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「耳抜き」・「浮き耳」と仲良くなるページ!

耳の圧平衡、副鼻腔群の圧平衡について学ぶサイトです(*^。^*)

「耳抜き」「浮き耳」「リバースブロック」の対策ページです

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2013.4.24 最新アップしました(*^_^*

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減圧症・空気塞栓症・無菌性骨壊死自己治癒潜水法を確立致しました!!

【「スキューバダイバー」自分の身を守る為の予備知識】ダイビングに於ける潜水学全般.

ウエイトコントロール必携=中性浮力とは(ウエイト設定の計算から浮力コントロール実技まで).

最新レスキュー法(水底・水中・水面蘇生法/万能空気供給法/水底→水面安全引き上げ法)

最新ディープレスキュー法(水中蘇生、空気供給法、水面までの引上げ法)の確立と提案をしています。

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【「スキューバダイバー」自分の身を守る為の予備知識】の中の【耳抜き・浮き耳と仲良くなるページ】です。

日常の生活に於いて睡眠中を含めてごく自然に行っている[耳抜き]なのですが、いざ身構えて[耳抜き]を行おうとすると、以外にも難しい事が解かってくる。

勿論、体調の悪い時、環境が変わっただけでも耳が抜けずに慌ててしまう事があると思います。

[耳抜き]という言葉に内包する意味には、とても重要な部分を軽視して覆い隠している為、いざ[耳抜き]が出来ない時に、何故だろう、どうして抜けないと考えた時が無いだろうか!?

更に、耳が抜けない時、耳に関連した時に、音が聞こえ辛い、平衡感覚がおかしい、身体がフワフワして浮いた様な感じ、気分が悪く吐き気がする、視力がおかしい等の問題点も出て来るのだ。

ダイバーに成ろうとした時、この[耳抜き]が出来ないと2〜5m程度しか潜れず、また、浅い水深に関わらず耳を傷めてしまう場合が多い事をご存じだろうか!!

当の筆者も潜りたい一心で無理がかさんで鼓膜を何度も破いたり、内耳窓破窓によるリンパ液漏出で軽い耳鳴り障害を持ってしまったが、もっと耳に関して勉強をしておけば良かったと、今更ですが悔やんでいるのです。

多くの方がダイバーになって素晴らしい海底世界を満喫出来る様にと、耳を傷めない事を願って[耳抜き]に関しての【耳抜き・浮き耳と仲良くなるページ】サイトを作りました。

必要と思った時、必要な部分を選んで、必要な分だけ、ゆっくりと学んで下さい(*^_^*)

また、知識豊富なダイバーになる為に【「スキューバダイバー」自分の身を守る為の予備知識】と【ウエイトコントロール必携=中性浮力とは】を勉強して頂くと尚更に良いと思います。

耳と平衡感覚、聴覚に関しての減圧症・高気圧障害(傷害)の症例等の記載は【「スキューバダイバー」自分の身を守る為の予備知識】の中の減圧症、減圧症・空気塞栓症治療にて、その発症原因、発症部位、耳と平衡感覚、聴覚及び視力回復での治療法等を詳しく説明しております。

しかし、最近のスキューバダイビングに於いて、耳と平衡感覚、及び聴覚に関わる脳型減圧症が多発しております。よって、このサイトでも原因と治癒・治療方法を一部掲載致しました。

耳抜き相関図

注意

ここで述べているものは、経験上で得た知識・実技であり、私見や私感(私観)のからんだ物も多く含まれています。
取り入れるのは自由ですが、取り入れた為に不足・不測の事態とも成りかねません。
あくまでも参考とし、自分に合った「耳抜き」「浮き耳」「リバースブロック」対処法を身に付けて下さい。
ダイビングに於いて耳の中がおかしい、眉間がおかしいと思ったらご相談下さい。

お願い

このページをご覧になる医師の方で宜しければアドバイス等をいただけます様、お願い申し上げます。
耳抜きで困っているダイバーの為に!!

提案

鼻炎の方が多い昨今、鼻炎に関してもアップしました。
ダイビングでの耳鳴りが問題となっています。
何故、耳鳴りが起き易くなるのかを述べたいと思います。

編集

ダイビング後の各種異常や難聴に関しても掲載致しました。
説明の為に、同一の図の掲載がある場合があります。

見づらい図の場合は、拡大図の用意を致しました。

例えば

貴方は水の中で喋れますか!? 緊張を解きほぐし「耳抜き」をし易くする一つの方法です。
耳に関する聴覚・平衡感覚に関しての減圧症関連も掲載致しました。

質問

相談用掲示板にも貴方の求める答えが有るかも知れません。
貴方の耳抜きに関しての御相談をメールでもお受けしています。

JAPAN CMAS(日本海中技術振興会) 常任理事 國次(国次) 秀紀profile
dive▲protecs.waterblue.ws @に入れ替えてお送り下さい.

このサイトのHOMEPAGE/PROTECS JAPAN

-MENU-
簡易menu-typeです。詳しいmenuはframe-type版ですが、記載内容は同じです。

ご案内と内容の説明.
耳抜きの相関図.
サイトのお願いと筆者連絡先.

A.耳抜きの概要

1.まず初めに.
2.耳抜きをしたい時.
3.「押し耳」/「刺し耳」が起こる場所.
4.「浮き耳」の起こる場所.  a.注意:耳抜きの一般解釈.  b.耳管閉塞症.  c.耳管解放症.
5.顔の骨格と耳抜きの関係.

B.耳抜きのメカニズム

1.耳抜きとは.
2.耳抜きが不完全だと何故危険!?
3.時間を掛けて耳抜きをしている方は!?
4.ゆっくり潜水(潜行、潜降)の弊害と対策.  a.耳抜きの送気圧力の程度.  b.自主・自己訓練.  c.練習器具・道具.
5.この他、耳抜きに対して問題とするストレススクイーズ・・・.
6.耳抜き(圧平衡)に関する用語.
7.耳管・中耳内閉塞域空気膨張、副鼻腔群内閉塞域の空気膨張による各種障害の発生.
8.耳に関係する語句. 耳の関係.  a.内リンパと外リンパ.  b.内耳での音の感知.
9.耳管口[(開口部)又は(咽頭口)]と耳管の位置を確認.  a.脳脊髄液と血漿の違い.  b.血液脳関門とストレスの関係.
10.右脳と左脳の関係.
11.鼻に関係する語句.
12.鼻の部位と役割.  a.耳管内の繊毛細胞.
13.気圧変化での器官の圧感覚状態.
14.外耳、中耳、内耳、副鼻腔群に掛かる圧力.
15.鼓膜が破れたら !!
16.浮上後の処置.
17.鼻炎とアレルギー.
18.鼻炎対策.
19.点鼻スプレーと服用薬.
20.寒さと耳抜き.
21.鼻水の出る場所と器官.  a.酸素過剰での体温低下.

C.耳抜きの実技編

耳抜きをする前の注意事項.
1.副鼻腔群と中耳腔の含気容量(容積).
2.一般での耳抜き法.
3.講習等で習う一般的な耳抜き方法.
4.耳抜きが上手く出来なかった時の対処法.
5.普段の練習法.
6.いきみによる訓練法(危険・要注意).
7.耳鼻科の医師が奨める耳抜き法.
8.プロダイバーが行う耳抜き法.
9.フリーダイビングでの耳抜き法.
10.副鼻腔群(前頭洞・各サイナス)耳抜き法.
11.耳抜きと耳鳴り.

浮上の時に起きる耳管閉塞障害と副鼻腔群閉塞障害
D.ブロックとリバースブロック(オーバープレッシャー)

1.耳抜き(圧平衡)に関する用語.
2.浮き耳(圧閉塞)に関する用語.
3.潜降中に起きる症状.  a.潜降時の耳のトラブル.  b.潜降時の副鼻腔群トラブル.
4.浮上時に起きる症状.  a.耳の場合.  b.リンパ・体液の漏出原因.  c.副鼻腔群の場合.  d.リンパ・体液の漏出原因.  e鼻血が出る場合.
5.リバースブロック/浮き耳/オーバープレッシャーの解除法.

E.潜水終了後のトラブル

1.潜水中や潜水終了後に起きる異常.
2.難聴や耳鳴りが起きていたら・・・.
3.中耳(耳の内部)に水が残っていて、水の移動や閉塞感.
4.中耳腔・耳管腔の完全水没及び不完全水没の発生 !  a.耳抜き時の注意点.  b耳管開放症の方は.
5.

F.減圧症関係

1.血中アンモニア関連としての減圧症分類.  a.窒素の不思議 不活性と活性化.
2.脳神経による障害.
3.第1脳神経から第12脳神経分類と症状.


