【「スキューバダイバー」自分の身を守る為の予備知識】 study-four_aからの続きです。 潜水物理学 準備 工事中で、加筆と訂正があります(*^_^*)
1.圧力 (大気圧、静水圧、絶対圧、ゲージ圧). ボイルの法則から見ると 温度が一定ならば、気体の容積は絶対圧力に反比例するが、気体の密度は絶対圧力に正比例する。 PV=K P:絶対圧力 V:容積 K:定数 シャルルの法則から見ると 圧力が一定ならば、気体の容積は絶対温度に正比例する。また、容積が一定の期待に於いては、気体の圧力は絶対温度に正比例する。
下の図はダイバーの潜水環境下での水圧と空気密度及び体積変化を表している。 海面(SEA LEVEL)を基準としてスキンダイバーの肺の体積変化で表している為、スキューバダイバーでは参考に留めて下さい。 地上0m、又は海面で受ける圧力を大気圧と言い、海面下で受ける圧力を静水圧と言う。 真空をゼロとした絶対圧力に対して、ゲージ圧は大気圧をゼロとする、相対的な圧力。 絶対圧力(ata)=ゲージ圧力(atg)+大気圧(atm)=水深(m)/10+1 絶対圧 = ゲージ圧 + 大気圧 ゲージ圧 = 絶対圧 - 大気圧 ゲージ圧表示 ゲージ圧は機械的に視覚で見る為に、大気圧を0s/㎠とし、1s/㎠から表示する。
大気圧とは、大気(空気)に於いて身体すべてに作用して、大気(空気)ガスの重さによって生じる為、大気圧は特定な点では無く、あらゆる方向に向って作用する。 海面での大気圧(空気の重さ)は14.7psi、即ち1.03s/㎠に等しい。しかし、高度が増せば、この値は減少する。 14.7psi(1.03s/㎠)以上の圧力は時として気圧で表されるが、1気圧は14.7psiに等しく、10気圧は147psi、100気圧は1470psiに等しい。 大気圧に於いて、海面上での気圧は1013.25hPaで あり、低高度では10mの上昇に対して1hPa程気圧が低下していく。これは、山へ登ったりす る時、一定の目安ともなる。 この大気圧の空気を海面上と淡水面上に空気の柱として立てた場合、海面上での圧力は異差を生じてしまうが、これは海水と淡水での密度の違いによって生じるものである。 この海水上と淡水上で起きる圧力差は、時として山の上の湖やダム等で潜る時に問題となる為、修正の水深設定表がある。また、高所淡水での通常潜水と減圧潜水でも減圧点や、安全停止点が違う為に注意が必要である。 海水での1気圧=14.7ibs=1Kg/㎠ 2気圧では水深10.1m≒10mとなる。
淡水での1気圧=14.7ibs=1Kg/㎠ 2気圧では水深10.4mとなって無視出来ない。 静水圧とは、水(又は液体)の重さによって生じ、水中(又は液体)の身体すべてに作用するが、大気圧の様に静水圧は、特定の深度ではあらゆる方向に於いて等しく作用する。 ダイバーにとって最も重要な圧力とは静水圧の事である。 静水圧での海水中を潜降する場合、1フィートあたり0.445psi(1Kg/㎠/9.75m)の割合で増加し、淡水中を潜降する場合は、1フィートあたり0.432psi(1Kg/㎠/10m)の割合で増加する。 ゲージ圧とは、絶対圧力と特定の圧力の差であり、圧力は空気に接している海面でゼロとなるゲージで測定される。 その為にゲージ圧は、目盛りがpsiの時には14.7を加える事によって、または目盛りが1Kg/㎠の時には1.03を加える事によって絶対圧力に変えられる。 絶対圧力とは大気圧と水中の物体にかかる静水圧の合計。 密度とは単位体積当たりの質量(1cm3) 気体の場合はℓを使う。 密度の公式は
では、何がこの様な状態を作っているかと言うと、密度の関係があり、水は基準密度1とす ると、海水の密度では1.025(海水基準密度)となり、容器1リットルの中に淡水と海水を入れ て比較すると、海水の方が25デシリットルだけ重たい事となる。※
密度で比較して見ると (単位: g/cm3 = 103kg/m3)
