【「スキューバダイバー」自分の身を守る為の予備知識】 特別編シリーズ1 スキン・スキューバダイバーが無視してはいけない生体影響ガス!! 窒素N2・・・→血中アンモニアって何・・・?
この項では、新しい情報が入り次第、追加記載して行きます。
何気なしに吸っている空気、その組成で最大の数値を占めるのは窒素ガス(N2 78.08%)なのですが、地上での一般的日常生活に於いて必要とされていない不活性ガスと決めつけられています。 しかし、この窒素ガスN2単体では体内に取り込めず、何の作用もしていないとされて来たのですが、実は地上に於いても僅かながら取り込んでいる事が分かって来ました。 また、食事等で体内に取り込まれた蛋白質を分解・発酵・合成で、余剰・過剰となった窒素分は便や尿として排泄されていますが、余剰・過剰・体内に不必要・生体に毒性を帯びた成分も同じく便や尿として排泄され、その一部は汗腺から、また、肺を介して体外へと呼気・口臭として排出・排気されるのです。 ですから、呼気・口臭には無臭成分から有臭成分まで含まれており、その臭い成分で体調をはかり知る事も出来る様になりました。 一般日常的にサイレントバブルス(炭酸ソーダ水H2CO3)や、マイクロバブルスを形成し介在しているガスは、酸素O2、二酸化炭素CO2、窒素N2、一酸化炭素CO、水素H2、メタンCH4、アセトンCH3COCH3(C3H6O)、アンモニアNH3、窒素酸化物NOx、イソプレンC5H8、エタノールC2H6O、アセトアルデヒド(酸化メチレン)CH2O等で、一部は皮膚や呼気からも放出されます。 アセトンCH3COCH3(C3H6O)、イソプレンC5H8は、脂質代謝からの産生物として血液や呼気に常在しており、窒素有機化合物としての亜硝酸NO3や硝酸NO2も便や尿としての排泄しますが、これ以外に門脈〜肝臓で作られる生体生成ガスのマイクロバブルス中にも含まれています(亜硝酸や硝酸は、火薬の原料として便や尿から作られていた古い時代がありました) 生体生成ガスであるサイレントバブルスやマイクロバブルスは、肺に於いて消泡され、不要なガスを放出・排気しています。また、肺腔に残った一部のガスは、必要・不必要な成分として血漿中に取り込まれて循環されて行き、不必要な物は徐々に呼気、便中、皮膚から放出されます。 ※生体恒常性の維持に重要な役割を持つサイレントバブルスやマイクロバブルスは、日常生活環境や非日常生活環境(低圧及び高圧)に於いても生成されており、特にマイクロバブルスの産生や増産は腸から吸収される栄養分や血中のアンモニア濃度に左右されているのです。 下記の図は全身から静脈へと出される生体生成ガス=サイレントバブルス
下記の図は肝臓と門脈の関係 生体生成ガス=マイクロバブルス ※生体生成ガス=サイレントバブルス と、生体生成ガス=マイクロバブルス とは別物です(*^_^*) 間違ってはいけません!!※ 窒素ガスN2 不活性ガス環境 窒素ガスN2は無味・無臭・無色のガスですが、窒素系のガスが体内で過剰となった場合、ほんの僅かに亜硝酸系ガス・硝酸系ガス(窒素酸化物NOx含む)の臭いが呼気・口臭として出る場合がありますが、目には見えずとも大半の亜硝酸系ガス・硝酸系ガスは肺に於いて窒化・還元されて窒素ガスN2として排出・排気されているのです。
日常生活環境として、海抜0mから300m位(拡大解釈するとA.0m〜800m)までが陸上に於ける窒素の飽和環境と言っても良く、体内の血中アンモニア(アンモニアNH3とアンモニウムイオンNH4+)による酸塩基平衡によって、生体の恒常性を維持しています。
空気中の窒素ガスN2 = 体内の血中アンモニア(NH3とNH4+)による酸塩基平衡 = 飽和
窒素ガスN2 活性ガス環境 高所の移動(高度2400m以上の山、飛行機等) 高所の山へ登った時、飛行機での与圧環境内(機内2400m設定以上〜)では体外圧が下がる為、体内の過飽和的余剰な窒素分が肺を介してゆっくりと排出・排気されます。 山の頂上に達し、休憩の後に下山すると、今度は外圧が少しずつ上昇し、少しずつだが空気中の窒素N2を肺で曝露して酸化させ、血中アンモニア(アンモニアNH3とアンモニウムイオンNH4+)として体内へ取り込んで行く。元の生活環境まで降りて安定平衡化する。 尚、ジェットパイロットの場合、一気に上昇し、気圧差が大きいと航空機減圧症が起きる場合があります。 ダイビングでの潜水 潜水遊泳の後、水面へと浮上を始めると体内細胞に取り込んでいた窒素分の排出が、門脈〜肝臓で生体生成ガス(マイクロバブルス)として作りだされ、下大静脈→右心房・右心室→肺→消泡・窒化・還元→窒素N2として排出・排気が始まります。 決められた浮上スピードルール(9m/min.USNAVY)、(8m/min.日本の潜水士必携)、その他のダイブコンピュータ各社の浮上スピートに従がって浮上すれば、通常、問題を起こす事はありません。 しかし、浮上スピードが早い場合、体内に取り込まれていた窒素分の過飽和化によって、体内に窒素分を多く含んだ泡(マイクロバブルス)を大量に作り、万が一、心臓をすり抜けて動脈側へ流入すると、毛細血管の閉塞が起きる動脈ガス塞栓症の恐れがあり、生命に危険が及びます。 また、決められた潜水時間(ダイブテーブル)以上に潜っていた場合、定められた規定の水深で減圧停止(体内窒素分の排気低減)を行わなければ窒素分の過飽和へと向かい、生命に対し大変危険とされるのです。 