【「スキューバダイバー」自分の身を守る為の予備知識】 study-four_bからの続きです。
スキンダイブの心得 (素潜り、Skin-diving) スキンダイビングはやはりスキューバダイビングの基本や基礎となる部分では有るが、間違った知識やスキルでは危険と向かい合わせと成ってしまう為、あえて説明する事と致しました。 筆者の経験(水深35m以上潜るノウハウ)から書く事と致しました(笑) ただし、透明度の良い沖縄や海外での事で、私の住んでいる地域(静岡県熱海市近郊)では透明度が悪い為、海底が見えないが為の精神的不安から20m前後しか潜れません(^_^;) しかし、透明度の良い場所での潜降は気持ちが良い位潜って行けます。筆者の息こらえ時間は凡そ5分間です。 知識に於いてはマスクからウエイトベルト(A〜F)までを良く読んで頂き、スキンダイビングに特化した内容は重要なのでグラフや図解によって説明する事と致しました。 ◎グラフや図解の掲載は時間を頂きます。(準備出来次第掲載) スキル面では安全な潜降法と浮上法とが有り、特にスキンダイビングではスキューバと違い、長時間な潜水(遊び・仕事)をする事で疲労や体温の低下に伴う色々な体障害が起きて来る為、知識とスキル面での体の保護及び回避対処法も知らなければいけない。 スキンダイビングを毎日行っている方は少ない筈で、多少とも運動不足が有ると思われるが、スキューバとは違い運動量や体のひねりが陸上より多い為に有る程度の体操と足腰を含めた関節の回転や屈伸が必要である。 また、体操を行いながら呼吸も整えられる様にリズムカルに体操をする事を勧める。 体操をしながらのウォーミングアップは筋肉を解す作用もあり、体操の前と後には必ず深呼吸する事を励行しましょう。 準備体操が足りなく、筋肉や関節へのウォーミングアップが足らないと、体が冷え易く、足の筋肉がつり易くなる。 また、この準備運動の必要性は体の柔軟性を高めると共に温かい酸素を多く含んだ血液を筋肉内や体内へ蓄える為でもあり、暫くの間だが体を冷やさない作用も有るのだ。 更に筋肉内への酸素の取り込みは息こらえの項目での重要なポイントともなっている。 最近では膝の辺りまで水に入ってからフィンを履いたり外したりとアメリカンナイズ(欧米式)してしまったが、旧来の日本式では水に入る前にフィンを履き、水から出てフィンを外したものであった。 これは、大きなフィンを履いて陸上をバランスを取り歩く、また浅瀬でフィンを履いたままでの水中歩行の訓練をする為でもあった。 特に、日本周辺の海では海況が著しく変わり易かった為にフィン履いたままでの俊敏な動きが必要であった為である。 膝まで水に浸かってフィンを履く、又は外すスタイルは波打ち際の状況によって、波の無い時のエントリー法とエキジット法としてお奨めする。
スキューバダイビングでのエントリー法も読んで下さい。 エントリーやエキジットの時、寄せ波の周期を見て入水と出水のタイミングを測るが、まず寄せ波7回分を眼で追ってみよう。 7回周期を3回眼で追って、7回の内の何回目が弱いかを把握するが、周期も確立の問題である。 1、2.、3、4、と波を数え、崩れ波や巻波、静かな波を見極める。確実に数える事で安全に入ったり出たりが出来る様になる。 波には強弱や方向が有る事に気が付かなければいけない。台風によって起きる力強く長い波長の波もあれば、近くの低気圧が起こす波浪から発達した波長の短いうねりの波等である。 長い波長の波は遠くから運ばれた波であり、それだけ深い水深にまでうねりの影響を与えるものであり、岸へ寄せる波は間隔は長いが力強く押し、また引き波もも強いのである。 