 G.内容訂正等、PRO-shop案内、他・・・

 H.筆者プロフィール

A.耳抜きの概要.

1.まず初めに (#^^#)  耳の構造から見て下さい。

耳全体概略図

ダイバーに成ろうとすると、どうしてもてもよけて通れない関門みたいなもの!!
ダイバーに成っても常に不安がつきまとうこの言葉[耳抜き][浮き耳]とは何だろうか?
不安が有ると、特に[耳抜き]が出来ないと言う. 何とか上手く付き合えないものか!!

圧平衡図

2.耳抜きをしたい時 (耳抜きとその状態)

@鼓膜外圧が高くなり鼓膜を外から中へ押している圧迫状態の時、[耳抜き]をすると言う.

A鼓膜内圧が高くなり鼓膜を中から外へ押している張り出し状態の時、[耳抜き]をすると言う.

ここで言う「耳抜き」の動作/操作とは、外圧と内圧の圧平衡を取る事を意味しています。

@.外圧による圧迫の状態が進む(押し耳/刺し耳)と、鼓膜が中耳側へ押し込まれて耳骨への伝動が阻害されて難聴気味になり、鼓膜付け根の痛みや耳の感覚的違和感が起きるが、この時に耳管の閉塞があると中耳内圧が上がり内耳への圧迫が起きて、耳が詰まった様な違和的感覚に陥ってしまうが、耳管を介して圧平衡を取っている。

A.また、外圧が下がると中耳腔内圧が上がって、鼓膜が外側へと張り出して(浮き耳)くるが、正常であれば耳管を介して中耳内腔の圧力を耳管咽頭口(耳管開口部)より排出して下げ、圧平衡を取っている。

3.「押し耳」/「刺し耳」が起こる場所 (耳抜きをしたい時)

スキン、又はスキューバダイビングの潜降時、エレベータの下降、飛行機の下降、トンネルへ入った間際から暫くの間、車又は徒歩で山から下りて来る時・・・耳"耳(鼓膜)が押されると言う!! [押し耳]と[刺し耳]身体に対し加圧の状態.

外圧が掛かり鼓膜が中耳腔へ押されている状態が進むと、鼓膜の付け根、中耳側耳管内壁、内耳窓・蝸牛窓周囲等に充血やうっ血が起きるが、この事をスクイーズ(Squeeze)[skwiːz]と言う。早い圧平衡が必要[耳抜き]

本来、日本語では「耳抜き」以外に特別な言葉は無く、地方の地域に於いてその状態を表現していた。しかし、外来の言葉では正しく表現されている。EarsSinus(pressureover-pressure)この項、下記に詳しく記載.

耳抜き動作図

耳だけでは無く、副鼻腔群の前頭洞や上顎洞、篩骨洞、蝶形骨洞他、からだ全体にも外圧は掛かっている。

今まで的確な言葉が無かったので造語した. 総じて・・・【押し耳】又は[刺し耳]と言う。

押し耳図  

外圧が大きくなり→鼓膜を中耳腔内側へ圧迫→中耳内圧が低くなった時、[押し耳]を直すと言う。

[押し耳]を直すと言う動作・操作も潜水用語や今までの日本語解釈では“耳抜き”です。

4.「浮き耳」の起こる場所 (耳抜きをしたい時)

スキン、又はスキューバダイビングの浮上時、エレベータの上昇時、飛行機の上昇時、トンネルから出た間際、車又は徒歩等で山を登っている時、体が冷えている時に温かいお風呂へ入ると起きる・・・(鼓膜)が浮くと言う!!身体に対し減圧状態.

浮き耳図

中耳内圧が高くなり、内耳圧迫及び鼓膜が外へ張り出す時、[浮き耳]を直すと言う。

[浮き耳]を直すと言う動作・操作も潜水用語や今までの日本語解釈では“耳抜き”です。

耳管閉塞があると、中耳内の空気膨張が起こる事で、鼓膜への張り出しや内耳への圧迫が起きる。

外圧が下がると、中耳腔内の空気が膨張して鼓膜が外側へと押し出された状態が続くと、鼓膜の付け根、中耳側耳管内壁、内耳窓・蝸牛窓周囲等に圧迫による充血やうっ血が起きるが、この事をオーバープレッシャー(Over Pressure)あるいはリバースブロック(Reverse block)と言う。早い圧平衡が必要[耳抜き]

注意:ダイビングを除く一般的解釈では、耳抜きの動作により[耳抜き]と[浮き耳]に対処と言われて来た !
しかし、これからは[押し耳]/「刺し耳」と[浮き耳]に対処と言おう(*^_^*)

耳抜きの動作・操作と言う状態には[押し耳][浮き耳]2つの対処法を覚えなければいけません !!

「耳抜き」の言葉には[押し耳][浮き耳]の二つの意味が含まれています。

[押し耳]=[刺し耳] は同意語で、鼓膜を外から押している状態を現しています。反意語は「浮き耳」

ダイビングに於いて潜降と浮上に於ける圧力差が大きい為、簡単な耳抜きだけの方法では対応が出来なくなる場合が多く、[耳抜き]に対しての知識を持たなくてはいけないのです。

「浮き耳」の時、耳管閉塞、あるいは副鼻腔群閉塞が起きると→「リバースブロック」と言う。

状態 スキン、又はスキューバダイビングの浮上時、エレベータの上昇時、飛行機の上昇時、トンネルから出た間際、車又は徒歩等で山を登っている時、体が冷えている時に温かいお風呂へ入ると起きる耳管閉塞、あるいは副鼻腔群閉塞が起きると、鼓膜が外側に押し出され、痛みや違和感、吐き気、気分の悪さ等が起き、特にダイビングでの圧力差が大きいと鼓膜の裂損、耳骨の変形、内耳窓の破窓による脳髄液リンパの漏れ、体液リンパの漏出、出血、耳鳴り他等が起きる場合があり、大変に危険です。

耳は聴覚だけで無く、平衡感覚も司り、脳へと最も近く、精神的・肉体的にとても重要な器官なのです。

よって、耳抜きの方法として[押し耳対処法][浮き耳対処法]の二つの理解が必要となります。

どちらも耳管と副鼻腔群が正常に働いていれば起きる事は少ないのですが・・・(-"-)

耳管閉塞症(生まれつき細く詰まり易い、耳管変形、常に閉じている)、耳管壁が濡れて張り付いて閉塞し易い為、耳抜きの方法が問題とされ、[耳抜き法]や[浮き耳の対処法]をマスターする以外は対応出来ない。しかし、耳管閉塞症を治す為の練習法(訓練と練習)もありますが、治す為の根気と努力がいります。

耳管開放症の場合、工夫によってダイビングは出来ますが、中耳内へ水分を送気しない練習が必要で、更に、中耳炎等になり易い為、中耳炎予防の知識や、耳管開放症を治す為の練習法(訓練と練習)も必要となります。

耳管閉塞症の方、耳管開放症の方は訓練によってある程度まで治す事が可能ですが、完全完治には相当の時間と努力が必要となりますが、まず、最初に耳鼻科へ相談しましょう。

5.顔の骨格と耳抜きの関係

顔の左右相違性図

光の加減で左右非対称に見えるが、赤ん坊は対象で、正面右の女性は明らかに非対称→顔の変形あり !
上の写真で正確に対象なのは赤ん坊と猫だけ!!  お二人の女性は非対称(^.^)

日本人を含めた東洋人の約7割の人々に耳管の変形や鼻中隔変形が有り、生まれたばかりの赤ん坊は正常だが、成長するにつれ頭蓋骨も徐々に成長して変形は起きて行きます。

鏡で見たとき、ふくよかに見える方が正常で、顔のきつい方が変形している可能性が有り、声が鼻にかかる方も頭蓋骨変形の一つなのです。

頭蓋骨変形のある方は耳抜きの動作・操作に苦労する事となり、一工夫がいるのです!!

では、ここから【「耳抜き」・「浮き耳」と仲良くなる方法】のページへ入って行きます(*^_^*)

B.耳抜きのメカニズム.

1.耳抜きとは!  前書き(まず初めに)の部分に重複している個所があります。

二つの操作(中耳腔圧平衡)・(副鼻腔群圧平衡)を一回で行う動作の事を言いますが、抜けない時は別々に行わなければいけません。

1)中耳腔(耳骨周囲の空間を含む)の耳管中耳側内圧の圧平衡.

