【「スキューバダイバー」自分の身を守る為の予備知識】 study-four_h-2からの続きです。 Rr.ディープダイビング 説明の重複があります(^^ゞ ◎ディープダイビングの定義付けは18m以上とか、30m以上とか言われていますがどうであろうか? この18mは生理的酸素暴露危険水深(2.8気圧)であり、また一般的なスーツ(5mmジャケットとズボンタイプ)を着用した場合に浮力を失う水深が20m位でもありフィンキックでの脚力及びBCの浮力調整が出来ないとオーバーワークになり危険な状態を作ってしまう。 水深も30m位となると空気の密度が上がり、呼吸抵抗が増えて行く為に意識的に呼吸をする必要がある。 オープンウォーターダイバーとなり海洋での訓練等を繰り返す事により、器材への慣れや呼吸等を熟達しなければならない。 しかし、生理的酸素暴露危険水深とは酸素中毒に掛かる可能性のある水深なので酸素中毒の項を学んで頂きたい。 また、窒素の中毒である窒素酔いに掛かる水深が一般的に30m位と言われているがオーバーワークやストレスによる影響により24m位から出る可能性がある。 だが、どちらの中毒においても耐性がある為に個々に出方が違ってくる。 更に、最近こだわっているのは血中に於けるアンモニアNH3の神経毒性と酸塩基平衡作用による血液pHが影響を受ける事で、生体恒常性に問題を起こすアシドーシス(酸性化)とアルカローシス(塩基性化)だ。 ◎水深18m以上をディープダイビングとした場合 ウエットスーツの浮力消失をBCの浮力調整で行わなければならない為、水深が変化してもBCで中性浮力が取れる事が条件となり、更に手によるパドリングやオーバーキックをしないダイバーが水深18mを超えて潜れるダイバーと言える。 しかし、水深30m以上では物理的な作用と生理学的な作用がある為、水深18mを超え水深30m以内と定義しなければならない。 尚、浮上時に於いても浮力が足りないと感じた時はBCを躊躇なく使え、適切な操作が行えるダイバーで無ければならない。理由はW.オーバーキック&ワーク Xx.浮上時の重大問題!! を参照して下さい。 ◎水深30m以上をディープダイビングとした場合 水深18mを超え水深30m以上(以深)のダイビングとなる為、上述したBC操作に問題が無く、オーバーキックを潜降中及び浮上中でもしないダイバー限定となる。 物理的とは水圧による圧力の増加によってもたらされる水の粘性での動きづらさ、呼吸抵抗増加が起き、生理学的には窒素酔い、酸素中毒、精神的なストレスで起きる生命への危険性が伴う為、ある程度の習熟と、マインドコントロール法の訓練が必要とされる。
注意:水深18m以上と水深30m以上の2つの水深を定義したが、海外の透明度の良い海で行う場合と、国内等の透明度の悪い海での潜水では精神的なリスクが大幅に違う為、特に注意が必要である。 海外ダイビングリゾート地であっても、時として3〜5m迄濁る海がある為、訓練は必要です。 潜水プランの立て方 また、浅い水深での安全停止等を心がけなければならない。 ディープダイビングにおいては高ストレスともなり、それ相当の知識と技術を身に付けなければならない。 この表は実際の潜水プロファイルですが、潜水を開始し水深58mに着底するまでに13〜14分も掛かった為、結果的に減圧時間が長くなってしまっている。また、離底をしてから浮上開始までに1分程度の時間の経過しかしていない為、滞底時に何も出来ない事となる。 仮にテストダイビングとしても、何点かの問題点を露呈している。
1.着底までの時間は凡そ6分程度。(水深60mなら潜降スピードは10m/min以上で降下する) ※ 停止し、酸素過剰/酸素不足の体調確認の為、30秒〜3分とされるが、滞底時間にも左右される為に注意が必要。通常、問題が無ければ30秒から1分程度。 と、問題点を述べて見たが、潜降中には酸素中毒や窒素酔いが起きる可能性もあり、更に離底時の浮上開始時に、オーバーキックやオーバーワークによって酸素中毒や窒素酔いが増長され、ひどくなる場合がある。 更に、水深20〜18mでの酸素過剰チェックや呼吸調整を怠ると、急激に酸素の不足による過呼吸が起きて、タンクの残圧不足が起きかねない。