窒素分の過飽和で、何がどうして危険なのかと問われそうなので答えて行くと、過飽和が初期段階で小さい場合、門脈から肝臓に於いて生体生成ガス泡であるマイクロバブルスが大量に産生され、肺へ向かって送られて行き、肺胞で消泡され、更に、窒化・還元されて窒素分は窒素分子N2として排気されるのです。 過飽和が小さい場合では危険性も小さいと思われますが、浮上途中で息を意識的・無意識的に止めてみたり、過剰なオーバーワーク、無秩序な急浮上を行えば、マイクロバブルスは肺で消泡されずに心臓をすり抜け、動脈側へと入り、脳へ運ばれて動脈ガス塞栓症を起こすガス泡になってしまう恐れがあるのです。 また、明らかな過飽和の場合、門脈から肝臓で作られる生体生成ガス(マイクロバブルス)の産生が加算的に増え、更に、ガス泡の膜厚化、増粘化、内包ガス圧の増大・膨大等が起きると思われ、浮上中の外圧低下によって、更にマイクロバブルスの強度(ガス泡の膜厚化、増粘化、内包ガス圧の増大・膨大)が増して肺胞に於いて消泡されずに心臓をすり抜け、動脈側へ簡単に入り込んでしまう可能性が高く、動脈ガス塞栓症を起こす危険性が最も大きくなるのです。
ダイビングに於ける浮上時の過飽和の問題と対策・対処法と思ったのですが・・・. 下の図を見て頂くと、潜水・加圧環境での窒素N2の取り込みから、浮上・減圧環境での窒素分の排出・排気までを説明して有りますが、取り込む時は水素H+による酸化によって血中アンモニア(NH3とNH4+)にして体内隅々まで送り込まれますが、浮上・減圧環境での窒素分の排出・排気では、複雑な過程と排出方法を踏んで窒素N2へと窒化・脱窒、或いは還元され排出・排気されるのです。 ※この時の酸化作用、窒化・脱窒作用、或いは還元作用に係る水素H+ (プロトン)は、肺細胞内のミトコンドリアによって大量に供給され、変換作用が起きているのです。※ 生体内での血液pHの微妙な調整機能を血中アンモニア(強刺激臭を持ち、有毒性、水溶性、脂溶性のアンモニアNH3と、無毒、無味、無臭、難脂溶性のアンモニウムイオンNH4+)で決定づける酸塩基平衡や、タンパク質、アミノ酸、核酸、グルタミンやグルタミン酸等、生体には絶体に無くてはならない重要な気体の窒素N2なのです。 窒素N2は、肺の毛細細静脈の血漿中で酸化されて体内へと取り込むが、酸化されてアンモニアNH3とアンモニウムイオンNH4+へと変換されて体内の組織へと取り込まれてゆき、更に体内に於いて化学的平衡(酸塩基平衡)を取りながら体組織へと取り込まれて行く。 急な潜水潜降によって圧力の高い空気を肺に曝露すると、窒素N2が酸化して血中アンモニア(アンモニアNH3、アンモニウムイオンNH4+)に変わり、肺→左心房→左心室から勢い良く脳と全身へと送られるが、特に血中アンモニア濃度が高い状態で血液脳関門を通過して脳に対して神経毒性を発現させる為に、急激な潜降も問題となるのです。 血中アンモニア濃度が高い状態で血液脳関門を通過させない為には、心拍数を増やさず、出来得れば心拍数を減らしてストレスを低減させ、更にアンモニウムイオンNH4+をアンモニアNH3にさせない事しかないのです。 つまり、潜降しつつ潜降のスピード調整(BCの操作)と潜降バランス、少ないキック数、スムーズな耳抜き、マスクのソフトフィット、自然な呼吸等でストレスも無く潜って行けます(*^^)v 結果的に、急な潜降も問題となり、10〜12m/min以内が適切と思われますが、最速でも15m/min、のんびりゆっくりなら6〜8m/min位の潜降スピードが良いと思われます。 さて、仮に高濃度の血中アンモニアを取り込もうとした場合、高いストレスが生じてしまうと、血中で高アンモニア血症化が起きて生命を危険に曝す事となるが、この状態は「窒素酔い」と同じとして見る事が出来るのだ。 アンモニアNH3 の神経毒性によって、脳内エネルギー産生が低下する為、身体機能の伝達の遅れから来る反応の鈍さ、意識のうつろさ、思考力・判断力・記憶力・運動及び反射能力等が低下した結果、恐怖や逃避行動としてのパニックや、人為的過誤や失敗、おぼろげな記憶・記憶の欠落や記憶喪失、幻覚・幻聴、眠気、脱力感、更に平衡感覚、視力の低下も起きて来るし、吐き気も催すかもしれないのだ。 しかし、意識をしていれば自発的体反射の持つ危険回避によって回避されるが、無意識的及び集中力の欠落等があると、回避対処が出来ないが、脳に対しての神経毒性と同等と見られる「窒素酔い」発現には個人差がある。 窒素酔いは、その日の体調によっても違うしその出方もさまざまだ。
水深30m、4気圧、窒素分圧は3.16sですが、地上において既に体内にて1気圧分の飽和(0.78s)をしていますので窒素分圧2.37s程度(24m)の肺内曝露によって出る可能性が出てきます。 二つの麻酔作用(窒素酔いの原因)
A.笑気ガス
硝酸アンモニウム2NH4NO3→N2O(亜酸化窒素/一酸化二窒素/笑気ガス)+2H2O
B.アンモニア血症化(脳の神経毒化) 脳に於いてアンモニアNH3は神経毒となる為、平常はグルタミン酸脱水素酵素でα-ケトグルタル酸と結合させてグルタミン酸に変えて無毒化しているのだ。 アンモニア(血中アンモニア→アンモニアNH3とアンモニウムイオンNH4+)の取り込みが大量となり体内で多過ぎる場合、体内で分担されて無毒化し、余剰・過剰な分は肝臓で無毒な尿素へと合成して腎臓に送り、膀胱へと排泄、或いは貯留している。 しかし、多過ぎる場合→→→窒素分の飽和・過飽和と言う形でダイバーには説明。 ※注意