しかし、この長い波長を利用してタイミング良く入水が可能となる。 しかし、問題となるのは出水の時で、引きの時間が長い分、足元をすくわれる時間も長い為に安易に陸上に上がれ無い場合が起きて来る。 これは、浅い所で次の大波に巻き込まれる可能性があり、回避困難と言わざるを得ない。この場合、波長の長いうねり波の場合、入水は可能としても出水に不適当として別の出水場所を探すしか無いのである。 うねりの進行方向にある海岸線にはそのうねりの持った力強いままの状態で打ち上がるのであるが、うねりの進行方向の横方向になる海岸線には回り込んで行こうとする作用が生ずる。 この時、うねりの力が横に向こうとして互いに干渉し合い、海岸線に向かううねりの強弱及びうねりの消えた場所が生ずるのである。 出水するにはこの場所しか無いが、時として干渉が同じ状態とは限らない為にすばやく陸地に上がるしかなく、うねりの進行方向により干渉する場所は凡その範囲で決まって来るので、まずは入水する前に出水場所を何ヶ所か選定する必要がある。 次は波長の短いうねりの場合は波長の長い波に比べて寄せる波も引く波も力が弱い、しかし、周期が短い為にタイミングを計り入水し、また出水をするが、出水しづらい場合は前述の要領で出水場所を選択しなければいけない。 エントリーやエキジットの場所は予め何ヶ所かを決めなければ成らない!
潮流の場合は下記の様な図で表してみたが、月の満ち欠けで1日に3〜4回の流れが生じる為、潮夕表で時間等を見て置くのも大事な事である。 この潮流は場所によっては表層、底層、全層と流れ方が違う為に注意しなければいけないが、特に大潮の時や、黒潮の影響を受けると一段と早くなる。
この他に本文のu.カレントダイビングをご覧下さい。 波打ち際前の波の来ない所でフィンを履き、準備が出来たらゆっくりと水の中へ入って行くが足元が砂や砂利、ごろた石によって腰を低く下げ踏ん張る様にして一歩一歩足元を確認し入って行く。 特に岩場では海草等で滑り易い為に注意をするが、足元が不安定な程、重心をさげて移動をする。波が来る時は体を抵抗の無い様に横にしてかわす。 この時、寄せ波に対しては体を沖側に傾けてかわし、引き波の時は重心を下げて陸地側に傾けてかわす。 腰の辺りまで水中に浸かったら、体を水中に没する様にして、沖に向かって進むが、この時に障害物の確認の為、水中に浸けたマスクで確認し、更に左右どちらかの手を前に出して障害物にぶつからない様に進む。 この前方に伸ばした手は時としてマスクや頭を守る為のものであるが、障害物がでかい場合は両手でもって体をかばうものとする。 難しいエントリー口としては大きなごろた石や水面から突き出た岩が多い場所であるが、何よりも波の周期を読んでタイミング良く入る。 スキンダイビングを楽しむ又は仕事として一段落し、陸上へ戻る為のエキジットを説明しよう。 エントリーとの共通点が有るが、まず出口を何処にするかであり、更に波の周期のタイミングと波の周期の内、波の静かな波がどの辺に出来るかも検証しなければいけない。 どの位置に居て陸地に向かうかをコース取りし、そのコースの岩場や条件を覚える。 波の周期によってスタート点が不安定になるが、極力波に合わせてスタート点をキープする。 波の周期の中で一番静かな波では無くて、寄せ波の弱い波とフィンを使って陸地へと向かうが、途中で波が引いた場合は足で海底を押さえてそれ以上流れ無い様に踏ん張るのである。この時、引きが強い場合、体を水中に没して足と手で踏ん張る。 さて、岸に近づいた時に大きな波に見舞われた場合は息を思い切り吸って、体を水中に極力沈め、流されない様に四肢で踏ん張るのである。 