尚、過呼吸対応が出来ないと、余りの息苦しさによる水面への回避衝動が起きたり、又、ひどい時は気を失う。水面への回避衝動で水面へ上がってしまうと大概のダイバーは減圧症に罹患してしまう。 顔面、鼻、体温等の低下のチェックをし、鼻水が出る、顔が冷たく感じる、身体が寒さを感じた場合は酸素過剰として判断出来る。対応は1分程度、息を止めて二酸化炭素を増やす事で、体温や顔面温度の上昇が起きる。完全にフィンキックを停止して確認をする事。 その為には残留窒素及びプロファイル等の検証も必要となり、学習やシミュレートすることで時間の経過と浮上スピード等の管理能力を身につける。このシミュレートによって高所移動前の残留窒素量の確認も出来る。 いずれにしてもディープダイビングは計画の上での行動であるが、このディープダイビングは健康やマイクロバブルス等の潜在危険因子の排除として行ってもらいたい。 水深30mともなると、呼吸抵抗が増す為にその水深を感知出来るし、また40m前後で個人差は有るが窒素酔いにも掛かってくる為に視野の変化に気が付く筈である。 この様な状況を認識出来ない場合は、無熟知や無認知と言って、その水深にて起きる各種 症状回避、その水深からの回避能力訓練等も行っていない場合は端的に無謀といわざるを 得ないし、減圧症予備軍又は運が良いとしか言えない。 下記の図は潜降加圧時の問題点や浮上減圧時に起きて来るさまざまな状況を説明しているが、精神的な部分が身体生理作用として影響を与えている。
ディープダイビング時に感じる感覚とは!
G.不安要因が増えると恐怖感を感じ早く浮上したいと思う様になる。(右脳と左脳の関係) H.精神的なストレスとして五感の機能異常が起きて来る。ただし、個人差もかなりあり、中でも味覚や嗅覚、聴覚及び視覚に顕著に表れる。 ディープダイビング中の事を上げるときりが無いが、どれもがスキルと知識を必要とする。
そして、ディープダイビングでも体液の移動と脱水、体内水分の安定とリンパ管からの窒素放出を考えなければいけない。 参考 潜水での脱水 血液の循環 血液とは何? ダイビング中とダイビング後の血液の状態って ディープシミュレーション図 水深90m 在底3分 離底11分 潜降から水面まで67分
ディープシミュレーション図 水深90m 在底6分 離底14分 潜降から水面まで83分
Ss.ディープストップって何?
1.潜降と高深度滞底、浮上中の呼吸中枢神経の命令変化(O₂とCO₂呼気ガス変移). では、何を根拠にこの様な言葉が生まれて来たのだろうか? 実は海水魚を深い水深から引き揚げると胃袋が口から出たり、お腹を上にして弱ったり、死んでしまう事が有る為に数回に分けて水深を浅くする事で回避出来る事からこのディープストップの定義が生まれた! 知れば驚きの発想だ(^_^;) このディープストップに於いてH.Kunitsuguのディープ潜水での認識ではディープダイビングの場合、浮上時に際し酸素分圧過剰に於ける呼吸過多又は過換気呼吸が起きてしまう。 これは、浮上して行くと徐々に息苦しくなり大きく呼吸吸引をする事で溶存酸素量のつじつまを合わそうとしている。 又、過換気的呼吸によって、脳内では呼吸中枢の制御出来ない不測的酸素過剰となって、結果的には脳の組織を守ろうとして気を失う。 又は苦しさの余りパニックとなって水面に逃げ出す行動を取ってしまう。 では、ディープストップをする意味に於いてH.Kunitsuguは水深20m以深での浮上中に於けるディープストップとは血中の溶存酸素を浅い水深値へ向かわせる為、規則的に減らせる事で呼吸中枢を慣らして行く為の行為と見ているし、当然として体内の二酸化炭素分圧も増やす。 ストップした時に酸素の過剰感(体温の低下や鼻水、悪寒)を確認し、息を止めて二酸化炭素を意識的に増やさなければならない。(ディープストップは水深20m以上の水深ストップ) 尚、深い水深でのディープストップでは浮上時に最大深の半分の水深で止まれとか言われているし、限界酸素分圧値1.6とすると水深67mで超えてしまうが、浮上時にこの半分の33.5mで止まる事も有意義である。 