レスキューダイバーT(セルフレスキュー編) 2日間
RESCUE DIVER-1/EXPERT RESCUE DIVER(同意・同義語です)

受講資格 当スクールオープンウォーター卒業生以上.
     
他スクールの方はアドバンス以上の方. (中性浮力を取れる方)

補講・・・1日目のプール/海洋の科目が出来無い場合は、補講をして頂きます。


レスキューダイバー
1(セルフレスキュー編)での目的は、まず水中・水面に於いて、自分の身を守り得るかという事を重視致します。

その上でバディレスキューを行える技術を学ぼうとする内容で有り、特に水中より水面までの引き揚げを重要視、水面及び浅海(水面下〜)移動においても溺者へのエアソース供給を可能とし、これまでに無かった画期的な内容です。

また、このコースを受ける事で20m以上からの緊急浮上をマスターする事も出来ます。更に、中性浮力が何なのかを覚えなければ溺者を安全に引き揚げる事も出来ないのです。つまり、このコースを受けた事で実力も数段と上がるのです。

内容

◎スキューバダイビングに於けるレスキューは水中と水上の2通りが有り、どの様なレスキュー方法が出来るかの説明を受ける

◎パニック及びショックにおける精神的・肉体的に起因する原因を学び、事前的予知に対処出来る判断力を身に付け、また起きた時の対処・処置法を学ぶ。

◎特に水(真水、海水)に起因する為、次の点を念頭に置く.

 1.呼吸停止の場合、ただの窒息かどうか?

2.口から泡が出ていないかどうか? 泡の色は? のどのつまりは? ケイレンは? 

外傷は? 皮膚の色は? 体温は? その他?

3.真水の肺流入による窒息かどうか?  ⇒大至急、肺内の真水を抜く.

4.海水の肺流入による窒息かどうか?  ⇒急ぎ肺内の海水を抜く.

◎その状況によって肺からの強制排水を行なう、及びCPRを行なう基準と手順.


講義 3時間〜4時間(ただし、時間の増加の可能性あり。また、既にレスキューダイバーの方は口述確認のみ)

水上の救助法を先に学び、現場の状況によってどの様なエアブリーズ(空気の吹き込み)を行うか、又、CPRが必要かどうかの判断力の養成と実戦力を身に付ける。

A.ショック状態か?(呼吸はしている).

顔色と唇の色を確認及び手足の皮膚を見る(トリ肌に成っていないか).

手足が冷たく成っていないかどうか(末梢部分を調べる).

耳元で呼んでみる(反応の確認).

B.呼吸が停止している(心臓は動いている).

心音を耳で確認又は脈を(首か手首)確認する.

口の中に水および泡が無い事を確認し、有る場合は拭き取る.

マウスツゥマウスで軽く500cc位を2回吹きこんだ後、肌を軽く叩いて見る.

耳元で呼んでみる. この時胸筋が動くかどうか?

反応が無い場合は1分間に1213回の吹き込みを行う.(脈の変化に注意).

子供の場合は1820回の吹き込み.

C.呼吸及び心臓が停止している場合.

速やかにCPR法を取らなければ成らない. この場合、術者が1人の時と2人の時で 方法が違う為、施術とポジションに注意が必要. (術者が右側に位置する)

1人の場合は、ブリーディングを1回に対し心マッサージを15.

2人の場合は、ブリーディングを1回に対し心マッサージを5.   

この他に止血法など危険回避をする為の技術の習得.

D.医師に渡す為の危険回避行為であり、医療行為を行わないように指導する.

E.水面、水中でのホールドの仕方及び水面から船または陸上に上げる時の注意点と救急隊、一般医又は専門医への状況報告の仕方等.

F.減圧症とエアエンボリズム(空気塞栓症)の判断と対処法.

G.自分の為のサバイバル法(漂流した時)

 水の作り方、放棄する器材の順番は、水上・水面での寝方、サメ除け他.


実技(プールと海洋にて)

A.プール実習.(3時間以上)

1.中性浮力とBCを使ったエレベーションの徹底練習.

エレベーションとはBCだけを使つた潜降と浮上で、フィンキックは使わない.

フィンキックは、姿勢の制御や向きを変える時のみに使う.

2.コントロールドスキップブリ−ジングの練習.

3.スイミングアセント、ボイアントアセント、ポディティブボイアントアセントの練習.

4.水中、水面での重器材の着脱とタンクバルブの開閉及びオーラルインフレーション.

5.マスク、フィン無し潜水と片足(左右)フィンの遊泳法.

6.マウスピース無し呼吸、パワーインフレ−ターからの呼吸法.

7.水中からの脱出法、セルフレスキューとは!!

8.バディレスキュー法とバディブリ−ジング2通り.

9.水中、水面での溺者及びパニックダイバーのホールドの仕方. 3通り.

10.キャリング. 水中と水面での違いならびに水面への浮上の仕方.

◎この項で溺者の引き揚げ法を習得

 11.マウスツゥマウスCPRのシミュレーションと実際の連携法.

◎全体が終わった所で、口並びに肺からの水の排出法と人工呼吸の方法を習得.
  肺へ空気を送る時、注意しないと胃へ空気を送る為に溺者の姿勢に注意する。
  仮に胃に空気が入った時の対処と処置法も覚える。


海洋実習.

A.午前中ビーチ(水深510mにて)

1.水中エレベーションとホバリングの実習ならびにボイアントアセント、ポジティブボイアントの練習.

2.水中脱着、水面での脱着.

3.マウスピース無し呼吸、パワーインフレ−ターからの呼吸法.

4.片足(左右)フィン遊泳.

5.マスク、フィン無し遊泳.

6.セルフレスキュー(水中と水面でのタンクバルブの開閉とオーラルインフレーションによる
BCのコントロール).

7.バディレスキュー、バディブリーディングを2通り.

8.水中、水面での溺者及びパニックダイバーのホールドの仕方. 3通り.

9.キャリング. 水中と水面での違いならびに水面への浮上の仕方.

◎この項でキャリングポジションから水面への引き揚げ法を学ぶ。

10.水中、水面での脈の取り方.

11.マウスツゥマウスとCPRのシミュレーションと実際の連携法.

12.浮上時に片足フィンにて浮上する.

13.水面でのキャリングと海から船への引き上げ方.

水面移動中に溺者に対し、口及び肺からの水の排出と人工呼吸を行う訓練.
 
肺へ空気を送る時、注意しないと胃へ空気を送る為に溺者の姿勢に注意する。
  仮に胃に空気が入った時の対処と処置法も覚える。


B.午後ボート(水深20mにて).

◎上記と同じ内容で進めて行くが、より一層の安定さとワーキングポジションの訓練.

◎プールの時より、術者は溺者の立場や苦しさの体験を身を持って覚えてもらう.

◎術者と溺者を交代でやって行く.

◎水面への引き上げに対しては細心の注意が必要ですので、プールで十分に練習を行う.

◎まとめとして

プール及び海洋において、水中からの超安全な引き揚げ法と、水面上にて肺並びに口の中の水の排出法を覚え、水面移動時にエアブローによる人工呼吸法をマスターする。(新規特別指導科目)

肺へ空気を送る時、注意しないと胃へ空気を送る為に溺者の姿勢に注意するが、仮に胃に空気が入った時の対処と処置法も覚える。

ディープの為のレスキューは大変に難しい為、自己治癒減圧法の修得者に譲った。

              講師 JAPAN CMAS 常任理事  國次 秀紀

 

                          H15.11/28 プログラム改正

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