2)副鼻腔群内圧の圧平衡.(前頭洞、上顎洞、蝶形洞、他、下記に詳しく説明があります)

耳抜きである圧平衡とは、外圧と同じ圧力にする事(圧平衡)を指し、耳抜きを行う場所では、電車移動時のトンネル内、エレベーターの上昇・下降時、山等への高所移動(上昇・下降時)、飛行機での上昇・下降時、或いは水中に潜降、水面へ浮上しようとした時、また、時として温度差のあるお風呂等で、耳腔内と副鼻腔群内で起きる空腔内圧力の不均衡に対して平衡(内圧=外圧)を取る事を言います。

地上に於いての[耳抜き]とは、耳腔内・副鼻腔群内より外圧が低くなる、あるいは高くなる為、外圧(外気)を耳腔内や副鼻腔群内へと導き、圧力の平衡を作る動作/操作を「耳抜き」と言います。

水中に於いての[耳抜き]とは、水圧で圧迫された耳の中耳腔内・副鼻腔群内の圧力が低くなる為、圧力の高い空気を肺から導き、中耳腔内・副鼻腔群内の圧力平衡を取る動作/操作を[耳抜き]と言っています。

地上から高所・空中に於いての[耳抜き]動作/操作は、唾を飲んだり、顎を動かしたり、又は鼻を摘んで唾を飲む、及び顎を動かす動作によって耳管を開き、又副鼻腔群のサイナスを開いて空気の流れを導き出す。

ただし、急上昇・急降下ジェット機のパイロットは耳抜きの動作は同じだが、素早く行わないと空間認識失調(平衡・天地喪失)(Vertigo)を起こす可能性が大。

航空機搭乗による耳抜き

飛行機搭乗時の耳抜き 画像をクリックすると大きなサイズが見れます.

地上・日常生活での[耳抜き]動作/操作では、唾を飲んだり、下顎を動かしてあくびの動作をしたり、又は鼻を摘んで唾を飲む、下顎を前後左右に動かす動作によって耳管を開き、また、副鼻腔群のサイナスを開き空気の流れを導き出す。 ゆっくりとした耳抜き法でOK !

水中に於いての[耳抜き]動作/操作では、唾を飲んだり、下顎を動かしてあくびの動作をしたり、又は鼻を摘んで唾を飲む、下顎を前後左右に動かす動作によって耳管を開き、また、副鼻腔群のサイナスを開き、肺からの空気の流れを導き出す.

と、ここ迄は同じだが、地上での圧力変化に比べ、水中での圧力変化が著しく大きく違い鼓膜を傷める可能性(鼓膜の穿孔・裂孔)が高い為、個人に有った「素早く確実な耳抜き法」を覚えなければならないのです。

あらためて、ジェットパイロットに於いて、急激な上昇や下降を繰り返すとダイバーと同じ様に圧力変化が著しく、耳を傷めるよりも空間認識失調(平衡・天地喪失)(Vertigo)による危険性(墜落)が高くなりますが、ダイバーの場合では更に高い圧力を受ける急速な潜降、急速な浮上を行うと、副鼻腔群、耳管、内耳、肺、体内の空腔部(胃や腸)等に圧力による障害・傷害(生死に関わる)が発生します。

水中での耳抜き法

【水中耳抜き法】耳を痛めたくない方→→的確でゆっくりとした耳抜き法/素早い耳抜き法 の両方を覚える必要性があります

重要 0.3気圧は地上から約3,000mの高度に当たり、水中では僅かに水深3mで0.3気圧 !

2.耳抜きが不完全だと何故危険!?

水中の場合、一度も耳抜きをせずに10m潜ると鼓膜が破けるか、又は耳腔内に漏出したリンパ液(脳脊髄液又は体液)、あるいは、充血した血管が切れて漏出した血液によって鼓膜の破損や耳骨変形による損傷を防ぐ作用が生ずるが、完全ではなく耳疾患障害による治療が必要となり、特に耳骨の変形障害や内耳蝸牛管内の聴覚神経を痛めた場合には難聴や耳鳴りを生じ、内耳三半規管を傷めると平衡感覚障害を生ずる可能性があります。

耳抜きをしているが、抜けているかどうかが判断出来ない場合、その水深から2〜3m下へ降りると鼓膜へと圧迫感や痛みを生じますので、改めて耳を抜けば正常ですが、感覚が無い場合は中耳内に水が入っている恐れがあります。ゆっくりと浮上して潜水を止めるか、中耳内より水・湿気を排出して下さい。この場合も中耳炎になる可能性があります。(中耳内より水・湿気の排出法は下段に記載)

耳抜きをしているが、抜けているかどうかが判断出来ない場合、その場から上に2〜3m浮上すると鼓膜が浮く感覚、或いは耳の中でキュキュ、チュチュ等の排出音が起きる筈ですが、感じなかった場合、中耳内に水が入った可能性があります。耳抜きをしながら浮上は出来ますが、時としてリバースブロックを起こす可能性があります。根気よく耳抜きをして浮上して下さい。中耳炎になる可能性があります。尚、耳抜きが正常に行われていて、中耳内・耳管内に水や水分が無い場合では、排出音がしない場合もあります。(中耳・耳管内より水・湿気の排出法は下段に記載)

耳抜きの不完全や不具合により、内耳リンパ瘻による脳脊髄液リンパの漏出が起きた場合、肩こり、慢性的な頭痛、平衡感覚異常、難聴、耳鳴り、めまい、吐き気、視覚障害等が出る場合がありますが、内耳リンパ瘻(脳脊髄液リンパの漏出)の場合、治療が相当大変で、生活に支障を来たす為、絶対にやってはいけない障害です。

耳の抜け方には個人差があります。また、耳や副鼻腔群への圧障害・圧傷害等も個人差があります。

高度3,000mの気圧≒水深3mの気圧は同じ !!

気圧の同圧

簡単な図ですが、とても重要です。

高度・気圧換算表

見づらい場合は図をクリックして下さい. 拡大版を閲覧できます。

水圧と体積変化図

水深  水圧  圧力=大気圧  絶対圧  ゲージ圧  密度  体積変化を表した図です。

耳抜きの動作解説図

体積変化図

空気の体積変化図です。

3.時間を掛けて耳抜きをしている方は!?

外圧の掛かった鼓膜内部の状態 →中耳腔に陰圧空間を作り、鼓膜及び内耳窓と蝸牛窓を中耳腔内部へと引っ張る力が生じます。この時、鼓膜付け根や耳骨取り付け部に大きな負荷が掛かります。

陸上では圧力差が小さく問題としませんが、水中では大きい為、注意が必要です。

耳が抜けずに鼓膜への外圧迫によって鼓膜の付け根に充血を起こして炎症をもたらし、中耳炎の原因を作る可能性が有ります。

更に、ひどい場合には中耳腔内の陰圧過多によって、内耳窓の引き出し破裂(穿孔、破窓、裂損)により脳脊髄液リンパの漏出が起き、聴覚や平衡感覚失墜(三半規管の障害)、メニエール症候群等を引き起こし、更に耳骨損傷や変形による難聴も起き、同一の原因として耳鳴り、視覚障害、頭痛、肩こり、吐き気等も起きてくるのです。

また、この様な障害が起きなくても鼓膜が伸びて一過性、又は継続的な低音域の難聴気味になります。

内耳窓破裂(穿孔、破窓、裂損)による最悪の症状では、低髄液圧症候群(脳脊髄液減少症)が起きる可能性が有り、生活に困難な支障を生じさせる為、間違っても起こしてはいけない障害と症状です。(二重に記載してあります)

【リンパ漏(ろう)【リンパ瘻(ろう)がありますが、リンパ漏は外因的な圧力によって生じる脳脊髄液リンパの漏れを指し、リンパ瘻(外リンパ瘻)とは内因的に働く中耳圧、内耳、脳脊髄液圧の平衡が崩れて漏れ出す状態を言います。

ただし、ダイビングでの潜水によって起きる場合は、この二つの状態を誘導し、誘発する為、潜水加圧・減圧性リンパ瘻(漏)とも言います。

つまり、潜降時スクイーズでの中耳腔陰圧によって内耳窓・蝸牛窓を中耳腔へと引き出す作用や、浮上時に耳管峡部のリバースブロックによって中耳腔内の陽圧を内耳窓に過大に掛ける為に起きるのです。

低髄液/脳脊髄液とは脳の保護や脊髄内及び内耳内(三半器官・蝸牛管)に満たされた専用のリンパ液で、体液等の一般のリンパ液とは成分が微妙に違います。図での比較

ゆっくりとした耳抜きを許しているのは乳突洞・側頭骨含気蜂巣が介在しており、多少の圧力変化には乳突洞・側頭骨含気蜂巣内での空気層が追随して補っている。しかし、それにも限界がある。