ただし、止まるだけでは無く、フィンキックを止めて息を止めていなければ効果は無い(CO₂分圧の増加促進)。 ただし、これは浮上時に於ける呼吸中枢のコントロール法で有って、生体上無理の無い呼吸法と血中溶存酸素の生体的安定化を図るものである。 少し難しくなってしまったが、ディープ等深い水深へ潜って行くと、高圧の空気に肺が暴露されヘモグロビンの数に応じた酸素がヘモグロビンに取り込まれて行く。 潜水中に運動量が多いとヘモグロビンの取り込み酸素量よりも酸素が必要となると、心拍数を増やしてその対応を図るが、この時の血中溶存酸素値を呼吸中枢が安易に覚えてしまう事で厄介な事が起きる。 結果、酸素中毒による運動機能障害や視神経障害、呼吸障害で大変な事となる。 2. もう一つのディープストップでは、人体では体内で微小生体生成ガス(マイクロバブルス又はサイレントバブルス)発生が起きており、静脈血管を介して肺で微小生体生成ガスの消泡している。 この微小生体生成ガスが浮上時に於いて静脈内ガス塞栓を起こす、又は動脈ガス塞栓を起こす要因では無いかと見ている為に、微小生体生成ガスの排出をスムーズに行う為として20m以 この為に、浮上途中での一定の水深でディープストップを行い、微小生体生成ガスや窒素の排出を助け、更に浮上スピードの調整で対応している。 水深20m以深でのストップをディープストップと言い、20m以浅でのストップでは、特に窒素の排出圧力が高まる為、窒素排出圧の調整ストップと言っても良い。 通常は減圧調整ストップ又は安全停止、安全奨励停止と言っているが、強制力は無く、完全なる減圧停止とは違うものである。 3. 最初に言った魚の話に戻るが、ダイバーとてプロ的な長時間潜水による完全飽和潜水を行えば、魚と同じ事が言える事となり、潜水計画や減圧の為のテーブルに沿って浮上しなければならないが、一般のダイバーでは飽和潜水による潜水はしていないのである。 しいて言えば半飽和的潜水と言える。 浮上、つまり浮上に際しての窒素ガス過飽和防止の為の窒素減圧が浮上スピードの尊守であり、潜水の決まり事でもあるが、これがイコールディープストップに繋がると言えない。 間違ったディープストップは、逆にdeco時間を延ばし減圧症の発症に起因する場合が有るので注意をされたい。 間違ったディープストップは浅海水深3〜9mでの減圧停止時間を延ばす原因とも成っているからだ。 不測な潜水時間の延長は空気残圧にも影響して、自らに危険に陥る事ともなる。 ◎注意点として、浮上中体内からの窒素の放出は肺に向かって継続的に起きているが、呼吸によっては肺への放出を阻害されて放出時圧力を持ったまま窒素は体内を再循環する事となる。 再排出に早くて門脈を抜ければ1〜2分程度、末梢組織を巡れば7分も掛かる為、減圧症の要因として考えなければいけない。 ディープストップや安全停止時も含めた浮上時と停止時の呼吸法をもう一度読み直して貰いたい。 4.ディープストップを考えた時、1.で述べた高水深から魚を引き上げて来る時の本筋を述べていない。 魚の浮き袋が膨らむから死んでしまう、弱ってしまうと言う言葉を信じ、人間が魚と同じ様な現象で胃袋では無く、血管内に窒素の気泡が大量に出来てしまうと言うお話だ・・・。 本当にそうだろうか? 人間は鰓を持たないが為に水中から酸素を取り込む事は出来ないが、体内に肺や気管、副鼻腔群、耳腔等の空洞を持っている為、外圧の変化によって身体には多大なる影響を被る。 再度、考えて貰うと、ダイビングでの飽和潜水は一部のプロダイバーだけが行っている潜水方法で、他のダイバーは潜っても飽和潜水をしているとは言えないのだ。つまり、体外圧と体内圧での圧力均衡を取ろうとして、体液の移動や空腔内の圧力平衡を取ろうと作用する。 呼吸する空気の圧力で圧平衡が取れる所は良いのだが、取れない所は体液の充当を持ってこれに充てなければいけないのだ。とすると、体液の移動は水分の脱水にも成り得る事となる。 この高水深での脱水は大変に危険であり、この事がディープストップをしなければいけない原因ともなっている。 