潜水中では窒素分の飽和はあっても過飽和はありえず、過飽和は体外圧が低くなる浮上時に発生する。 実は、肺で曝露された窒素N2は肺血漿中で酸化し、血中アンモニア(アンモニアNH3とアンモニウムイオンNH4+)へと変換されて体内へと取り込むが、生体恒常性平衡である酸塩基平衡によって血液のpHのコントロールをしつつ取り込むのだ。 また、浮上時に於いても酸塩基平衡によるpHのコントロールをしており、特に浮上時では乳酸の加水分解や呼吸による酸の影響でpHの安定性に問題を起こす可能性がある。 酸性 NH3 + H2O ⇔ NH4+
+ OH-
塩基性 【酸塩基平衡反応】生体恒常性に絶対不可欠! 血液pH値
酸性 7.35〜7.4〜7.45 塩基性
B.つまり、塩基性に向いてアンモニウムイオンNH4+と結びつけば、有毒性・強刺激臭・水溶性・脂溶性のアンモニアNH3に容易に変わってしまうのです。 B.有毒性・強刺激臭・水溶性・脂溶性のアンモニアNH3が増えれば、その毒性によって血液脳関門の血流コントロールが利かなくなり、脳への血流量が増え、脳に対して神経毒性を発現、身体機能の伝達の遅れから来る反応の鈍さ、思考力・判断力・記憶力・運動及び反射能力等が低下して、窒素酔い的な症状へと向かいます。 A.B.水深にさほど関係なく発現しますが、原因はオーバーキックやストレス等で、血液中に酸化的兆候(水素イオンH+や水H2OによるpHの低下)が現れた為、pHを血液平衡値へ戻そうとして塩基性に働く事で血中のアンモニアNH3が大幅に増え、血液脳関門を開いて脳への血流量を増やし、脳への神経毒障害を引き起こします。これは、高アンモニア血症化に向かっている為で、当然として高水深であれば笑気ガス化が起きます。 A.水深30m辺りからの窒素酔いは窒素分の笑気ガス化とも言われているが、その根源はアンモニアにある事を忘れてはいけない。 B.また、呼吸量増大やオーバーワークでなくても、高ストレスにより 脳髄液の安定電位の変化(酸性化)により、脳内で大量の血液還流が始まり、やはり窒素酔いが浅い水深でも起きる事を促しています。 酸性化→→→塩基性(アルカリ)化へと働き、pHを7.4前後に維持. 窒素酔いの状態. しかし、現実的には18〜20m位では他の症状が出るために窒素酔いの判断がしにくくなっていますが、他の症状とはオーバーキック・オーバーワークによる呼吸・心拍数の増加により、注意が散漫になったり、精神的に集中出来無くなる事です。 窒素酔いは、一般的に30m辺りから出始め、水深が増すにつれストレスも増し 、酔い方も増大する。 では、どの様な症状が出るのだろうか? 自分の性格が出てしまうダイビングだが、もっと自分の内部心理を露呈しかねない自体にも陥る場合がある。 たとえば、急に我が侭になりどこかに行ってしまったり、文句をぶつぶつ言う人もいるし、幻覚や幻聴を聴く場合も・・・。 もっと最悪は、呼吸をし、目は開いているのに反応がなくなる人がいる事で、ゆっくりと海底に沈んでいく人がいる事だ。 なった本人に聞くと、途中までは記憶があったが、途中から分からなくなったと言う。 しかし、もう少し聴いてみると、最初に目の前が暗くなりシャッターが降りる様に見えなくなるが 、音は聞こえている事だ。 ただ、掛かった人を3〜5mも浮上させると、元に戻り何も無かったように泳ぐ。 また、アルコールに強い人も窒素酔いには確かに強いが、体調によりその限りではないことが分かっている。 (一定の水深や一定の時間が経過した後に一気に酔う場合がある) 何よりも窒素酔いに掛かりずらくする為には、その原因である脳に対しての対処法ではなかろうか。→→→窒素酔い保護的防御策 血中の窒素分圧(血中アンモニアのNH3とNH4+)をコントロールする為には、脳に対して血流量の増大をさせないようにする事で、次の対策が有る。 1. マインドコントロールの為、集中力を維持して気を抜かない。また、声を出して自分の恐怖心や否定感に対し肯定し言い聞せる。暗い所ではライト等を使い、視野を広げて不安を増大させない。 2. 中性浮力に気遣い、フィンキック数を減らして、心拍数及び呼吸数を増加させないようにする。 3. 2.の補足になるが深い深度ではスローモーションを心がけ、運動量を減らす。過度な動きは酸素中毒を誘い、急激な窒素酔いに掛かるとしています。 ◎この保護的防御策は 、心拍数を上げないようにして脳への血流量を抑制し、ストレス等によりアンモニアNH3が増える事で血液脳関門が開き血流量増大をさせない為の物です。 また、ストレスによって血中のアンモニア(NH3とNH4+)のNH4+ が→NH3に変わり増え過ぎると、脳に対して神経毒性が起きるが、肝臓・腎臓等の機能障害のある方には要注意である。 更に、この肝臓・腎臓の機能障害が無くてもオーバーキックやオーバーワーク等での乳酸発生でアンモニアNH3等を増やすと、やはり、脳への影響は計り知れない。 マティーニの法則 (カクテルのマティーニを10m潜る毎に、空きっ腹で1杯づつ飲んだ酔い方を表示)
下記の図では、日常生活環境圧が1気圧とすると、生体はこの1気圧環境に良く馴染み、生体恒常性の安定を図っていますが、これが血液pHによる酸塩基平衡なのです。
酸性 NH3+H2O⇔NH4++OH- 塩基(アルカリ)性 詳しくは下段に説明してあります。
上の図ではP=水深m、横軸=時間(分)、縦軸=体内ガス圧係数としての体内アンモニア濃度を表しています。 生体内での血中アンモニア(NH3.NH4+)の恒常性と二酸化炭素CO2の二人三脚.