しかし、これは岩場やごろた石の場所で出来るが、砂浜や砂利浜では有効ではない。 この場合は波の周期を見てダッシュで岸へ向かい、膝近い水深まで泳いで行き、一気に立ち上がり陸地へと上がる。 万が一、引き波で沖に返された場合は次のタイミングを見て、再度チャレンジする。 ◎エントリーもエキジットもイメージコントロールが必要で、チャンスが有れば、海岸へ行って波の周期の測り方を練習して頂きたい。また、コース取りもしかりだ! ◎フィンを履いたまま歩く、及び入水する場合、後ろ向きにすり足様に移動するが、進行方向を確認しつつゆっくりと移動する。 又は、フィンを履いて前進して歩く場合は膝を上に大きく引き揚げる様にして歩くが、特にフィンが水中に没している場合は膝を大きく引き揚げてフィンを水面上に上げる事で前進が出来る。 ただし、フィンを水面に引き揚げる事が出来ない水深まで達した場合、前述の方法である後ろ向きすり足で腰近くまで水が来た時、全身を沈めて沖に向かって泳ぎだす。 ここで、問題となるのは、岸に向かって移動中の寄せ波や引き波であり、この事はエキジットの項に説明をしてある。良く読んで頂きたい。 ◎あえて日本式の入水法・出水法を説明したのは、昨今のEN・EXの場合、水中に膝以上没した所でフィンを履く及び脱ぐ(外す)等を行って居るが、波が強い場合は波にもまれて転び溺れる場合が有るのである。 フィンを履いたままの日本式EN・EXは波が常にある日本には最適としてみるかみないかは読者やインストラクター及びリーダーの判断に委ねる所である。例えば、保安庁や自衛隊は日本式を取っている。 ●ここで言う欧米式と日本式とは ●欧米式 穏やかな海岸線や河川・湖水の波際の寄せ波や引き波が無い、或いは少ない場所で、フィンを膝上当たりで取る(脱ぐ)・履くを行う事。流されない事が絶対の条件. ●日本式 海岸線・河川・湖水の波際が常にざわざわしており、寄せ波や引き波が強い場所を指している為、フィンは波の来ない陸地で履く・脱ぐを行う。常に流される危険がある為、波際・水際で決してフィンを取らない!! 3.スキンダイビングでの潜降法と浮上法.(DescentとAscent) a.ヘッドファースト(ジャックナイフ型)での潜降法(Head fast dive) 逆立ちをする様なスタイルで潜るスタイルで一番ポピュラーであり、その形が折りたたみのナイフに似ている為にジャックナイフ型とも言われる。 スキンダイビングでのウエイトバランスが取れていれば難しくは無い。水面に水平に浮き、頭を下に向けながら両手の平で水をかいて下に向く様に体を引っ張る。 目線で垂直に沈む様に調整をするが、体側やフィンを上手く使って垂直に沈む様に調整が取れればスムーズに沈む。 水深が3mを越えると耳抜きをしなければ耳に痛み及び前頭洞に痛みを生じる。 b.フィートファーストでの潜降法(Feet fast dive) 立ち泳ぎの状態を作るが、リズムカルなリズムで体を水面上に持ち上げ、その重みの反動で立ったまま水中に力強く没する。まず、立った状態でゆっくりとした静止状態を作り、次にリズムカルに上に浮かび上がる様に両手の平で水を下に押すが、同時にフィンキックで水をはさんで力強く下に押し出す力を利用して体を水面上に押し出す。 タイミングとしては1、2、3で一気に蹴り下げと手で押し出して行う。 その反動をつかい、垂直に下に沈むが、沈んだ間際に両手で水を上に押し上げて更に下へ潜る。2m以上潜ったら頭を下にターンをして下降する。 やはり、3mを越えると耳抜きが必要となる。いずれにしても、何度も何度も練習をしないと綺麗には出来ないものである。 深い潜水をする場合、不安が募ると、まず耳抜きが出来なくなってくると同時に不安の為に視野狭窄まで引き起こしてしまう。 