高水深での脱水とは、圧平衡の為に体液の移動が当初は早く行われるが、時間が経つにつれ水浸(イマージョン)や高圧反射、高圧利尿によって膀胱へと貯尿が進み、血漿蛋白であるグロプリンも減る事で毛細血管壁が閉塞し、間質液層及び細胞内液層へと水分の供給と栄養分や酸素を送る事が出来なくなる。 更に、緊張感での貯尿や呼吸等で体内水分が徐々に不足して来ると、間質液(リンパ液)の水分がリンパ管を通って上大静脈へ大量に流れて行くのである。 この事が細胞内液側である細胞組織側では徐々に脱水が始まり、更に毛細血管閉塞での栄養分低下、酸素低下で低体温化が進む事となってゆく。 つまりは、高水深での目に見えない極端な脱水が始まっているのである。 この状態で浮上、若しくは浮上途中にあった場合、浅い水深での血液の粘性増加を来し、細胞内液側体液の低下による脱水と収縮でのT型減圧症へと導かれる事が起きてしまうし、浮上時でのオーバーキックや浮上スピードが速いとU型の減圧症も誘発し易くなる。 これを防止する為には、高水深から浮上に際して中間水深で停止して、少しでも体液を戻す事で回避する事が出来るのだ。継続的な浮上は出来ないのでは無く、より安全に浮上する為には止むを得ない事となる。 しかし、このディープストップをしなくても浮上出来る方法もある事を知らねばいけない。念の為(*^_^*) 参考 1.飛行機搭乗禁止時間について
2.オーバーワーク 3.酸素中毒 4.窒素酔い Tt.エアテクニカルダイブ SCUBA MASTER (空気潜水に於ける最高峰) 高圧下におけるさまざまに起きる生理的、解剖学的、心理的、な要素、つまり潜水学を深く追求しなければなりません。 其れよりもなお、セルフレスキューにおけるマインドコントロール(心理要素と身体保全)の重要性及び潜水環境への同化をも必要とし、一般的なダイビングとは若干違った認識となってしまいます。 ここでの「スキューバダイバー」での考え方はエアテクニカルダイバー→【減圧症自己治癒潜水法】を行えるダイバーを養成する為には必要なスキルと知識の一部となります。 このエアテクニカルダイビングを学んだ上でのテクニカルダイビングで有ればより安全にダイビングを遂行出来るものと思われます。 エアテクニカルダイビングでのディープダイビングにおける生理的効用とは? 新陳代謝を上げる事で、脂肪をより効率よくエネルギーに分解し、悪玉のコレストロール値を的確に下げます。 白血球数が増える為に免疫性が高くなり、怪我の傷や内臓の疾患等も治癒改善します。 末梢血管等にも程よく血液が行き届き神経痛の痛みにも効用が有ります。 また、減圧症予備軍のマイクロバブルス核(減圧症発症因子)の排除にも有効です。 良い事を上げるときりが有りません。 しかし、生理的欠点としては 爪や髪の毛が伸びるのが早い、お腹が減る(血糖値低下)等の問題があり、潜水前又は潜水後にカルシュウムの補充をする事が大事なのです。 これは、代謝が上がる事によりエネルギー代謝においてのカルシュウムが必要となってくる為で、通常は血液内及び骨髄内よりのカルシュウムを利用して代謝にあてるが、不足すると骨粗しょう症(歯、骨)にもなりえ、爪の割れや髪の毛が荒れる等の問題が出て、特に女性はカルシュウム不足で起きるホルモンの異常などが起きてきます。 注意点は テクニカルダイビングではない場合のオーバーワークや、間違った呼吸により酸素の過剰によって活性酸素が発生し、体の細胞組織を痛める事による色々な障害が発生して来る。 ましてや、効用とは程遠く減圧症の発症危険因子をも作ってしまうのだ。
空気消費量と潜水可能限界水深 浅い水深での空気消費はオーバーキックやオーバーワークの為に過剰な空気消費となり、深い呼吸では酸素過剰となり体温の低下と酸素過剰による頭痛等も引き起こす。