中耳腔に対する含気クッション層は乳突洞・側頭骨含気蜂巣であり、副鼻腔群では篩骨洞と蝶形骨洞への導管通路(サイナス)がこれに当たっている

一番困るのは時間を掛けて耳抜きをする為に、中耳内腔に陰圧が出来、耳管が中途半端に開く事で口腔内及び鼻腔内の高湿気や直接に唾や海水・淡水が耳管へと誘導される事で、耳管内壁が湿気や水分を帯びて耳管壁の張り付きによる[耳抜きのしずらさ]と浮上時の[リバースブロック]/[浮き耳]を起こす事で有る。

耳抜きの出来・不出来によって、下降と上昇を繰り返す様なゆっくりとした耳抜きは、通常の潜降方法には適さず、ビーチ等のスロープ状、或いは潜降ハシゴ等の所で体を固定して出来る場所が限定なのです。船に取り付けた潜降ハシゴでも良いが波により上下する場合は不向き。

4.ゆっくり潜水(潜行、潜降)の弊害と対策
注意
 水深3m(0.3気圧、絶対圧1.3気圧)〜水深6m(0.6気圧、絶対圧1.6気圧)、更に水深9m(0.9気圧、絶対圧1.9気圧)までの潜降に於いて、耳抜きを行う為に上下へと昇降を繰り返して耳抜きを行う時、よくあるのが片側の耳が抜けても、もう一方の耳が抜けない場合が多々ある。

片側の耳が抜けない為、上下への昇降を繰り返して耳抜きをして行くが、時間を掛けて鼓膜をかばい過ぎた結果、抜けない方の鼓膜周辺へと血液が充血し保護しようと作用する。

この緊張した中での血液の充血は、鼓膜付け根の炎症を徐々に引き起こしていると思わなければならず、更に、この緊張した中での顔面への血液循環は悪く、充血に向かう血液の低温化によって鼓膜周囲及び中耳内腔を冷やす為、中耳腔内圧が下がり、逆に耳が抜けなくなるのです。この時、耳管峡部の張り付きを誘導し、或いは耳管峡部のスクイーズ気味と言った方が良いのかもしれない。

ここで、無理をし、間違った耳抜き法を取ると、耳管開口部から多くの湿気・つば・海水(淡水)等を中耳内へと送気誘導してしまい、耳管峡部壁の張り付きによる閉塞が起こり易く、更に耳が抜けなくなってゆきます。

また、途中で潜水潜降を止めて浮上をする際、耳管閉塞によるリバースブロックによって、更に鼓膜周辺の炎症を進め中耳炎を起こす結果となってゆくのです。

間違った耳抜き法を指導者によって習う、あるいは自分で覚えた事で、自らを危険にさらす事を認識しなければならないのです。早い話、耳抜きの抜き加減が判らないから、危険に陥るとも取れます。

耳は中耳より内耳につながり、聴覚だけでなく、平衡感覚も司り、脳内の脳脊髄液とつながるもっとも重要で危険な部位でもある為、耳抜きほどダイバーにとって特別に重要視しなければいけない部位となっています。

つまり、的確に耳抜きを覚える為には、どのくらいの送気圧を中耳へ送って良いかの判断目安が必要

この判断と練習の仕方は・・・(*^_^*)

[耳抜きの送気圧力]
危険域と許容範囲、許容程度を述べて置くと、皆さんは鼻炎性の風邪を引いた時に鼻をかむ筈だが、鼻を強くかんだ時、鼓膜が外に張り出して、“痛い!” 或いは、痛みやその状態に驚いて鼻をかんでる手をゆるめたりする筈だ。この痛みは鼓膜の変形による鼓膜付け根の痛み、及び耳骨変形で耳骨取付・接触部位に起きる痛みによって反射及び自覚・自慰反射が起きる為だ。

この状態の痛み以上が鼓膜や中耳に対してやってはいけないバロメーターなのだ。
むずかゆい、ホワンとした鼓膜の浮いている状態は安全範囲。

ここで、鼓膜付け根・耳骨周囲の痛みまでは論外として、鼓膜が浮く(外に張り出す)程度では影響はさほどなく、日常でも良く起きていて、高層階のエレベーター、飛行機、電車移動中のトンネル、山道の移動中、時として温度差のあるお風呂場で起こる為、つばをのんだり、鼻をつまんでつばを飲む、あくびをする、鼻をつまんで下あごを動かす等をして対処している筈なのである。軽い圧力の場合は無意識に行っている。

自主・自己訓練
普段からつばを意識的に飲む練習、あくびをいつでも出来る練習、口を大きく開ける練習(下あごを大きく引いて空気を吸い込む)、更に一歩進んで、下あごを大きく引いて空気を吸い込み発声練習をしながら下あごを左右に動かす。[耳管閉塞症、耳管開放症(更に中耳内空気を引き抜く練習が必要)の方にもお薦め]

耳管開口部及び耳管峡部が開き、耳管を通して発声音が耳の左右鼓膜付近で大きく聞こえるが、聞こえ易い方は耳抜きが直ぐ出来、聞こえ辛い方は耳抜きに問題が起きる為、聞こえ辛い方を特に練習する。

総体的に、この練習方法は耳管開口部とその周囲、耳管全体、耳管峡部とその周囲の神経と連動する筋肉を過敏にする方法です。退化している部分を過敏化するのです。
実際には顔全体の神経と筋肉、下顎部とその周囲の神経と筋肉の運動でもあるのです。

下顎部の矯正によって耳管開口部及び耳管峡部を開き易くする練習で、その恩恵としてきつい顔がふっくらとし、歯の噛み合わせが良くなります(笑)

練習器具・道具では、適当な大きさのビニール袋を思いっきりパンパンになるまで膨らます、ゴム・紙風船を割れる寸前まで膨らませる、縁日で売っているゴム・紙風船おもちゃで遊ぶ、吹きづらいトランペットや吹きづらい笛を吹く、専用の器具としてスウェーデン製オトベント等が適しています。

この他では、サクランボの種飛ばし、手のひら(掌)に水を溜めて息で吹き飛ばす、手のひら(掌)の上の小さな紙や一円玉・五円玉・十円玉等を鼻息や息で吹き飛ばす等の練習があります。

自主・自己訓練は気道より上で行い、練習器具・道具では腹式呼吸と腹筋を使う事です。

ゆっくり潜降を行う場合、どの水深でも確定のぴったり停止(潜降中、浮上中)が出来る方はこの限りではありません(*^_^*)

最近、潜って行く事を潜行と記述する方がいるが、潜行とは斜めに潜って行くゆっくり潜水の事を指し、垂直に潜って行く事は潜降と覚えて貰いたい。しかし、斜めに潜っても潜降は潜降なのだが・・・!?

4.この他、耳抜きに対し問題とするストレス他.

ストレスから来る顔面や耳周辺の血行障害での一過性低体温化による耳管閉塞や、内耳内リンパ不安定による精神的動揺や恐怖による行動回避動作が起きる場合がある。
つまり、精神的動揺によって耳は抜けなくなり、恐怖によって潜降出来なくなる、あるいは逃避行動(水面浮上)を起こす。

下の図の丸の所は耳抜きによって圧平衡を行う部位ですが、耳抜きが不完全ですと、副鼻腔群及び中耳腔内の圧傷害が起きてしまいます。→スクウィーズ(Squeeze)[skwiːz]

スクウィーズ/スクイズ/スクイーズとはチューブに力を掛けて絞り出す、雑巾をひねって絞る様子を言います。
(例:レモンを絞るレモンスクイザー)

スクイーズ解説図

ここでの圧傷害と圧障害とは、耳抜きが不完全の為に中耳内空腔が低圧(陰圧)となり、血液又は体液が周辺部位に集まる事で、中耳内空腔の一時的一過的に組織や構造変形が起き、最初に影響を受け易いのが鼓膜の付け根部分だ。

また、耳抜きをして潜水が出来たとしても、浮上時に副鼻腔群及び中耳腔内の空気が膨張して正常に抜けなければ、鼓膜周囲に痛みを伴う為に水面に上がる事は出来ないのだが、緊張のあまりか痛みを忘れて浮上してしまう場合がある。結果として、鼓膜裂損、損壊等の圧傷害・圧障害(発症部位によって言い方が違う)が発生してしまう。

重要

中耳腔とは、中耳(鼓膜の内側空間、耳骨と内耳窓の周囲)に耳管狭部中耳側空間を含めたものを指します。

中耳腔の含気腔容量は凡そ3.5cc〜17ccと個人差が相当あり、平均的に8〜10cc程度(片側)。

含気腔容量には乳突洞・側頭骨含気蜂巣の容積も含んでいる。

耳管は平時には閉じており、唾を飲んだりあくびをした時だけ瞬時(0.3sec)開閉します。

万が一、浮上時に副鼻腔群及び耳腔内の空気が抜けてくれなければ圧傷害が✗点の所で起きる。

浮上時→ブロック(リバースブロック/オーバープレッシャー)

リバースブロック解説図

副鼻腔スクイーズ部位図

鼻甲介図副鼻腔断面図

耳抜きの出来・不出来に左右する重要な鼻腔〜上・中・下の鼻甲介と鼻道〜咽頭部.