不安要因は暗い、狭い、高い、危険な生物が出て来る、耳が抜けないが有り、潜在的・心理的な恐怖心までも引き出して不安に陥れる。 何よりも水に親しむ事であり、水に遊ばれるのでは無くて、水と共に遊ぶ気持ちが大事である。 潜る為には必須です! 「耳抜き・浮き耳」耳抜きと仲良くなる方法 c.浮上法(Ascent) スキンダイビングが終わってそのまま浮上しても良いが、やはり安全に上がる為には一度5m又は3m位の水深で停止し、海面の確認と船舶等の音を聞かなければいけない。 また、安全な場所で潜っていても5m又は3mでの安全・一旦停止して、ここから水面に向かってゆっくりと浮上をする事をお奨めする。 この動作はスキンダイビングでの息こらえの訓練にも成っていて、特に水中で不安を取り除く精神的安定にも寄与すると言われている。 水面に浮上する為、目からの浮上認識で、不安を持っていた脳に対しての安心感・やすらぎ感は次のスキンダイビングには欠かせません。
精神的不安の取り除きはスキンダイビングでの深々度潜水には不可欠であり、耳抜きも楽に抜ける様になるのです。 息こらえの練習をする為にはハイパーベンチレーション(過剰換気法)を知らなければ長く息を止める事は出来ないが、やり過ぎは失神を伴う為にハイパーベンチレーション(過剰換気法)の内容を把握し、どの程度の危険を伴うかを知って頂きたい。 当然、スキンダイビングに於いてのハイパーベンチレーションは失神後の死につながるものとして捕らえて頂きたい。程々が最良なのです(*^_^*) ハイパーベンチレーション(過剰換気)とは体内の二酸化炭素を極力排出して酸素を多く取り込む方法なのだ。 空気中には酸素O2=21% 窒素N2=78% 二酸化炭素CO2=0.03%他の希ガスが含まれるが、呼吸に関して肺の中でのO2とCO2の関係ではO2は18% ↔ 16%でCO2は2% ↔ 4%で共に2%の変動となって居るがハイパーベンチレーションによってCO2を減らし、その代わりにO2を多く取り込む事で息が長くなる事を目指している。 しかし、強制的に生理的呼吸(内呼吸)を変える事でブラックアウトやシャロウウォーターブラックアウト等の失神を起こしてしまうのである。 パイパーベンチレーション(過剰換気)を行う為には正しい知識や、選任の指導者によりスキル指導を受ける必要がある事を覚えて貰いたい。 磯笛(いそぶえ)と言われるハイパーベンチレーションの呼吸法は遥昔からの伝承であり、朝鮮から渡来し帰化した女海女(あま)と、南方や中国沿海州経由の男海士(あま)が日本では伝統的な潜水法を伝えている。 この海女・海士の歴史を述べると時間が掛かる為に述べないが2000年以上の歴史が日本の古式潜水法には有ると言っても過言では無い。 さて、この磯笛(地方では呼び方が違う所も)の使い方は往復の口笛であり、吹き方には個人差は有っても有用な呼吸法には変わりは無い。 まず、唇を細くして息を吹きながら口笛を吹き、そして、唇を細くして吸いながら口笛の様な音を出す事で一往復のハイパーベンチレーションが完了する。 一往復の口笛を3〜5往復する事でギリギリまでの過剰換気が出来ている。 まず、吹きながら口笛を細く長く(体内の二酸化炭素をより多く排出)、吸いながら細く長くゆっくりと行う(取り込む酸素を深く多く吸い込む)。 まず、普段吹いたり吸ったりの単純な口笛から始めてみて下さい。 強く吹くのではなく、ゆっくりとした口笛なのです。仮に音が綺麗に出なくても磯笛には変わり有りません。 磯笛はスキンダイブに経験の無い慣れない方にはお奨め出来ません。頭が痛くなったり、風邪を引いた様な症状が出る場合が有ります。 