尚、30m前後での潜水では呼吸中枢による過剰換気命令が起きる為、危険であり、注意が必要。 ◎エアテクニカルダイビングを習得する為には 1.基本となる軽器材、重器材の使用スキルと製品知識の習得、中性浮力、耳抜き、呼吸法、潜水生理学、潜水・スポーツ心理学、潜水物理学、セルフレスキュー法等を学ばなければならない。 特に潜水生理学と潜水・スポーツ心理学は最重要で有る。 潜水物理学はテクニカルダイビングに於けるガスミックス等もこれに含まれるが、重要なのはこの様なガスミックスを使った時の潜水生理学と潜水・スポーツ心理学が大事で有る事は分り、更に中性浮力や呼吸法により脳に対してのストレスを最大限に回避する潜水法だ。 ◎一般のテクニカルダイビングに於いては上記に挙げる潜水生理学の一部、潜水・スポーツ心理学の指導はしておらず、潜水物理学上のガスミックスに対しての学習が大半です。 参考 ストレスを回避する為のスキル全般、ストレスを回避する為の知識全般。 【減圧症自己治癒潜水法】/【空気塞栓症自己治癒潜水法】/【高気圧障害自己治癒潜水法】とは國次 秀紀(国次秀紀/Hidenori Kunitsugu)が考え出した独自のテーブル・知識・スキルに基づく高潜水(深深度酸素・窒素の低毒性)自己治癒潜水法を云います。
テクニカルダイビングの1歩と言えるナイトロックスダイビングとは酸素分圧を変え窒素の浸透を遅らせた潜水法の一つで有る。
エアの潜水では意外と自由だが、ガスミックスでは約束された中での拘束潜水とも言え、管理潜水に適する。
ナイトロックスでの潜水はガスミックスの中でも比較的自由に潜水出来る方法で有る。 EAN32テーブル EAN36テーブル ナイトロックスで使用される各表 ◎高所潜水には湖等で限りが有るが、島国であるこの国では離島や山越の移動でのリスクがついてまわる。 これは低圧下及び高圧下においても同じ事が言える。 どの程度の内圧を上げれば良いのかと言うと、やむえない場合を除いて高度2100m 〜2400m位で気圧にして0.81〜0.78気圧位ではないであろうか! 2400m以上の山へ登ると高山病の様に酸素不足による頭痛や吐き気等を、もよおしてしまう。 機密性の良い国内・国際線の飛行機での巡航高度は8000m〜12000m(回避高度含む) この図は陸上に於いての血圧分布図です。 重力(引力)による80mmHgの圧力を受けています。 大気圏内に於いての重力圧が80mmHgに対して、大気圧は760mmHgともなる為に影響力が著しく大きい。 大気圧の変化は地上より100m登る事で約7.1mmHg、200mで14.02mmHg、300mで20.93mmHg、600mで41.65mmHg、900mで62.37mmHg、1200mで 83.1mmHg、1500mで103.82mmHg、1800mで124.55mmHg、2100mで145.27mmHg、2400mで165.99mmHgと決して無視出来る数値では無い。 高度が高くなる程、休憩時間を長く取らなければいけない事と、長時間のシャワ ーやお風呂等での体温上昇は決して良い物では無い。 低気圧や台風も影響が有り、例えば、潜水間際に周囲圧が985hpaだったとしましょう。 潜水が終了して、300mの山を越えたとすると・・・この時の差圧が28hpaですから、 300mの山の上では20.93hpa下がりますので合計して48.93hpaとなります。 つまり、700mの山越えと同じ事となりますので、低気圧の移動下での潜水でも注意しなければいけません。 潜水終了して水面に上がった時点で差圧が発生し、一時的に400mの高地にいる数値 となり、潜水の内容によっては、減圧症の誘発と成り得ます。 これは、浅い水深(18m以浅)での長時間潜水及びインターバルの短い潜水では顕著に 現れる事に。 正確には判断出来ませんので、安全なダイブプランでの潜水を奨励します。