アンモニア(ammonia)は分子式がNH3で表される無機化合物。 常温常圧では無色の気体で、特有の強い刺激臭を持つており、水に良く溶けるため、水溶液(アンモニア水)として使用されることも多く、水溶液は塩基性を示す。 アンモニアは液化し易く、20℃では、0.857
MPa
(8.46気圧)で液化する。 共役酸(NH4+)はアンモニウムイオン(ammonium ion)、共役塩基 (NH2-)はアミドイオン(amide ion) 水溶性で大量に溶けるとされるアンモニアNH3は442倍(水1mlに442ml溶ける)と溶解度が高く、血漿は弱い塩基性(OH-)へと変わる。 酸性 NH3+H2O⇔NH4++OH- 塩基(アルカリ)性 酸塩基平衡
アンモニアNH3 とアンモニウムイオンNH4+ の酸塩基平衡によって、血液のpH値を維持する作用があるが、特に、二酸化炭素CO2の変換と体内移動に於いて、重炭酸イオンHCO3-、炭酸水H2CO3、重炭酸ナトリウムNaHCO3の中の水素イオンH+と血中アンモニア(NH3、NH4+)が静脈内で酸化反応する事でアシドーシスが起き、静脈血中に分離した二酸化炭素CO2が増える事で息苦しさや吐き気をもよおす。体温の上昇もあり。 この様な現象は乳酸でも起き、乳酸の加水分解によって静脈中に水素イオンH+と水H2Oが作られるが、水H2Oは静脈血を薄める事でpH値を下げて乳酸(代謝性)アシドーシスを発生させ、水素イオンH+に至っては、CO2を分解し合成された重炭酸イオンHCO3-、炭酸水(別名 炭酸ソーダ水)H2CO3、重炭酸ナトリウム(別名 重曹)NaHCO3を再びCO2に戻す作用が移動中の静脈・大静脈内で働く。やはり、息苦しさや吐き気をもよおす。体温の上昇もあり。 本来、CO2は細胞内で作られ、細静脈までの過程で重炭酸イオンHCO3-、炭酸水(別名 炭酸ソーダ水)H2CO3、重炭酸ナトリウム(別名 重曹)NaHCO3 に合成され、肺の毛細血管で再びCO2に戻されて体外へ排出されるが、この作用が既に静脈・大静脈内で行われ、CO2として運搬される事となる為、肺に於いても正常な呼吸とはならずに、そうとう息苦しくなるのである。乳酸(代謝性)アシドーシスによる呼吸性アシドーシスの誘因と発現。
要するに、オーバーワーク等で謙気性代謝による乳酸が産生されると、加水分解での水素及び水が静脈内へと大量に増えた結果、この水素イオンH+と水H2Oに重炭酸イオンHCO3-、炭酸水H2CO3、重炭酸ナトリウムNaHCO3が反応して静脈・大静脈内でPCO2の血中濃度が上昇し、PO2の血中濃度低下が起きる結果、息苦しさのあまりにパニックや逃避行動を取りたくなるのだ。最悪の場合は窒息性の失神や溺水を起こす。 これ以外にアンモニアが関与している高血糖・低血糖や脱水、内臓の機能低下や内臓の失調等(体温低下や腹具合の不調)が起きて来る。 血中のアンモニア濃度が上昇すると、塩基(アルカリ)性(OH-)でのpH値が上がる事となるが、血液は常にpH7.35〜7.45の間で保たれているので7.45以上へとなれば下げる作用が働く。 調整系では炭酸緩衝系および肺の二酸化炭素排出、或いはリン酸緩衝系および腎臓の酸排泄によって調整される。 血液 pH が 7.0 以下になると昏睡に陥り、7.7 以上になると痙攣を起こすが、どちらも心臓が停止して死に至る。 よって、血中のアンモニア濃度が変化する事で血中のpH値が変化する為、呼吸や精神的な部分へと影響を与え、腸に於いてはアンモニア濃度が上昇する事で大量の生体生成ガス泡(マイクロバブルス)が門脈〜肝臓に於いて作られ、下大静脈中へと放出される。
アンモニアの一般毒性(血中では神経毒性[下部に記載])
アンモニアの燃焼性(爆発性ガス) 液体アンモニアではハロゲン及び強酸と接触すると、激しく反応して爆発飛散する事があり、特に酸素中では燃焼し窒素酸化物を発生する。 生体内に於けるアンモニアの産生と余剰アンモニアの処理. 脳、骨格筋、心筋でのアンモニア産生と余剰アンモニアの処理.
脳の疲労、骨格筋の運動と疲労、心筋の拍動によってアンモニアNH3が産生される。
腎臓でのアンモニア産生と余剰アンモニアの処理. 腎静脈中のアンモニア濃度は、腎動脈中のアンモニア濃度より常に高い。
腎臓には、グルタミナーゼが存在し、アンモニアを産生する。腎臓は、同時に、グルタミン合成酵素を有していて、アンモニアを処理する(グルタミンが合成される)。 肝臓で過剰に生成されたグルタミンは、血中を腎臓に輸送されて腎臓のグルタミナーゼによりアンモニアNH3とグルタミン酸へと分解される。
この時、アンモニアは水素イオンH+を中和する働きがあり、尿をアルカリ化させてアンモニウムイオンNH4+として、尿から排泄する。 腎臓で生成されるアンモニアNH3は、アミノ酸の脱アミノ反応によって生成されるが、その内の約50%はグルタミンに由来している。また、これ以外にグリシン、アラニン、セリン等からもアンモニアNH3が生成されている。 腸管(小腸、大腸)内でのアンモニア産生と余剰アンモニアの処理. 食事に含まれる蛋白質や、消化管(口腔、咽頭・食道・胃・小腸・大腸)への分泌液に含まれる尿素が、腸内細菌によって分解され、多量のアンモニアが産生される。 小腸粘膜グルタミナーゼによって生成されるアンモニアは、腸管(小腸、大腸)内で産生されるアンモニア量の約半分に及んでおり、更に大腸の細菌によって分解される尿素の量は、1日に生成される尿素の25%にも及んでいる。 腸内(小腸、大腸)の腸内細菌叢(そう)、腸内常在微生物叢、腸内フローラが変化すると、門脈血中のアンモニア濃度が変動するが、腸内(小腸、大腸)の腸内細菌叢(そう)、腸内常在微生物叢、腸内フローラでの変化とは、ビフィズス菌や乳酸菌が多いと、門脈血中のアンモニア濃度が低下する。 全身を流れる血液中のアンモニア濃度では、門脈血中(静脈中)の濃度が最も高い数値を示す。
肝臓に於けるアンモニア処理能力(尿素回路)と肝臓周囲・門脈系での尿素回路予備処理能力が大きく、体内でのアンモニア産生が大きく増加しても、高アンモニア血症を引き起こす事は無いとされている。 人間の腸内には100種類以上、100兆個を超える腸内細菌が生息している。便の内の約半分が腸内細菌、または、その死骸。 摂取した栄養分の一部を利用しつつ、他の種類の腸内細菌との数量バランスを取る事で、一種独特の生態系である腸内細菌叢(そう)、腸内常在微生物叢、腸内フローラを形成している。
腸内細菌の種類とその数では、動物種や個体差と年齢、消化管の部位、食餌の内容とその時の体調によって違いが見られ、その大部分では偏性嫌気性菌で、腸球菌など培養可能な種類は全体の1部でしかなく、VNC(生きているが培養出来ない状態の細菌)の種類も多数存在している。その中での大腸菌は、全体の0.1%にも満たない。 腸内細菌が発酵によって作り出したガスや悪臭成分がおなら・体臭・口臭の一部になるが、この時に腸毛細細静脈血管に生体生成ガス(マイクロバブルスの素)を肝臓に向けて送り出している。 人間の様な雑食動物における腸内細菌では、食物繊維を構成する難分解性多糖類を短鎖脂肪酸に転換して宿主の人間にエネルギー源を供給し、また、外部から侵入した病原細菌が腸内で増殖するのを防止する感染防御の役割も果たしており、宿主である人間の生体恒常性維持に一役買っている。 よって、腸管内でのアンモニアの過多は腸管内の細菌による発酵が進み、色々な栄養素を腸管から取り出している為、ダイバーは無視してはいけない。これは、T型の減圧症誘発原因とみられ、U型減圧症の発症要因ともなっている。 グルタミナーゼによるアンモニア産生と余剰アンモニアの処理.
