はネガティブな思考を持
 たず、恐怖感を抱く様なダイビングをせずに明るく振舞いましょう

自律神経系(交感神経と副交感神経)A-2図


この上記の表は自律神経による身体各部へのコントロールを司っている事を表している。
体温の調整、代謝による血液の循環や血管の拡張と収縮での血流量の変化、末梢神経系に
於ける遠心性(交感神経と副交感神経)と求心性-内臓の感覚神経へと複雑に絡む。
つまり、神経の作用に於いて体の温度や血流量の変化が起こり、結果として減圧症に罹り易い
条件を与えてしまう。自律神経の上位神経系で有る中枢神経系とはバランス良く成り立つ。
何度も言うが、精神的な動揺やストレスによって身体のバランスを崩す事で誰でもが減圧症に
罹るのである。例えダイブコンピュータが通常の浮上オッケーを示していてもその日の体調によっ
ては罹り得るのである。ダイビングをする時、水分の摂取や血糖値の低下に気使い、更にカルシ
ュウムの摂取も必要。


心身の複雑なコントロールをしている重要な器官とは・・・。

視床・視床下部(Thalamus, Hypothalamus)
 間脳の下部に位置して嗅覚を除く感覚器情報や身体、精神状態の情報をコントロールしています。
 コントロールをする為のホルモンや情報伝達物質の放出を血管内及び神経網を通して行っています。

視床(Thalamus)は情報の中継点であり、嗅覚を除く感覚情報は視床で中継され脳の各部位
でその情報が処理
されます。

視床下部(Hypothalamus)は自律神経系内分泌系のコントロールに重要であり、身体のホ
メオスターシス(Homeostasis)「恒常性維持機能」の調節に関与
しています。
視床下部はさまざまな調節機能
を持ちます。
この自律神経系で多くの関与をする事で、身体のみならず精神的な部分までに及びます。

(1)摂食・飲水調節(Food and water intake) 視床下部には摂食中枢があり、視床下部外
側には空腹中枢、内側視床下部には満腹中枢
があります。これらの中枢は血中グルコースや
アミノ酸などに反応すると考えられており、食事をとることによって満腹中枢が刺激されると満
腹感が生じ、摂食をやめると考えられています。最近はレプチン(Leptin)という物質が脂肪細
胞から分泌され、満腹中枢に作用して摂食をコントロールしていると考えられています。

(2)体温調節(Thermoregulation) 視床下部には体温調節中枢があり、血液の温度をモニタ
ーして体温のコントロール
を行っています。前視床下部には温熱中枢、後視床下部には寒冷
中枢
があります。

(3)情動(emotion) 視床下部は怒り、恐怖、喜びなどの情動の発現に関与しています。
嗅覚を除く感覚器を含めた周辺状況により感情や精神的・肉体的部分を含めた情動が起こり
ます。例えば、光にも反応し、ストレス全般に及びます。

(4)ホルモン分泌(hormone secretion) 視床下部は下垂体、腎臓、子宮、乳腺などの機能
を調節するホルモンを分泌
しています

視床下部と自律神経絡とホルモン A-3図

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