副鼻腔群の位置と容量図

重要 
副鼻腔群の含気容量
は凡そ80ccだそうだが、これはコップ半分弱の水と等しい。(6オンスタンブラーで180cc)
この水を空気に入れ替えれば、察しはつくと思うが潜降中や潜水中では口の中を陰圧にすると副鼻腔群にスクイーズが起きてしまう事となる。

その為、肺には十分なる空気を蓄えた状態で潜降或いは潜水し、いつでも口の中や咽頭及び副鼻腔群へ外気圧相当の空気を送気出来る様に準備が必要です。

この送気と言う動作は、耳抜きの動作(耳への耳抜き、副鼻腔群への耳抜き)であり、マスククリアーやレギュレータクリアーにも不可欠なのです。

また、リバースブロックが起きた場合でも、コップ半分の空気を送り出す、吸い出す、コップ半分相当の空気を戻すと言う考え方が必要となりますが、実際にはもう少し余裕をもって送る、あるいは戻すと思っていた方が妥当です。

最初から難しい説明でした(^_^;) 詳しくは下記の説明を読んで下さいね(*^_^*)

6.耳抜き(圧平衡)に関する用語

耳抜き圧平衡を取る(2つの言葉 を含む) 
1.中耳内圧平衡=イアーズ イコライジング.(Ears-equalizing)

2.副鼻腔群圧平衡=サイナス イコライジング.(Sinus-equalizing)

押し耳/刺し耳この言葉は造語であり、鼓膜を外から中へ、又は内側へ押し込んでいる事を表す。
外圧によって押し込んでいる状態をスクウィーズ(Squeeze)[skwiːz]という。
1.中耳内腔圧収縮=ミドルイアーズ スクウィーズ.(Middle ears squeeze)

2.副鼻腔群内腔圧収縮=サイナス スクウィーズ.(Sinus squeeze)

☆イアーズは耳管(ユースターキー氏管)を指していて、サイナス(連絡管・連絡導管)は副鼻腔群を含めて指している。

押し耳状態図

耳だけでは無く、副鼻腔群の前頭洞や上顎洞、篩骨洞、蝶形骨洞他、からだ全体にも外圧は掛かっている。
今まで状態を表す的確な言葉が無かったので造語してみた。 総じて・・・【押し耳】又は[刺し耳]と言う(*^。^*)

浮き耳状態図

7.耳管・中耳内閉塞域空気膨張、副鼻腔群内閉塞域の空気膨張による各種障害の発生

各種障害とは、障害としての一過性難聴、耳鳴り、平衡感覚障害(メニエール症候群)、吐き気他。

障害によって起きる傷害では、内出血、リンパ漏(脳髄液リンパ漏と体液リンパ漏)、前庭窓・蝸牛窓の破窓、各種の炎症及び鼓膜の棄損や裂損、継続的耳鳴り他。   リンパ漏(外因性)=リンパ瘻(内因性).

8.耳に関係する語句.  耳の関係(重複するところ有り)

外耳 :耳介、外耳道(聴道) 
中耳 :鼓膜、つち骨、きぬた骨、あぶみ骨、耳管口.
側頭骨の中に出来た含気腔で中耳腔とも呼ばれる.
耳管→鼓室→乳突洞→乳突蜂巣の順番で空気の通り道を形成.

内耳 :骨迷路、前庭、前庭窓(卵円窓)、骨半規管、蝸牛、前庭階、鼓室階、蝸牛窓(円形窓/正円窓)、膜迷路、球形嚢、 卵形嚢、耳石器官、内リンパ管、外リンパ管、半規管、蝸牛管、蓋膜、コルチ器官、有毛細胞、感覚毛、支持細胞、基底膜、ラセン神経節、内リンパ、外リンパ、聴神経(聴覚神経)、蝸牛神経、第8脳神経、前庭神経、この他にも有り。

耳の構造 右耳の断面図

耳詳細構造図

参考

外耳道 長さ約3cm、鼓膜の大きさは約9mm、内径凡そ6mm.

環境によって外耳道内径の変化が起きるが、特にスイマーズイアー、ダイバーズイアーは顕著に現る。

1.内側2/3の骨部と外側1/3の軟骨部に分かれ、軟骨部での皮膚は耳毛・皮脂腺・耳垢腺・汗腺などの皮膚付属器を有している。

2.外耳音波伝道では、2000〜3000Hzの周波数の音波の音圧を約10dBほど増幅する。

鼓膜(こまく) 約10ミリ×9ミリの楕円形、厚さ約0.1ミリの膜. 外耳道に対して、45度傾斜

1.外耳と中耳の境をなし、鼓膜の内側(中耳腔側)にはツチ骨が付いている。
2.鼓膜の緊張部は外側から皮膚層・線維層・粘膜層の層に分かれる。
3.鼓膜の前上方部は弛緩(しかん)部と言い、線維質層を欠いて薄い。
4.鼓膜は鼓室と外耳道との気圧が等しい時に最も効率良く振動し、良く音を伝える。
5.鼓膜の破損や穿孔などでの鼓膜の損傷では、有効振動面積の減少によって、音が蝸牛窓から直接内耳に入る事で聴力は著しく低下してしまう。

鼓室 中耳の内、耳管を除いた部分を総じて言う。

1.咽頭側壁から陥没したもので咽頭の粘膜がそのまま続くが、その粘膜の役割は微妙に違う。
2.側頭骨の錐体の中にあり空気を含む腔所で、外壁の鼓膜と内壁側の前庭窓を耳小骨が連絡。
3.耳小骨筋が2種類あり、ツチ骨と耳管軟骨部を結ぶ鼓膜張筋(三叉神経)とアブミ骨と後鼓室壁を結ぶアブミ骨筋(顔面神経:緊張等の収縮によってアブミ骨を固定し、過大音から内耳を守る)。

※大きな音を聴いた場合、顔面神経の緊張による収縮によってアブミ骨筋が働きアブミ骨の振動を止める事で、過大音による内耳の損傷を抑止・抑制する。(過大音抑止・抑制/内耳の保護.1)

中耳

中耳腔の含気腔容量は凡そ3.5cc〜17ccと個人差が相当あり、平均的に8〜10cc程度(片側)

含気腔容量には乳突洞・側頭骨含気蜂巣の容積も含んでいる。

音波伝搬及び増幅では面積比・てこ比・遮へい効果によって凡そ40㏈の音圧増幅効果。

1.面積比で見た時、25dBの増幅があるが、鼓膜:前庭窓の面積は17:1で、鼓膜の振動が前庭窓に伝わる時にエネルギーが集約される。

2.てこ比で見た時、2.5dBの増幅があるが、ツチ骨:キヌタ骨で作るてこ比は1.3:1。

3.蝸牛窓遮へい効果を見た時に12dBの損失を予防している。
これは鼓膜に穴が空いたりすると、音波が蝸牛窓からも入る事で、前庭窓からの音波とを相殺してしまう為である。(過大音抑止・抑制/内耳の保護.2)

耳管 鼓室と咽頭を連絡する管を言う

1.鼓室は耳管と咽頭を経て外部に通じるので、鼓室内圧は外気圧と同様に保たれる仕組み。

2.耳管は鼓室前壁に始まり上後外側から下前内側に向かって斜走し咽頭側壁に開いている。

3.耳管の長さは個人差もあるが、約 33mm〜約35mmほど。

4.鼓室側は骨部、咽頭側は軟骨部と言われ、その境界を峡部と言う。

普段は閉鎖しているが、つばを飲んだりあくびやそしゃくをする事で、口蓋帆張筋(迷走神経支配)の収縮により開閉される。

5.耳管は通常(地上)に於いて、乳突洞・側頭骨含気蜂巣→中耳腔→耳管咽頭口への生体ガス排出の為の一方通行とみなしている。

外部の圧力が急激に変化した時だけ、内耳内圧の安定化の為、この一方通行が一過的に相互通行へと変わる。

乳突洞・側頭骨含気蜂巣 側頭骨には多数の含気腔が存在し、この部分を指して言う。

1.機能的は不明な部分が多いが、少なくとも粘膜を通じたガス交換や、空気層を持つ事で内外圧に対してのクッション層及び衝撃吸収層になっている。

2.鼓室と外気に気圧差が生じた場合、耳管を開けば解消するが、乳突蜂巣の粘膜上皮細胞のガス交換によってもある程度は調節出来る。
ただ、この機能は耳管の開閉に比べれば劣るものの、睡眠中などのあくびや嚥下運動が行われにくい状況では重要な役割を果たしていると考えられる。