脳などで生成され、血中を輸送されたグルタミンは、腎臓、腸管、肝臓などで、グルタミナーゼにより分解され、グルタミン酸とアンモニアNH3へと分解される。グルタミナーゼによりアンモニアNH3が産生される。 グルタミン + H2O → グルタミン酸 + NH3 グルタミナーゼは門脈周辺の肝細胞で見られ、尿素生合成の為のアンモニアNH3発生に関与している。 ◎グルタミナーゼには、腎臓型グルタミナーゼ(KGA)と肝臓型グルタミナーゼ(LGA)の2種類が存在しており、腎臓型グルタミナーゼは腎臓、小腸、白血球、脳などに広く存在し、肝臓型グルタミナーゼだけは肝臓にのみ存在している。 GDH(グルタミン酸脱水素酵素)によるアンモニア産生と余剰アンモニアの処理.
GDH(グルタミン酸脱水素酵素)は、アンモニアNH3を処理してグルタミン酸を生成するが、アンモニアNH3はGDHの平衡をグルタミン酸(Glu)生成の方向に作用し働く。 その際にアンモニアNH3濃度が高いとα-ケトグルタル酸量が減少、TCA回路によるNADH2+生成や、呼吸鎖によるATP生成が低下する。 GDH(グルタミン酸脱水素酵素)の平衡定数は、グルタミン酸を生合成する側に偏っているが、GDHは逆反応の酸化的脱アミノ反応によって、グルタミン酸をアンモニアNH3とα-ケトグルタル酸に分解する異化反応も行っている。 肝臓でGDHにより生成されたアンモニアNH3は、尿素回路で尿素NH2CONH2に変換されて、尿素として膀胱で貯留、あるいは体外へと尿として排泄する。 アミノ酸の異化によるアンモニア産生と余剰アンモニアの処理. 蛋白質の代謝の過程でのアミノ酸の異化(脱アミノ反応)に伴なった窒素代謝に於いて、アンモニアNH3が産生(生成)される。 アンモニアの神経毒性とアンモニアの無毒化処理. アンモニアNH3には、神経毒性があり、肝臓に於ける疾患などで、尿素回路に障害が起こりアンモニアを処理出来なくなると、アンモニアの高濃度化により高アンモニア血症に進む事で、アンモニアNH3が脳血液関門を容易に通過し、脳障害が引き起こされる。 通常では無毒、無味、無臭、難脂溶性のアンモニウムイオンNH4+として介在しているが、ストレス等でpHに変化が起きると→強刺激臭を持ち、有毒性、水溶性、脂溶性のアンモニアNH3に換わってしまう。 脳では、アンモニアをGDH(グルタミン酸脱水素酵素)によって、α-ケトグルタル酸と結合させ、グルタミン酸を生成してアンモニアの無毒化処理が行われる為、α-ケトグルタル酸が消費されて減少し、更にオキサロ酢酸も減少すると、エネルギー産生で不可欠なTCA回路によるNADH2+生成や、呼吸鎖によるATP生成が停止してしまう。
その結果、まず、修復不可能な脳神経細胞障害が起こり、引き続いて脳細胞死が起こる。 また、脳内での過度なアンモニア流入により、脳内エネルギー産生が低下する為、思考力の低下、運動機能・体反射の低下や麻痺、おぼろげな記憶・記憶の欠落や記憶喪失、幻覚・幻聴、視力の低下、眠気、脱力感等が起きて来る。 GDH(グルタミン酸脱水素酵素)の作用により、グルタミン酸濃度が上昇してアンモニアを無毒化処理する為、及び、グルタミン合成酵素により、グルタミンが合成される。 グルタミン酸は興奮性神経伝達物質として作用するが、抑制性の神経伝達物質GABA(ガンマ-アミノ酪酸)の合成によって、グルタミン酸が減少する為、アンモニアの無毒化の工程で神経伝達(判断力、運動と反射、記憶力、気力、計算力等)が低下(窒素酔い的?)する事となる。
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「予定潜水を終了して浮上を始めると、体内へと取り込んだ窒素N2は飽和から過飽和へと向かう為、浮上スピードを過飽和に向わない様に浮上スピードを規定とされるスピード、並びに、規定の水深に於ける減圧停止によって体外へと排気しなければいけない」 浮上スピード US.NAVY 9m/min. 日本潜水士必携 8m/min. etc 9〜12m/min. 減圧停止規定水深点 3m.6m.9m.12m.15m.18m.21m.24m.27m. と、される今までの説明では不可解で曖昧とされ、窒素N2の過飽和と言う言葉さえいい加減に聞こえ、正確さを記していない(~_~;)
窒素N2の過飽和という言葉を正式に表した場合、過飽和=高アンモニア血症化に向かい、腸内での異常発酵と、過剰に栄養分を取り込み、門脈〜肝臓で生体生成ガス泡と言われるマイクロバブルスを増産化し、下大静脈血管内に通常より多く送り出された結果、U型減圧症や動脈ガス塞栓症の危険性が増してゆく。
仮に、ダイビングでの飽和水深から浮上を始め浮上スピードが速い場合(飽和から過飽和へ)、外圧と生体内圧での差圧が大きく、酸塩基平衡のバランスを崩す事となり、酸化側(H+. H2O)へと大きく傾く為、酸塩基平衡のバランスを元へ戻そうとする反応が起きてアンモニウムイオンNH4++OH-→NH3+H2O↑となり、アンモニアNH3が大量に作られる事となる。ここでも、過飽和=高アンモニア血症化へと向う。
下記図の様に門脈〜肝臓で産生される生体生成ガスであるマイクロバブルスの内包されるガス成分と、膜組成成分は多岐にわたる。 1.〜3.の内、3.の窒素系である亜硝酸・硝酸系ガスは肺に於いて窒化・還元されて窒素N2として排出・排気されるが、その内の一部は再び酸化されて体内へと取り込まれる。 これは、過飽和ほどガス濃度が高くなり、体内への取り込みが増えて生体生成ガス泡のマイクロバブルスの組成成分になるが、ガスの高濃度化によって膜粘度や膜厚、内包されるガス濃度も高くなり、心臓からのすり抜けの危険性が増えて行く為、特に注意が必要となる。 この様に過飽和によって、本来排出・排気されなければいけない生体恒常性に不必要で毒性を帯びたガスが再び体内へと取り込まれる為、生体生成ガス泡(マイクロバブルス)の組成や内包されるガスに影響を与えるが、意識・意図的に肺の負荷圧の低減を図る事で、不必要で毒性を帯びたガスの排出・排気の手助けが出来れば、少なからず過飽和への回避が出来ると思われる。 注意して考えなければいけないのは、窒素N2単体で体内へと取り込む事はありえないのだ。とは言え、ほんのごく僅かだが取り込まれているようで、体内に於いて酸化され血中アンモニア化する。