息こらえとは、呼吸中枢のCO2センサーによって息苦しさを教えるものであるが、血中のCO2を減らす事で、息苦しさの反応を時間的に遅らせる事が出来、我慢強さや気の強さも影響しているとされる。 つまり、往復の深い呼吸法を行う事で血中の溶存二酸化炭素CO2を減らし、血中の溶存酸素を増やす事で、長い時間息を止めていられる様になるのである。 しかし、溶存の酸素量が増えても精神的不安や運動過多によって、脳や筋肉で酸素は大量に消費されてしまうのである。 いかにして精神的に不安にならず、無駄な泳ぎで筋肉を使わない様にすれば、快適で楽しいスキンダイビングが約束される。
この図は大動脈と頚動脈内の血中溶存O2と血中溶存CO2を感知して吸入筋と呼出筋を動かして呼吸をしている。 赤丸の興奮性とは吸気と呼気の事を指していて、血液溶存中のO2とCO2によって筋肉の収縮を生ずる。黒丸は吸気と呼気の抑制をしている。
ダイビングに於ける空気ガス順路と呼吸中枢指示(e.ディー
プダイビングの項に掲載)
2.連続した深呼吸 2〜4回、5回?
5回以上は危険です(別途に指導訓練が必要です) 1.と同じで回数を増やし息を止める。これも時計で測ってみよう! 5回は最終段階です。 気分が悪くなったりしたら休んで下さい。長い時間はしないで下さい。 無理をすると声も枯れてしまいます(暫くの間、声がガラガラになる)=暫くとは30分〜1時間位です。
間違った方法で行うと頭が痛い、風邪を引いた状態、体温の上昇、声が変声する等の異常が起きますので注意が必要です。 通常、ブラックアウトが起きるのは血中のCO2濃度が高いにも関わらず呼吸をせずに我慢した事で、酸素分圧(溶存血中酸素)が一過的に低くなった為に意識を失うものである。 これは、二酸化炭素分圧CO2 が2%足らずでも酸素分圧が16%を切ってしまうと失神の恐れがあり、これをブラックアウトと言うが、潜水を終わり浮上時の浅海(シャローウォーター)で起き易くなると言うより、起きる為に注意を最も必要とする。 ブラックアウトを起こす過程で何か教えてくれるものは無いのだろうか? 実は有るのです。息をこらえていると次ぎな様な事で気が付く筈です。 耳の奥で(静かにしていると聞こえますし、感じますが、フィンキックで移動中は感じ辛い)
1.最初にドキドキと耳内部で拍動音が聞こえてから音が消える。 ※5.での痙攣が起きる方と起きなくて6.に移行する方がいる。 ◎3.〜4.で浮上すればブラックアウトは起きないが、水面で起きる可能性があり、水面で思い切り深呼吸して体を水平にするか、若しくはウエイトベルトを捨てる。
シャロウウォーター(シャローウォーター)とは浅海の意味で、ブラックアウトだから浮上時の浅海、水面間際での失神を指す言葉である。では、この様な事が何故起きるのだろうか? 息こらえの練習の所で若干説明したが、呼気中の二酸化炭素CO2は4%に増えると呼吸を促す作用があり、この時の呼気中酸素O2は16%に低下している。(呼吸中枢の基本的な働き) では、吸気をして酸素分圧O2を18%に回復させて、二酸化炭素CO2は2%に軽減した状態で10mに潜ったとしましよう・・・。 その前に気が付いただろうか? 酸素O2と二酸化炭素CO2を足すと20%と成っているが呼吸で幾ら頑張っても18%:2%(O2:CO2)↔16%:4%(O2:CO2)と言う式で、ここで問題になるのは呼吸中枢での呼気と吸気の促しであり、二酸化炭素CO2が4%で作動すると覚えて頂きたい。 つまり、二酸化炭素CO2が4%近くにになると息苦しいから浮上して呼吸がしたいと言う呼吸中枢や脳からの欲求なのである。 