耳腔での圧平衡が上手く取れない場合、含気蜂巣の空気によってある程度補う作用と効果がある。
また、ダイビング等で耳が抜けずに無理をした場合、圧平衡の圧力補正を行う為に、まず最初に含気蜂巣内の空気で圧力の補正をし、不足の場合は含気蜂巣粘膜の膨潤が起き、更に不足の場合は粘膜細胞破層でリンパ液(体液)の漏出で補おうとする。
それでも不足の場合は粘膜内の毛細血管破断による血液の漏出が起きて鼓膜の損傷・穿孔及び内耳の機能損傷を防いでいる。

しかし、浮上時に起きるリバースブロック(中耳腔内圧上昇)への対応はクッション的な緩衝程度で効果が薄い。

内耳 内耳は鼓室の更に奥に存在し、鼓室に於いて前庭窓(卵円窓)と蝸牛窓(正円窓)の2つの窓で内耳に通じている。 蝸牛窓(正円窓は円形窓とも言う)

1.前庭窓より音が入り、蝸牛窓より音が出て音質や音域、音圧を調整している。

2.前庭窓にはアブミ骨がはまり込み、鼓膜の振動を内耳に的確に伝えている。

3.内耳は蝸牛管・前庭器官・半規管の部分に分かれ、その内部構造は複雑な為、迷路と言う。

4.内耳は2〜3mmの比較的厚い骨に包まれていて、これを骨迷路と言う。
更に骨迷路の内部には膜で出来た仕切りがあり、これを膜迷路と言う。

5.膜迷路の内部は内リンパ液、膜迷路の外側で骨迷路の内側の部分は外リンパ液で充当される。

6.外リンパ液は蝸牛小管によって脳脊髄液とつながり、内リンパ液は硬膜壁で閉鎖されている。

前庭窓より振動音が入り、蝸牛窓より振動音を中耳腔内へ戻す事で音質や音域、音圧を調整している。
(過大音抑止・抑制/内耳の保護.3)

蝸牛 蝸牛とは螺旋(らせん)状の器官であり、内耳の蝸牛に伝えられた音振動は内部に満たされているリンパ液を介在して、基底板に伝播している。

1.基底板上には外有毛細胞・内有毛細胞などの感覚細胞群で構成されるコルチ器管が存在し、中耳から伝達された機械的な音振動を電気信号に変換している器官。

前庭と半規管で平衡感覚、体幹位置、移動・回転加速度の関係を司っている

前庭 前庭の内部には卵形嚢・球形嚢のこぶ状の嚢がふたつがあり、耳石器と総称される。

平衡感覚器

1.卵形嚢・球形嚢の内壁には平衡感覚を受ける平衡斑と言われる組織がある。
機能としての平衡斑は耳石で直線加速度を感じ取る作用を持つ。

半規管 外側半規管・前半規管・後半規管の3本の管から構成されており、それぞれが互いに直角に交わる事で体幹位置を把握している。

1.3本の半規管はその付け根部分が少し膨らみ、膨大部と言われる。
2.その膨大部には有毛細胞があり、その上面にあるゼラチンの様なクプラに包まれているが、膨大部のクプラで回転加速度を感じ取っている。

3.有毛細胞はクプラのゆれを感じて脱分極をし、その電気的刺激を前庭神経に送る。

半規管構造図半規管内部構造

内耳での音の感知

1.アブミ骨底から前庭窓/卵円窓に伝えられた振動は、まず外リンパを振動させて波動を生じさせる。
2.外リンパの波動が膜を通して内リンパに伝わり、蝸牛頂の蝸牛孔を経て鼓室階におよび、正円窓(円形窓/蝸牛窓)の膜から中耳腔へと抜けていく。

3.基底板が振動し、内耳感音系へと伝わっていく。

4.周波数の高い音ほど蝸牛の入り口近くで受け、周波数の低い音ほど蝸牛の頂点側で強く反応する感音作用がある。

前庭階・鼓室階→外リンパ液  蝸牛管→内リンパ液 外リンパ液内リンパ液脳脊髄液の事.

△聴覚の脳への音信号伝導と音の内容認識
コルチ器(コルチ器官)

3列の外有毛細胞と1列の内有毛細胞の毛が搖れて脱分極化し、電気刺激を蝸牛神経に送る。

聴覚の受容器である有毛細胞先端の毛には機械的な刺激に応答して通過させるイオンチャンネル部がある。
(有毛細胞の毛は蓋膜に固定)

蝸牛管内部のリンパはK+濃度が高く、音刺激によって毛が動かされるとK+チャンネルが開き、K+が細胞内に流入するが、このイオンの流れによって有毛細胞は脱分極化し、神経伝達物質を放出する事でインパルスが有毛細胞から蝸牛神経に伝達される。

コルチ器→らせん神経節→橋の蝸牛神経核→外側毛帯を上行→中脳の下丘→視床の内側膝状体→側頭葉のHeschl回.

1.蝸牛の受容器からの神経インパルスは背側と腹側の蝸牛神経核(Cochlear nucleus)に入る。
2.シナプスを変え、大部分は対側の上オリーブ核(Superior olivary nucleus)へ伝達される。
3.3次ニューロンは上オリーブ核から外側毛帯を通り下丘(Inferior colliculus)に到達。
4.下丘から出る4次ニューロンは内側膝状体(Medial genuculate)に入り、5次ニューロンとなって皮質の聴覚野Auditory cortex)に情報を伝達。

聴覚の一部の繊維は脳幹網様体に連絡しており、大きな音などに反応して脳を活発化させる.

△下は同じ内容だが判りやすいかも・・・。

音波→外耳道→鼓膜→ツチ骨→キヌタ骨→アブミ骨→卵円窓(前庭窓)→前庭階のリンパ振動→鼓室階のリンパの振動→コルチ器の基底板振動→3列の外有毛細胞と1列の内有毛細胞が蓋膜に触れることで毛が折れ曲がる→有毛細胞が脱分極を起こす→有毛細胞が興奮→蝸牛神経に興奮が伝わる→らせん神経節→橋にある蝸牛神経核→二次ニューロンへ線維を乗り換える→(@又はA)

⒜反対側に交叉し台形核へ→三次ニューロンへ乗り換え→上行→中脳下丘→B
同側の台形体でシナプス→三次ニューロンへ乗り換え→上行(外側毛帯)→中脳下丘→B
B四次ニューロンへとシナプス→視床の内側膝状体→シナプス→側頭葉のHeschl

中耳内より水・湿気を排出図

9.耳管口[(開口部)又は(咽頭口)]と耳管の位置を確認して下さい。上図・下図

耳管咽頭口の位置を見ると上顎と下顎の付け根に近い事が判る。唾を飲んだり、あくびの動作、大きく下顎を引く動作によって耳管咽頭口を強制的に開かせる事が出来る。

耳管位置図

耳管位置図2

☆ ここからは重要ですので一読して下さい。重複していますが簡単な説明です。

音の伝達 :外耳道→鼓膜→つち骨→きぬた骨→あぶみ骨→前庭窓(卵円窓)→ 蝸牛内部を満たすリンパ液→基底膜→コルチ器官(有毛細胞により電気信号へ)→聴神経→大脳の聴覚中枢へ.

平衡感覚 :それぞれ直角に交わる3つの半円形の管を半規管と言い、頭を回転させると半規管の中の リンパ液に流れが生じ、半規管の膨大部にある有毛細胞の感覚毛を動かして、頭の回転加速度についての信号を前庭神経に伝える。

また、平衡斑は耳石器官の球形嚢と卵形嚢にそれぞれ有り、ゼラチン質の膜に覆われ、その中に有毛細胞の感覚毛が埋まっている。

頭を垂直に保った時に卵形嚢斑は水平で感覚毛は上を向き、球形嚢斑は垂直面 の前後にあって感覚毛は外側を向く。

この感覚毛が受ける微妙な力の変化から頭への重力及び直線加速度を感じ取る.

"緊張感"半規管や耳石器官の信号によって、眼球を動かす外眼筋や全身の骨格筋の反射的な緊張の変化を起こす.(耳石器官=球形嚢と卵形嚢)。

重要 内リンパ管は球形嚢と卵形嚢との間につながつており、その先は側頭骨をおおつている、硬膜下で盲管となり終わっている。

外リンパ管は脳髄よりつながり半規管を覆う様にリンパ液で充填され、蝸牛管の先端で内リンパ管とつながっている。

ここでのリンパ液(外リンパと内リンパ)は脳脊髄液の事.