過飽和=高アンモニア血症化によって血中pHが大きく崩れて危険とされる。また、脳に於いても神経毒性によって判断力の低下、記憶力の低下、運動機能と体反射機能低下等、生命の維持までもが危険へと向かう。 ただし、意図的に肺での膨張を起こさない様に肺内を陰圧にして窒素N2の排出を助けた場合はこの限りでは無いが、減圧潜水での停止無視の場合はこの限りでない。 浮上時に体内へと取り込んだ窒素の排出を行わなければならないが、この窒素は体内へ取り込まれた際、酸化されて血中アンモニアへと変換されており、このままでは肺を介して体外へと排出出来ない為、下記の図の様な変換を介して体外へと放出・排出する。 A.体内へ取り込む窒素N2 →肺胞毛細血管血漿中→酸化→血中アンモニア(アンモニアNH3、アンモニウムイオンNH4+)→体内組織へ ◎浮上時 門脈〜肝臓(マイクロバブルス産生)→下大静脈→心臓(右心房・右心室)→肺胞毛細血管血漿中→硝化(亜硝酸化)→窒化・還元→窒素N2 体外へ B.体内へ取り込む窒素N2 →肺胞毛細血管血漿中→酸化→血中アンモニア(アンモニアNH3、アンモニウムイオンNH4+)→体内組織へ ◎浮上時 門脈〜肝臓(マイクロバブルス産生)→下大静脈→心臓(右心房・右心室)→肺胞毛細血管血漿中→硝化(亜硝酸化)→脱窒(硝酸化)→窒化・還元→窒素N2 体外へ A及びBの体内へと取り込む場合と、体外へと排出・排気する際にも血液pHが作用している。 NH3+H2O⇔NH4++OH- 酸塩基平衡 血液pH 酸化 7.35〜7.4〜7.45 塩基(アルカリ)化 注意:生体臨床として、ダイビングで取り込まれた窒素N2の体内からの排出機序は未だに証明されていませんが、日本に於ける潜水士での体内ガス圧係数では、潜水中と潜水後の血中アンモニアを測定した実験的確定数値と、このページの筆者である國次 秀紀は見ています。
細胞内ミトコンドリア(Mitochondrial)の基本的働き
肺細胞内ミトコンドリア(Mitochondrial)の働き 体内に於ける余剰・過剰窒素N2の排出.
呼吸には2種類の意味が含まれている。
A.嫌気呼吸
B.好気呼吸 余剰・過剰窒素N2の体内からの排出では、異化的硝酸還元での脱窒により体外へと排出される。
※さて・・・何かが足りないが......?
そうです!! (^_^;)(*^_^*) 下記の項目が知識不安として残ります。
※例えば・・・!
下記の「生体恒常性に影響を与える電解質イオンと生体緩衝系」の後に上述の内容を述べて行きます。
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血漿浸透圧と電解質
1)電解質(イオン)とは
2)電解質の役割は生命の維持そのもの 3)主要なイオンの分布と働き Na+(ナトリウム) 細胞外に90%を占め、Na+の流入はK+とともに細胞膜電位を変化させる。 細胞興奮伝導に必要でNa+濃度の調節はアルドステロンによって行われ、Na+の再吸収を促進させる。 Na+の移動は水分の移動を伴うので循環血 液量や血圧を変動させる。 塩分摂取量は7g以下/日に抑える。 K+(カリウム) 細胞内の主要なイオンでNa+と同じく細胞の興奮性を維持するのに重要な働きをする。 K+濃度の調節はアルドステロンによって行われ、遠位尿細管に作用してK+の排出を促進する。 利尿薬はNa+と同じくK+を排出する。 細胞外K+濃度の上昇(8m Eq/L以上で心停止)は心臓律動への異常を引 き起こす。 Ca2+(カルシウム)
骨組織に殆どが存在し、筋の収縮、血液凝固に必要である。 HCO3⁻(重炭酸イオン)(腎臓によって調節) 重炭酸イオンは体液の酸―塩基平衡に重要なイオンである。 HCO3-はアルカリ性 で身体の酸性物質を除去する働きを持つ。 二酸化炭素CO2はHCO3-の形で血中に入り輸送される。HCO3-は腎臓によって調節されている。
4)血漿浸透圧の調整(Naと水の関係) つまり食塩が身体に入って水分が伴わないと体液の浸透圧が上昇する。 浸透圧の上昇を感知する受容器は視床下部にあ り、それを感知して喉の渇き(口渇感)を覚えるが、水が飲めなければ細胞内液から細胞外液への水の移動が起こる。 一度摂取された過剰なNa+は数日後に排出される。 この時に摂取されたNa+は一時的に体内に残存するので、それに応じた水分が体内に保持される(浮腫)。 水分だけの摂取は数時間で排出される。
5)Na+の摂取と体液の貯留
6)Naの過剰は・・・
7)Naの不足
RAA系(レニン-アンジオテンシン-アルドステロン系) Renin-Angiotensin-Aldosterone
System.
NH3 + H2O ⇔ NH4+ + OH- 【酸塩基平衡反応】生体恒常性に絶対不可欠! pH調節の必要性とは:体内の全ての化学反応は特定のpHの範囲内(pH7.35−7.45)で行われるのでこれを維持する必要がある。 (酸性 H+が多い ------- 中性 ------- (OH-が多いアルカリ性)
pH1 pH7 pH14
1)体液のpH 2)酸―塩基のpHを正常域に維持するしくみ
なぜ、酸が生成されるのか?