ただし、既に体内に減圧症発症因子や、肥満、高脂血症、循環器障害等を持っていると、安全に高所を移動出来るとは言えない。 現在、高所移動については随分と論議をかもし出して居るが、ダイビング終了後に最低でも6時間〜12時間は体内の窒素ガス圧を抜かなければならないとされるが、これは、それまでに無知・無謀によって体内へと減圧症発症の因子を蓄積した方達に言える事で、正当な知識と技術を習得していればこの限りでは無い。 また、普段の体質や、当日の体調によって、高所移動に向う時間や飛行機搭乗時間の調整が必要となる。 ◎仕方無く高所の移動をしようとした場合 酸素での窒素の洗い出しは有効ですし、酸素が無ければ、深呼吸やハイパーベンチレーションも有効な方法です。 危険とされる事は、体温を上げるお風呂や長いシャワー、心拍数を上げる重作業等は止めて下さい。 ◎万が一、通常の潜水や高所移動もせずに減圧症に掛かった場合、以前の潜水、例えば講習中からのダイビングになんらかの問題が有ったとしか言え無いのですが、急浮上や水深15〜18mでの無限圧長時間潜水等の中に減圧症発症因子を作ってしまったとしか言え無いのです。 減圧症や呼吸について、潜降と浮上の項を良く読んで見て下さい。 尚、既に減圧症に掛かっている方に於いて、当日のダイビング後の窒素の洗い出し効果は有りますが、以前に罹患した減圧症対策として酸素を吸い、高所移動をした場合は発症(発症程度は判らず)する恐れが有ります。 治療又は自然治癒に期待を掛けるしか有り得ないのです。ただ、自然治癒は限りなくありません。 ◎潜水時間一杯の潜水を行い、浮上時の肺の過膨張によって起きつつあるT型、U型の減圧症の発症が増えている.のと 自分では自覚のない卵円孔開存、肺動脈の変形と奇形での減圧症発症と軽微なエアエンボリズム発症. ダイブコンピュータの使用者が増えてのマルチレベルダイビングが主流と成りつつあり、以前には無かった自由な潜水が可能となりました。 減圧症の疑いや知覚していなくても、オープンウォーター講習時より発症危険因子を作ってしまい、その減圧症発症危険因子を持ったダイバーが増えている事が問題なのです。 減圧症にならない為のダイブコンピュータが悪いのではなく、そのダイブコンピュータが初期設定している体質や体調ではない状態での使用も問題となります。 また、浮上時においてはダイブコンピュータでは問題は無くても生理的には問題が起きる事を忘れてはならないのです。 1.リバースプロフィール(プロファイル)
2.ソーツース(のこぎり型、ヨーヨー型)
3.連続型ダイビング
窒素は肺胞より排出されるが、空気の膨張により窒素の排出を妨げる事によって、排出されるべき窒素が肺胞より放出される時の微小圧力を持ったまま再度循環することとなり 、減圧症及び減圧症予備軍が発生します。 旧態は12時間、現在は48時間もすれば問題は無いといった事が常識では無くなってきました。
では、どうすれば良いんだと成ってしまうのだが、浮上時に於いてはどのダイバーであれ変速浮上法を心掛けて極力肺内の空気過膨張に気を付けて浮上する。 ここで言う変速浮上法とは9m/分の浮上スピードを水深が浅くなるにつれて落として行く。 例えば、水深10m辺りでは9m/分、水深6mでは6m/分、水深3mからは1分を掛けて水面へ浮上する。 また、浮上に際し肺の状態は若干では有るが陰圧としたい。 感覚が分からない場合は、浮上時に於いて確認の意味で水面を見る事を心掛け、この時に気道の開放に心がける。(数メートルおきに確認し、浅くなれば頻度を増す) 「変速浮上法」とは階段式「変則的変速浮上法」の事です。 下記の図は安全と危険なダイビングパターン 残留窒素とプロファイルの推移を参照. ◎オーバーキック及びオーバーワークでの筋疲労から来る不可抗力的パニックが多発している様であり、一般的に原因が不明や、心不全として処理してしまう原因が嫌気性乳酸の発生を起因とする生理・生化学的重大問題がある。 1.浮上時の重大問題 2.減圧症 3.エアエンボリズム 4.潜降・浮上 5.呼吸法について Xx.浮上時の重大問題 安全停止の意義と注意点! ◎浮上時の生理的な状態を述べる事はほぼ無かったのだが、最近になり高齢者や運動不足のダイバーのおぼれやパニックが報告されている。 通常は心理的とか技術不足と言われているが、本当にこれだけだろうか? さて、ここでの肺による放出は窒素だけでなく二酸化炭素も放出し、酸素との交換を行わなければいけない。 この負荷軽減は時としてダイバーに対して虚血性の息苦しさ等や一過性の貧血等も生み出す。 また、交感神経命令を受けて左心房と左心室の拍動の増加に伴い、体温の増加を来たし、更に呼吸促進性によって異常な息苦しさを覚え、のぼせ(脳内温度上昇)と同じ様な苦しさが起こる為、注意を要する。 