リンパ液の違い

重要な事は、硬膜の中と外のリンパの微小圧力が少なからず聴覚や平衡感覚並びに上記で述べた緊張感や視覚及び思考力にも影響を与える。

脳髄は、脳脊髄液と呼ばれるリンパ液に囲まれ安定性を保っているが外部及び内部から発生するストレスによって脳脊髄液の成分電位が変化して運動機能や思考力及び生理的に多大な影響を与える。

脳脊髄液は一般のリンパ液とは違い間質液(水分調整)がなく又栄養分である蛋白質をもほんのわずかしか含まない。(血清中6.8g/dl、脳脊髄液中0.02g/dl)

脳脊髄液は血液と神経細胞との間の成分交換の仲介を行っているが、脳の内部には存在せず周りを覆っている。

脳脊髄液の成分調整は血液脳関門と言われる部分で行われるが、ストレスによっても変異をきたし血液脳関門が血流を増減することで早い回復性を担っているのですが・・・。
この血液脳関門は脳脊髄液リンパの成分電位の安定化を早く図ろうとする為、大量の血液を脳へと流す関所的な役割も果たしている事が、逆の危険作用を生む場合があるのです。

例えば、私たちダイバーは、ここで述べたストレスによって、脳脊髄液リンパの成分電位の変化によって運動機能や思考力及び生理的に多大な影響を受ける事で起きるパニックや運動機能萎縮、生理的作用ではディープ潜水中の酸素中毒や窒素酔い、浮上中では呼吸障害や減圧症等を誘発しかねない事を含んでいます。

初心者では最初から全てがストレスの中にある為、「なるほど!」と納得しながら耳抜きをして潜りましょう!
出来ない事は全てストレスへと変わり、更に恐怖へと変わって(パニック、逃避行動)潜ってはいられなくなります。これは、脳が持っている生命維持の一つの行動なのです。

ベテラン域のダイバーでは、ディープダイビングやカレントダイビング、ケーブダイビング、レックダイビング、その他のストレスの掛かる潜水に於いて、それまでに得て来た知識や経験等により、緊張度の増すストレスを回避、或いは低減化を訓練によって熟達する必要があるのです。

たかが耳抜きと思わないで下さい。耳抜きによって起きるストレスは、精神的なストレスと生体・生理機能に多大な影響を与え、生命を危険にさらします

耳抜きは、耳の中耳と内耳、聴覚神経、副鼻腔群等に最初の高度ストレスを与える為、自分に合った適切な耳抜き法を覚えましょう。
参考 血液脳関門・・・脳に於ける血液の関所的役割.  門脈・・・体内に於ける血液の関所的役割.

10.右脳と左脳の関係→右脳と左脳のキャッチボールはストレスの回避につながる!

水中では大きな声で喋ったり、自分への激励や自分自身への命令をして下さい!!

ダイビングを始めたばかりの初心者はうまく潜れるかな? 耳抜けるかな? と思いつつ潜るものですが、その動作が分散され集中する事が出来ません。

一つ一つの動作を確実に行うには、レギュレーターをくわえたままで喋る事を覚えましょう

喋ると言う動作は、右脳で肯定をし左脳で否定をすると言った脳の心理的な部分を補います

恐怖や不安感を増長する左脳に対し、右脳は肯定しきれませんので直接声を出して右脳の肯定力を強化する働きが必要となります。

頭の中で考え、心理的に自分の動作をコントロールする事は非常に難しく、左脳の要求する危険回避性には負けてしまう恐れがあります。(心理不安によりパニックを起こす可能性)

これを補う方法が、声を出して直接右脳に訴え、安心させ、自分の正当性を心理意識に出せる唯一の方法なのです。

例えば、潜降しま〜す! 声を出して「よ〜し、は〜い、潜降〜」と言ったり、耳抜きをする場合は「耳抜き!右よ〜し、左よ〜し、耳オッケ〜、耳グッド」と、声を掛けます(脳に直接伝える事で安心感の増大)。つまり、左脳と右脳の連携のキャッチボールを行い、左脳の持つ恐怖感や不安感を冒険心や興味心へと転換(本来の目的)すれば良いのです。

このキャッチボールがうまく行かず、左脳が勝り、右脳が負けるとパニックの一歩手前となり、次の段階(緊張による呼吸不安と不必要なフィンキックによるCO2増大)で本当のパニックに陥ってしまいます。

また、左脳に不安を与えない為には脳内での溶存酸素量が関係してきます。

緊張をする事で呼吸のタイミングを失い、溶存酸素が不足して来ると、生命維持欲求の問題として呼吸中枢は左脳へ不安だという信号を送り出してしまいますので、潜降時の動作一つ一つ(耳抜き、マスククリアー、BCの操作等)に、必ず息を吸ってから、一つの動作を行う様に心掛けるべきです。

ここで述べている事は、正常な呼吸によってしかうまく脳のコントロールが出来ない事を意味しています。

呼吸と言う動作(呼息と吸息)は息を吸う事で脳に安心感(適度な酸素量の増大)を与え、息を吐く事で適度に緊張と運動性(素早さ、運動の加速的行動)を与えます。

この時、筋肉の収縮により緊張と運動性は持続しますが、この筋肉の収縮により血中の溶存酸素量を保持しょうと働くので脳に対しての不安感は起きて来ません。(一時的ですが訓練により持続性が増します)

「耳抜き」で有っても、心理不安として常に左脳へ働きますので、右脳を安心させて下さい。

水中にいるベテランダイバー、インストラクター、プロの作業ダイバー達は常に喋っているのです(*^_^*)

何はともあれ水中では大きな声で喋って下さい。(喋る練習をして下さいね!)

 

耳に関わる病気のページへリンクしております。 一読して下さい。

11.鼻に関係する語句.(重複する所あり)

外鼻 :鼻背(はなすじ)、鼻尖(はなさき)、鼻骨、鼻中隔軟骨、外側鼻軟骨、小鼻翼軟骨、鼻翼 (こばな)、外鼻孔、大鼻翼軟骨、線維脂肪組織.

鼻中隔 :鼻中隔軟骨、篩骨鉛直板、鋤骨.

鼻腔 :嗅部(嗅裂)、上鼻道、中鼻道、下鼻道、鼻前庭、外鼻孔、内鼻孔(鼻限)、嗅球、上鼻甲介、中鼻甲介、下鼻甲介、咽頭扁頭、耳管口(耳管咽頭口)、咽頭口、軟口蓋、鼻咽頭、硬口蓋、鼻涙管、鼻中隔、後鼻孔、嗅神経、キーセルバッハ部.

副鼻腔群 :前頭洞、篩骨洞、、蝶形洞、上顎洞、乳突洞(側頭骨の乳様突起にある)、連絡通路(連絡通管、連絡導管、サイナス)によりつながる.

耳管 :中鼻甲介奥の咽頭鼻部より中耳腔へ.

乳突洞 :中耳腔と連絡し、尚且つ中鼻甲介奥の咽頭鼻部と耳管を介して連絡する。乳突洞は乳突蜂巣とも呼ばれる。

前頭洞 :中鼻道中央少し前の上側より通じる。

上顎洞 :中鼻道中央部より通じる。

篩骨洞 :中鼻道中央少し上より通じ、また上鼻道中央からも通じる。

蝶形骨洞 :上鼻甲介奥より通じる。

鼻涙管 :涙嚢より出て鼻腔外側壁に沿って下方に向かい両側の下鼻道へ出て、鼻水と成る

副鼻腔位置説明図

副鼻腔断面図鼻甲介図

各洞の名称と場所(→右の絵も参照)         各洞への連絡管(導管、サイナス)と開口位置

各導管はサイナスだが、それぞれに名称有り.