ATP(アデノシン三リン酸)
・生じたCO2は水と結合して酸を生じる。(H2O + CO2
→ HCO3- +
H+ ) その仕組みには次の3つの機構が働く。 3)酸の緩衝作用 緩衝系(バッファー) T.血液の緩衝系作用
体内中の過剰な酸と塩基を中和する働きを持つ。
血液緩衝系には 炭酸緩衝作用 H++ HCO3- ⇔ H2CO3 ⇔ CO2 + H2O H+が増えると H++ HCO3-(アルカリとして働く)→ H2CO3(炭酸にする)←炭酸ソーダ水. pHが上がると H2CO3(弱酸として働く) H+(水素を供給)+ HCO3- U.肺での緩衝作用 代謝で生じたCO2は、赤血球の炭酸脱水素酵素によりHCO3-に変換され、再びCO2に戻り呼出される。 血漿中の炭酸ガス濃度は呼吸によって変動する為、ガス交換機能の促進・低下によって調節される。 つまり、呼吸促進によって炭酸(ソーダ水) H2CO3は炭酸ガスCO2となって排出され、血漿はアルカリに傾く。 しかし、呼吸機能の低下によって炭酸ガスCO2は体内に溜まり酸性に傾く。 これが肺の呼吸による調節系です。 H+ + HCO3- → CO2 (呼吸から排出) + H2O a.呼吸数の減少(呼吸性アシドーシス) 呼吸数が減ると体内にCO2が増えて、水と結合して炭酸となり、更に重炭酸と水素イオンが生じてpHが低下する。これを呼吸性アシドーシスという。pHの低下は呼吸中枢を刺激する。 ダイビングでのオーバーワーク(筋運動)→謙気性代謝での乳酸産生→加水分解→静脈中のCO2増加、H+増加、H2O 増加、pH低下→代謝性(乳酸)アシドーシス→呼吸性アシドーシスの誘発・発現. b.呼吸数の増加(呼吸性アルカローシス)過呼吸 呼吸数が増えるとCO2が体内から排出される。その結果、血中のCO2が減少して、pHが上昇する。これを呼吸性アルカローシスという。 V.腎臓による緩衝作用 体内にある余分な酸や塩素などのイオンは尿中に排出され、Naイオンは一部を排出して大部分は再吸収される。
4)アシドーシスとアルカローシス
アシドーシス
pH7.35−7.4
より小さくなった場合をいう。血液は酸性になる. a.アシドーシスを起こす病気としては・・・ 呼吸性アシドーシス
肺の機能障害でCO2の排出ができない状態。CO2はH+を産生し、アシドーシスを起こす。 ・呼吸機能の低下。 ・持続性の慢性肺疾患(肺気腫)。 ・換気低下(喘息)。 ・麻酔 ・胸郭の圧迫。 ・重症筋無力症(呼吸筋障害)。 ・延髄の損傷などは呼吸活動を低下させる。
ダイビングでのオーバーワーク(筋運動))謙気性代謝での乳酸産生→加水分解→静脈中の→謙気性代謝での乳酸産生→加水分解→静脈中のCO2、加、H+加、、H2O増加、、pH低下→代謝性(乳酸)アシドーシス→呼吸性アシドーシスの誘発・発現. 代謝性アシドーシス 非呼吸性の代謝が原因でpHが低下する。 腎性(腎臓性)
水素イオンH+、リン酸水素イオンHPO4-や硫酸水素イオンHSO4-の排出障害。 体内でのリンPはCa同様、その大部分が硬組織(骨・歯)に分布している。 軟部組織では、蛋白・脂質・糖と結合して存在するとともに、ATP、NADP、クレアチニンリン酸などの形で高エネルギー結合を形成する。 NADP ニコチンアミドアデニンジヌクレオチド 生体成分の生合成に必要な還元力の提供を行っていて、光合成、脂肪酸、ステロイドの生合成、薬物代謝、その他の重要な酸化還元反応に関係していて、熱・酸・アルカリ・酸化に対し極めて安定。糖質や脂質の代謝に作用します。多くの代謝反応において水素の受容体として作用する。 血中のリンは全体の1%未満で、その30%が無機リン、他が有機リン(主にリン脂質)である。 無機リンには、4つの形(リン酸H3PO4,リン酸二水素H2PO4, 無機リン酸HPO4, リン酸塩PO4)で存在し、その割合は血液のpHで変動する。 無機リンは、主にATPに利用されて、ADPやAMPになるときに生じ、その血中レベルは体の活動性に応じて変動する。 ADP アデノシン二リン酸 C10H15N5O10P2 Adenosine diphosphate アデニン、リボース、および二つのリン酸分子からなる化学物質。リン酸は高エネルギーのリン酸結合をとっていて、 ATP から ADP とリン酸基に分かれる際に放出されるエネルギーは生体内での主要で重要なエネルギー源。 AMP アデノシン一リン酸(アデニル酸)C10H14N5O7P Adenosine monophosphate RNA(リボ核酸)中に見られるヌクレオチド(ヌクレオシドにリン酸基が結合した物質。ヌクレオシドは五単糖の1位にプリン塩基あるいはピリミジン塩基がグリコシド結合したもの。デオキシリボ核酸DNA(デオキシリボース(五炭糖)とリン酸、塩基 から構成される核酸)やRNA(リボ核酸)を構成する単位)の一種。AMPは核酸塩基のアデニン、五炭糖のリボース、1つのリン酸より構成されており、リン酸とアデノシン(ヌクレオシド)の間でリン酸エステルを形成している。リン酸部位の結合位置により 2'-体、3'-体、5'-体の構造異性体があるが、RNA(リボ核酸)中に部品として見られるのは 5'-アデニル酸 である。 一方、無機リンの血中濃度は、ビタミンDとPTHにより調節される。 すなわち、ビタミンDはその腸管からの吸収を促進し、PTHは糸球体で濾過された無機リンの尿細管からの再吸収を抑制することでその排泄を促進する。 PTH
パラトルモン parathormone
副甲状腺から分泌される84アミノ酸(細胞内プロセシングを受けて、C-ペプチド(CP、33アミノ酸)
とインスリン(51アミノ酸を形成する)から構成されるポリペプチドホルモン。 糖尿病性 グルコース代謝をコントロールできない糖尿病は緩衝系が破綻しているのでケト酸(脂肪の燃焼によるケトン体)が多量に産生されて血漿中に蓄積しケトアシドーシスを起こす。 グルコース不足の時、脂肪を分解して補おうとするが、脂肪の分解には多量の酸素が必要である(インスリン不足の時) また無機リン酸イオンHPO4-や硫酸水素イオンHSO4-の増加、重炭酸イオンHCO3-が損失する。 クスマール呼吸(クスマウル呼吸)注意 糖尿病による脂肪分解によってケトン体が生成され、この代謝の課程で強酸のケト酸が生成される。 このH+増加は延髄の呼吸中枢を刺激して呼吸の数と深さを増加させる。この呼吸によってH+とCO2を排出させようとする呼吸反応である。 スキューバダイビングでの呼吸法トラブル→大きく深く吸って、大きく深く吐く(アシドーシスの誘導) ※ 回避する呼吸法 大きく吸って、吐く時は肩の力を抜く。 持続的下痢 b.アルカローシスを起こす原因や病気としては・・・
呼吸性アルカローシス 炭酸ガスCO2の過剰換気、炭酸ガスCO2の増加.