尚、この症状は浮上中や浮上後に業務としてオバーワークをするガイド、イントラに良く見られ、更に運動量の多い初心者ダイバーにも見られる。 この作用の事をBainbridge効果(上述と下述)では?とも取られ、脳に対する負荷抑制の為の負荷減弱反射(Mareyの反射)(上述と下述)も関係する。 ◎この症状が出た場合、極力フィンキックを止めて、更に胸や首筋、顔、頭を海水や真水で冷やす事を早急にすると治る。ただ、最悪の場合は心臓麻痺やU型の減圧障害を引き起こす。 ◎この他に卵円孔開存が有り、通常は健康体であっても心臓の中までは分からないもので上記に述べた右心房と右心室の圧力が異常に上がる事で心房中隔欠損である卵円孔開存の疑いがある方は過度の浮上は危険である。 若干だが奨励されるのは、手及び肘と足と膝の軽い運動は窒素の排出を促す作用が有るが、この軽微な運動時に肺よりの息の排出をより大きくする事もサイレントバブルス及びマイクロバブルスをより多く排出出来るので減圧症発症に対して相当な確立で発症を低減出来る。 間違っても呼吸を止めたホバリングの訓練や、うねり(1.5〜3mの上下)の中のロープでの安全停止、フィンキックによる安全停止は相当の危険度を増す為にやってはいけない項目となる。 しかし、うねりの中での浮上や安全停止中であっても、うねりに呼吸のタイミングを注意し、合わせる事が出来れば問題は回避される。 初心者からプロのダイバーまでがこの要因に注意されたい。 Bainbridge反射はBainbridge効果とも言われ、心臓の拍動亢進が起きる。 また、拍動による圧力が高まると、脳に対する負荷抑制の為の負荷減弱反射(Mareyの反射)が起きて、拍動の圧力調整が起きる。 しかし、一般に右心房・右心室の圧力が高くなると、左心房・左心室の圧力低下(虚血)が起きBainbridge反射での最初の拍動圧が問題とされる。 圧力が高い為に、脳からの命令でその反対の負荷減弱反射が起きるが、この時の初動圧力によって脳型、中枢神経、チョークス、メニエル型の減圧症に掛かるとされているが、軽度と言われる副神経障害から来る僧帽筋とその周辺の違和感もこの現象ではと考えられる。 つまり、僧帽筋や肩や首周辺のこりや違和感はT型減圧症では無く、U型の脳型副神経による減圧症と見られる。T型と違い治り易い。 この他の原因として、浮上時の嫌気性乳酸発生で解離された乳酸塩と水素イオンH2での重炭酸塩(重曹)(NaHCO3)や重炭酸イオンHCO3⁻、炭酸水H2CO3、重炭酸ソーダNaHCO3、炭酸ソーダ Na2CO3と水素イオンの合成・分離によって、CO2とH2Oが筋肉細胞内と静脈血中のpHの低下によって起きる換気亢進、並びに静脈血漿に大量のCO2が溶け込んだ結果、肺に於いてCO2の排出(呼出)が正常に行われない。 その為に酸素O2の取り込みがうまく行われない為、生命的に大変な問題が起きるのだ。
減圧症の発生の起因になるのは当然だが、それだけではなくパニックの誘発やアンモニア過剰による脳神経への神経性障害も発生するのだ。
この問題点は減圧症の項と疲労とダイビング 疲労と代謝 の項へ詳しく説明してある。是非、読んで理解して頂きたい。 國次の生理学・解剖学文献研究と、実際のダイビングに於ける高深度〜浅海への浮上での意見では、通常の窒素排出とは別にリンパ管を通った窒素の放出を考えなければ減圧症の撲滅とはならず、改めて潜水での脱水とリンパ及びリンパ管の役割を含めて考えているが、この事に血圧も含めた血液環流とリンパ還流に対して負荷が掛らなければ減圧症にも掛からない事が分かって来た。 部位脱水によってT型の筋肉・関節・骨細胞減圧症が起き、血液環流の多い下半身からの下大静脈の血液環流負荷(脱水と血圧)によるU型減圧症が起きる事が判ったのだ。 参考として浮上時の呼吸法も覚えて下さい。 呼吸法について 潜降・浮上 潜水での脱水(重要) 血液の循環 血液とは何?
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