ハイパーベンチレーション(過剰換気)を行い、血液中、特に筋肉内へ酸素を多く取り込む事で長く潜っていられる。この過剰換気によって二酸化炭素CO2は以外と減らせる事が出来、0.5〜1.5%位(この時のO2は19〜18.5%これ以上は疑問)まで減らす事が出来るのである。 二酸化炭素CO2の削減は訓練にもよるが体温の低下と言う弊害も起きる。 さて、此処からが問題とされる。(吸気後の肺内酸素O2=18%、二酸化炭素CO2=2%)として今まで述べて来たのは水上での数値であるので、水深10m(絶対圧2気圧)の所で潜るとすると、肺の容積は半分となりその分だけ肺の内圧は2気圧となる。 この中での2気圧O2は18%×2気圧=32% CO2は2%×2気圧=4%となる為に10mに行く間際にCO2が4%となり呼気欲求を促される為に単純な行って来い的潜水となるのである。 水深10mに潜る為にはCO2が陸上で1.5%以下でないと潜っていられないのであるが、では20mでは絶対圧が3気圧となりCO2が1〜1.2%程度でなければ潜れない。 では、水深50mとすると絶対圧6気圧となり0.6%以下にしないと潜れない事となる。 と、ここまで数値だけで拘ったが、肝心な呼吸中枢は以外と大まかな器官であり二酸化炭素CO2が高濃度になっても耐える事が出来るのである。 この事は個々の個人差が有って、また訓練に於いても息こらえの我慢強い耐性が出来るのである。 二酸化炭素の呼気欲求に対しては個々に差が有るとしたが、酸素については数値は固定的な数値、つまり18%〜19%程度しかなく、体内の溶存酸素量をいかに増やすかになってしまう。 ただし、体内の赤血球数(ヘモグロビン数)は決まっているので、後はどの様にして上手に血中や筋肉内に取り込むかがスキンダイバーの課題とされる(笑) 今まで二酸化炭素CO2はハイパーベンチレーション(過剰換気)で数値をギリギリまで下げる事が出来るとしたが、潜水を終わり、浮上中に水面で必要な酸素分圧であるO216%以下に割り込ん出しまうと脳内が低酸素となり脳組織の保護の為に意識を失う。 説明が難しくなってしまった為に単純な説明をして見ましょう。
ここで表しているグラフは動脈血中の酸素O₂と二酸化炭素CO2の変化ですが、緑のAと緑のBがハイパーベンチレーションをした時としない時の動脈血中のCO2を表していて、赤のグラフは動脈血中のO2を表しています。 Cのベテラン(経験と訓練をした方)の場合を追加して見ました。 ハイパーベンチレーションによっていかにCO2を減らすかに掛かっていますが、何よりもO2の体内取り込みが鍵となっているのです。仮に陸上でハイパーベンチレーションが上手く出来て3分間の息こらえが出来ても、水中には入ると30%の1分程度しか潜っていられません。
正に心技体の駆け引き、練習をしないと危険な為に真剣なスポーツダイブと言っても過言では有りません。 高深度潜水は、今まで述べて来たハイパーベンチレーションとの遣り取りでしかないが、これも、訓練によって克服され、自らの限界をも知るものとなる。 精神的な不安やストレス、フィンキックを含めた水中の泳ぎ方にも工夫が必要となるのである。華麗に潜り、過信は大敵の世界だ。 上の血液ガスグラフを見て頂くとベテラン域はCで表しているが、CO2のグラフはもっと緩やかな増加グラフとなり、時間的ブレーキングポイントも100秒を超えて200秒以上は不思議では無い。 高深度潜水と窒素N2との関係→→→スキンダイビングでの潜水生理学編へ 5.足つり(片足の指、ふくらはぎと太もも、更に両足に及ぶ)の原因と対策. 足つりはスキンダイビングだけでは無く、スキューバダイビングに於いても起きてしまうのだが、足がつる為の原因をまず述べてみよう。 