代謝性アルカローシス |
体内に於ける血中アンモニアの低減法. 血中アンモニア低減の必要性. 血中のアンモニアであるNH3とアンモニウムイオンNH4+が生体内に増え、精神的ストレス(外因性)や生体に直接ストレス(内因性=代謝性)が起きると、生体内が水素H+によって酸性化されたアンモニウムイオンNH4+
→アンモニアNH3へと大量に変換されて肝臓へと負荷・負担が加わります。 神経毒性によって、脳内エネルギー産生が低下する為、思考力の低下、運動機能・体反射の低下や麻痺、おぼろげな記憶・記憶の欠落や記憶喪失、幻覚・幻聴、視力の低下、平衡感覚失調、眠気、脱力感等が起きて来るのです。 よって、ダイビングではストレスが無く、余裕を持って潜れば、上述の様な血中アンモニア過多・余剰なアンモニアNH3の毒性発現は低減出来ますが、普段から腸管で作られる血中アンモニアを抑制出来れば体調も良く、特にダイビングでの体調管理に最適なのです。 血中アンモニア過多・余剰となると、ダイビング中の腸管(小腸、大腸)からの不要なガスや毒性ガスを肝臓へと送り、生体生成ガスのマイクロバブルスとして産生されるのですが、血中アンモニアが多いほど大量のガス成分がマイクロバブルスの膜組成成分として、あるいは内包されるガス濃度の上昇が起こるのです。 結果的に、マイクロバブルスは厚膜で粘性の強い泡となり、更に内包されるガスも高濃度となる為、肺で消泡出来ずに心臓をすり抜けてU型減圧症を誘発し、発症するのです。 また、T型減圧症の発症起因には、血中アンモニア過多と余剰な尿素分で引き起こされていると見ていますが、筋肉疲労での乳酸産生、ストレスと血中アンモニア、尿素、肝臓で作られている血漿蛋白質グロブリンが深く関わっているのです。 これは、血漿蛋白質グロブリンが持つ膠質浸透圧によって細胞の水分調整をしているのですが、ストレス増大と増え続ける血中アンモニアの酸性化で、肝臓の持つアンモニアの無毒化による尿素産生が増えて腎臓の機能低下によって腎性の脱水が始まる。 早い話が、細胞の中に血中アンモニアと尿素を封じ込めてしまう為、組織炎症が始まるが、特に動きが多く疲労を伴った関節や筋肉内で起こり易い。無菌性骨壊死の発症原因も関係している。 減圧症の発症原因には、血中アンモニアであるアンモニアNH3 とアンモニウムイオンNH4+、その素である窒素ガスN2 が深く関わる為、体内に於けるアンモニア産生の抑制を心がけなければいけない。 その内、脳・心筋・骨格筋・腎臓等で作られるアンモニアは抑制が出来ない為、腸管(小腸、大腸)での産生を抑制する事が最も最適と言え、食事や飲み物での腸内アンモニアの低減を薦める。 減圧症罹患後の症状軽減のこころみ(^^ゞ 減圧症に罹患・発症してしまった場合、医師による高圧チャンバー(名前ばかりで最大5気圧)での加圧・減圧治療、潜水作業会社・潜水士の個人的なテーブルによるふかし治療(医師付随)或いは治癒、筆者の考え出した【減圧症自己治癒潜水法】での治癒しか無いが、治療・治癒しても完治していない場合、試すべき食事療法なのだ。 体内の血中アンモニアの低減を図る事で、U型減圧症ではマイクロバブルスに内包しているガスの低減(縮小化後の分解)や泡膜の分解に一役買うからだ。 また、T型減圧症では組織内に閉じ込められた尿素(NH3・NH4+、CO2)やアンモニア(NH3・NH4+)を排出する効果も期待出来る。
食事とデザート(副食)で血中アンモニア(アンモニアNH3
、アンモニウムイオンNH4+)を減らす
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乳酸菌の働き
(ビフィズス菌も乳酸菌の一つです) この有機酸である乳酸や酢酸は、腸管内のpH値を酸性化させてアンモニア産生菌の発育活性を抑制しつつ、大腸内のアンモニアの吸収を抑制する様に働く。
乳酸菌を増やす為には・・・(*^_^*) 特に、大腸でのビフィズス菌や乳酸菌の増殖を助ける物が良いとされ、アンモニアの低減に適している。しかし、ラクツロース(ラクチュロース)配合食品等を摂り過ぎると下痢を起こす為に程々の摂取にして下さい。 一般的ヨーグルトを 260g/日を2週間摂取すると、便中のアンモニアは、ヨーグルト摂取前の数値が 378r/dl →半分以下の171r/dl に減少、また、便中の臭いにおい成分であるスカトールは、摂取前54.2r/dl →摂取後には半分以下の20.9r/dl に減少した。(治験年齢65歳以上の男女) 国内販売されているヨーグルトは多種多様にあるが、特にアンモニアやスカトール等を低減させる為には、消化管の大腸で活発に働いているビフィズス菌や乳酸菌の増殖に働く物を選ばなければならない。 オリゴ糖の「オリゴ」とは、元々ギリシャ語の言葉で「少ない、少数」という意味。
サトウキビ、砂糖大根(ビート)、たまねぎ、キャベツ、ごぼう、アスパラガス、蜂蜜、バナナ、牛乳、ヨーグルト、ジャガイモ、ブドウ、きなこ、にんにく、トウモロコシ他があります。
● イソマルオリゴ糖
● コーヒー豆オリゴ糖
● ニゲロオリゴ糖
オリゴ糖の効果と効能について ●
虫歯予防 【「スキューバダイバー」自分の身を守る為の予備知識】 特別編シリーズ1 |