○金 = 19.3g/cm3 ※海水と淡水を同じ質量(重量)として見ると、体積として海水の方が少なくなる。 つまり、海水の方が重たい。体積を同じとして見ると、海水の方が重たい。 比重として見た場合、淡水1は海水0.97より重たい。この事は浮力としても見て取れる。 ダイバーが淡水だと浮ずらいが、海水だと良く浮く。 ----------------------------------『ウィキペディア(Wikipedia)』---------------- ある物質の質量と、それと同体積の基準となる物質の質量との比である。 通常、固体及び液体については水(温度を指定しない場合は4℃)、気体については、同温度、同圧力での空気を基準とする。 質量同士の比であるので無次元量となる。通常の水(内陸部)の約4℃での大気圧下の空気等が溶けていないときの密度は0.999972g/cm3で、ほとんど1.0g/cm3であるから、比重と密度の値は、CGS単位系で表すと,数値的にほぼ同じ値となる。 また、比重が1よりも大きい物質は水に沈み、1よりも小さい物質は水に浮く。 密度と比重は混同されやすいが、密度は質量を体積で割った量であり、比重は基準物質と比べた質量比であるという点で異なったものである。
よって、物質が水に浮く沈むというのは、密度よりも比重によっての方が判断しやすい。 水中の物体は、その物体がおしのけた水の重量だけ軽くなる、
F= -ρV g なおこの法則は水だけでなく全ての流体について当てはまる。浮力の大きさは流体中にある物体の密度には関係しないが、流体よりも物体の密度が小さい場合には重力と浮力は釣りあう。 すなわち m=ρVであるため、流体の密度ρが既知であればVを測定することで物体の質量を正確に知ることができる。 水に氷が浮いていてその氷が解けていく場合、解けた氷の質量を冦 とすると水の体積は冦/ρ だけ増加するが、上の式から冦=ρ儼、儼=冦/ρであるため氷の水没している部分の体積は冦/ρ だけ減少する。 よって、水の体積増加分と氷の水没体積減少分が等しくなり、氷が解けても水位は変化しないことになる。 ウエイトコントロール必携=中性浮力とは を参照して下さい。 水は温度が下がって行くと、重たくなり下方へと沈んで行くが、温度が4℃以下になると、今度は逆に軽くなるのである。 例えば、温度が0℃以下となって水が凍るとその浮力によって浮く事となる。 →湖の氷や氷山がこの例に当てはまり、水面から凍り始める。 また、海洋深層水にも当てはまるが、こちらの場合は深層に沈み切れずに表面に浮き、水面で凍ったものが氷であり、流れているものが流氷だ。 では、深層水の場合はゆっくりと沈んでいった冷やされた海水は、途中で4℃以下となるが、水圧による海水密度が高い為に、そのまま海底深く沈んで行く。 更に、水温が低いと水の粘性が上がる事で船足等が遅くなる事が報告されており、当然として、水温が高いと水の粘性も低い為に船足も速い。 1℃と32℃での場合、寒い方が粘性は2倍となる。 粘性=Viscosity 3.ダルトンの法則(分圧の法則) 《Dalton's Law》
4.ヘンリーの法則(圧力下に於ける気体の溶解) Henry's Law
この例はスキューバダイバーの肺を表していて、ちょうど水面は肺胞の交換膜に当たり、青い液面は血漿。 水深10mで2気圧、水深20mで3気圧となり、圧力が高くなるにつれて窒素N2が血漿に溶け込む量も多くなる。酸素O2、二酸化炭素CO2も若干血漿に溶ける。 生体内へと取り込まれた空気成分(酸素O2、窒素N2、二酸化炭素CO2)は肺細胞内に於いて必要な分だけ取り込まれます。
要チェック
このヘンリーの法則は、潜水における潜水病(潜水症)と言われる減圧症の元になっています。 吸収された窒素は、外部の圧力の低減によって排出しようと働きますが、排出の場合は、吸収よりも排出に時間が掛かるのです。 これは、各組織からの窒素の切り離し的化学変化が起きるからなのです。
詳しくは減圧症の項を参照して下さい。 物理的な力によって体内に取り込まれ、化学的変化の受容によって体内の各組織に吸収されて行きます。 窒素N2の化学的変化 酸化→硝化→窒化・還元 酸化→硝化→酸化→窒化・還元・脱窒. つまり、窒素は体内ではN2単体として、ほんの僅かしか存在しないのです。 ヘンリーの法則による液体中(血漿)への空気ガスの吸収は窒素N2、酸素O2、二酸化炭素CO2他が溶け込み、全身へと運ばれるが、窒素N2が大半で、酸素O2や二酸化炭素CO2他は多くは無い。 これは、酸素O2や二酸化炭素CO2はヘモグロビン(赤血球)にて運搬と排出を行っているからと言われていた。
参考 呼吸法について 血液の循環 血液とは何? 減圧症
VG
ダルトンの法則、ヘンリーの法則はスキューバダイビングに於いて、潜水病→減圧症に係る為、記憶に留め、覚えて貰いたい。 |
|||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
【「スキューバダイバー」自分の身を守る為の予備知識】 study-four_bからstudy-four_cへ |