準備体操の項でも述べたが、日頃の運動不足やダイビング前の準備体操不足による筋肉のほぐし不足や関節の柔軟性の欠落によって、下肢の血行不良が起きると足の筋肉がつる原因となってしまう。 このつる現象の原因は筋肉の冷えによって、歩けないや動かす事が出来なくなるよと言う信号で、つる前には足の先の指などが冷えによってかじかんだり痺(しび)れている筈である。 つまり、意識をし、気を付ければ足のつる前の信号は受け取っているのだが、ダイビングの時は何かに気を取られる事で見過ごしてしまう。 結果として足がつったとなる。しかし、この足のつる範囲も広範であり、足の指、ふくらはぎ、太ももに及び最悪の場合は両足ともつって足を動かす事が出来なくなるのである。 原因はやはり冷えしかない。何故冷える→血行不良の原因とは・・・? 環境的な原因としては、水は空気より25倍の速さで体温を奪う ので、プール等は水温を27〜28度に設定してある。 しかし、裸での適正温なので、ウエットスーツを着ている場合は23〜24度位。
1.酸素の供給不足。 Zz.疲労とダイビング a.疲労と代謝 b.疲労と水温 を読んで下さい。 つりの原因としては体温の低下や疲労によって、全身の血糖値低下で手足の抹消血管への血流量の調整も含む下肢筋肉の緊張(収縮)が起こる。その時の状態にもよるが、大概は最初に効き足側のふくらはぎがつる様だ(私の場合です(^^ゞ) 更に、足のつりの原因となる筋肉の収縮には嫌気性代謝(低酸素・無酸素での筋肉疲労)での筋疲労による乳酸の産生で、乳酸が更に分解されると大量に作られた水素イオンを原因として筋収縮を阻害する。 対策 さて、足がつった時の対策としてふくらはぎの場合、曲がった膝の状態から足の指をしっかり握って膝を伸ばしながら手前に思い切り引く。 フィンを履いていればフィンの先を持って手前に思い切り引き、足を伸ばしきる。 太ももの場合はこれとは違い、膝を折って足首を持ち、足首をお尻に着ける様に強く引く。
これ以外では足の血流を促す為に足全体の静脈部分をすばやく上に向けて擦るが、指先が少しでも温かく感じるまで擦る。 しかし、足が冷えて来ると抹消血管の収縮が起こり血流の阻害が起きてしまう結果で足がつる。 足のつりは体温の低下や疲労が最大の原因である。 寒いと感じたら陸上に上がり、暖を取り高たんぱく、高脂質の物、そして水分を多く取る事が大事であり、更に代謝によって不足がちになるカルシュウムやマグネシュウム等のミネラル分の摂取が不可欠なのだ。 つった場合の対策の最後に付け足して置くが、足がつった場合は痛くてどうしても足をかばいがちになるものだが、かばうのでは無く、痛くても我慢をして足を動かしていた方が血流の回復につながり、つった足が元に戻った時の痛みが相当違うのである。 これは、つった足をかばった事でつった足の筋繊維破断や筋繊維を痛める為で、痛くても足を動かす事で血流が起きて筋繊維の破断や筋繊維の傷が軽微に終わる為である。痛いけどお試を(^^ゞ ただし、これは海洋で起きる冷えが原因でのつりであり、陸上でのつりの場合には駄目! また、筋疲労による乳酸の産生と蓄積があった場合は、深呼吸を多く取ると回復が早い。 もう一つの足つり原因は脱水? 中性浮力とイマージョン(水浸)について スキンダイビングでの潜水生理学 Q.呼吸法について(ダイビングだけでは無く、あらゆるスポーツの原点) ◎スキンダイビングでの説明は気が付き次第、追加刷新を致すものとします。 |
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