下向きの矢印は粘液の出口(鼻水)及び通気口

副鼻腔群説明図鼻腔所見図

重要 

12.鼻の部位と役割

吸い込んだ空気の塵を除き、加温や調温及び加湿をし、中鼻道を通過中に70%近くの塵を除き、温度も25℃〜37℃、湿度も35〜80%位になる。

また、匂いを感ずる嗅粘膜の広さは約2.4cuで、ここに嗅覚受容細胞があり、粘膜面に分泌された粘液中に多数の嗅毛を出している。

匂いの元となる微細な粒子が、この粘液に溶けて嗅毛を刺激すると電気信号が発生し、嗅球を経て大脳新皮質の嗅覚中枢に伝わり、匂いとして感ずる。

副鼻腔群の通常の働きは、頭蓋骨を軽くするのは言うまでも無いが、声に音色を付ける作用も有る。

(個々に鼻歌等の音色が違う)

鼻本来の持つ役割は、副鼻腔群の呼吸性線毛上皮細胞から粘液を分泌し、線毛は小微粒子を鼻咽腔へ送り出す作用が有り、上記で述べた塵の排除や加温、加湿や粘液の分泌の量により雑菌、ウィルス等を流し出し鼻水として鼻腔より出される。

耳管も呼吸性線毛上皮細胞の為、あえて副鼻腔群の中に留めているが、これは細胞の組織的な分類で有り、器官的に粘液の分泌等は少なく、閉鎖された空間の保護作用と調圧・調湿に重点が置かれ、耳管内や中耳に水が入った場合、及び内炎症に於ける分泌液排出時に呼吸性線毛上皮細胞が活発化し、繊維線毛の動きによって耳管咽頭口へと排出する。呼吸性線毛上皮細胞→分泌液、湿気、水の排出を行う。

呼吸性線毛上皮細胞とは、偽重層上皮(pseudostratified epithelium)とも言われ、表在上皮細胞、介在上皮細胞、基底上皮細胞から構成される上皮組織の1つ。 多列上皮とも呼ばれている。

偽重層上皮細胞拡大偽重層上皮

13.気圧変化での器官の圧感覚状態

圧力の変化を受ける部位として、耳では中耳と内耳、副鼻腔では耳管を含める前頭洞、乳突洞、篩骨洞、蝶形洞、上顎洞、鼻涙管の内部に空間を持つ器官で、次の気圧感知を受ける。

単に副鼻腔群とした場合、耳管は耳の部位に、鼻涙管は副鼻腔群として見る。

飛行機の離着陸、エレベーターの昇降、トンネル、山越等でも鼓膜の変化(圧迫感、膨張感)を感じ易く、副鼻腔群でも感じる場合は鼻詰まりの時に前頭洞や篩骨洞、鼻涙管等に膨張感、圧迫感が有り、過敏な人は天気の変化でも感じる場合が有る。

耳や副鼻腔群が顕著に圧力を感じるのは、やはり水の中であろう。

14.外耳、中耳、内耳、副鼻腔群に掛かる圧力について

人間の体表組織や体腔内組織はその表面に圧力を掛けると、その圧力を押しのけようと内圧(毛細管血液やリンパ液が集中する)が働くが、この時に耐えきれる圧力が問題だ !?

圧力を掛け過ぎると内出血を伴う圧障害又は圧傷害を起こす。

単純に言えば"あざ"や"打ち身"と同じで、どの位の圧力で圧障害を起こすんだろうか?

個人差が相当有るが健康体の人を取ってみると、0.3気圧〜0.5気圧程で、体を鍛えたスポーツマンで0.7気圧に耐え、肌の張りも相当あると言う事だろう !!

体表組織、体腔組織でも同じ条件であるが、胃や腸に関してはメカニズムが少し違う様だ。

(胃や腸にもスクイズでの圧障害と圧傷害が有るのだが・・・今回は説明を省く)

肺より送気出来る圧力0.3〜0.5気圧位で胸筋や腹筋が弱ってくると送気出来る圧力も必然的に弱くなるが、胸筋や腹筋を鍛えたスポーツマンでは0.7気圧にも及ぶ。

例えば、耳抜きの水深に換算すると3m〜5m(7m)の水深圧で、陸上に於いてその圧力で長々と耳抜きをすると鼓膜の周囲に圧障害と圧傷害を起こしかねないし、鼓膜が伸びて一時的な難聴となる。

注意 これは、水面から3m以内の所で耳抜きを長々と無理やりにした場合、耳管の内部からの送気圧力0.3〜0.5気圧を中・内耳腔圧平衡を取る為に送り続けると、鼓膜を外に押し出して鼓膜の付け根の炎症や一過的に耳骨の変形等で耳の聞こえが悪くなる。

耳抜きを長々と無理やりにした場合であり、瞬時の耳抜きでは鼓膜に掛かる外圧で相殺されて問題は無い。

また、耳が抜けず鼓膜に外水圧が掛かりっぱなしになると、鼓膜が中耳腔内へ押され、鼓膜が若干だが伸び、また、一過性の耳骨の変形で音の聞こえが悪くなる。

鼓膜周囲の圧傷害を起こした場合、耳の奥がむず痒い場合は鼓膜周囲に内出血が起きている恐れがあり、中耳炎になる可能性が有り注意が必要。

それ以上の圧力が掛かれば鼓膜が破れるか、伝導骨変形及び損傷、内耳損傷や聴覚神経障害が起きる恐れがある。

ここで注意をしなければいけないのは、痛み(外圧圧迫痛)を伴った耳抜きを時間を掛けてしてはいけない事と、うねり等による急激な圧力変化に気を付けなければいけない。

耳抜きは数を重ねる事により、外耳道、鼓膜及び鼓膜周囲、中耳、耳管そして副鼻腔群の周囲の神経や筋肉組織が敏感になり、圧力を感じ易くなり、また抜き易く成って行く。

これは、圧迫感や痛みを感じ易くなり、耳抜きの動作が速くなる事で回避している。

(抜けずらい方はチェック)

注意 病後の人や肺疾患等お持ちの方、年配者では、鼓膜や体腔等の表皮組織が弱く、鼻をかんだり咳をしただけでも鼓膜が破けたり、副鼻腔群損傷、肺胞等の損傷が起きる場合が有ります。

15.鼓膜が破れたら !!

潜水に於いて鼓膜の外側に水圧が掛かる事で、圧痛や圧迫感を受けた時に「耳抜き」による圧平衡を取れば問題が無いが、圧迫感や痛みを感じない程にほかの事に気を取られていた場合では、一瞬、又は激痛の走る中で鼓膜に亀裂及び穴が開く。

1.中耳腔内に水が入り、急激に内部が冷やされ、特に半規管の脳骨髄液リンパが冷やされて平衡感覚が狂い、目が回り、天地が分からなく成ってしまい、溺れる可能性がある。

2.平衡感覚を司っている三半規管の外リンパと内リンパも冷やされ、急性のメニエール症候群となり、めまいや吐き気なども併発する。

陸上に於いては、耳の外耳道部分を手の平で塞ぐ様に押さえ、耳の後ろの丸みのある骨の部分をよく温めると意外と早くめまいや吐き気が治って行く。(外耳道内の空気を閉じ込めて温める)

水中では陸上の方法と同じだが、手の平で、又は人差し指又は中指で外耳道を塞いだ後に、耳抜きの要領で空気を耳の方へ送り、これ以上の水が入らない様にし、内部を温める。

最良な方法として、鼓膜の破けた、又は、痛みの有る側の外耳道に人差し指、あるいは中指を入れて塞いだ後、鼻をつまんで空気を送り(耳抜きによる排水)、内部の水を外耳道側へ押し出す。 注意としては破れた鼓膜側を下側にして行う事と、親指付け根にて耳の後ろを温める。

この後、急ぎ水面に上がるのだが、自分の吐いた小さめな泡を目安にするか、コントロールド・ポディティブ・ボイアントアセント、又は通常の緊急浮上で浮上する。(訓練が必要)

16.浮上後の処置

鼓膜に穴があいても、その穴の大きさが意外と気になるものである。医者に掛かればこの位の穴が開いていますよ! しばらくは安静にして通院して下さいと!!

乾いた空気を吸いいきむ事で鼓膜の敗れた耳へと送気するとシュー等の音がします。外耳道を下に向けていきむと内部の水も排出されます。

鼓膜に穴が開き、中耳を介して内耳の一部まで海水に暴露されたと言う事は、多くの雑菌等にさらされ、つい、耳のむず痒さの為、自分の指等を外耳道の中に入れてしまうものである。

外耳道を殺菌しながら水分をとり(綿棒を使用)、速やかに耳鼻科へ直行です。

耳の内部で痛みが発したら赤信号!! こんな事で中耳炎、内耳炎の長い闘病生活に入りますか!!
耳は大事な器官です。 大事にしましょう(*^_^*)

17.鼻炎とアレルギー 連絡管(導管、連絡導管)=サイナス

アレルギー等により鼻腔内部及び副鼻腔群の血管が収縮し血行不良が起こると、冷えが始まり、鼻腔内部及び副鼻腔群より粘液の分泌が多くなる。

鼻腔内部の炎症で周囲の腫れによる鼻づまりの症状でも、各副鼻腔群の連絡管(導管、サイナス)も同じ症状が現れていく。

特に前頭洞、鼻涙管、耳管の3つの管が長く、鼻涙管を除く前頭洞、耳管に顕著に現れ、連絡管(導管、サイナス)が閉塞状態となり"耳が抜けない"前頭洞が抜けない"状態になつてしまう。

鼻水の出る場所と器官は? 図解1  図解2

鼻炎に関しては色々な現象による症状が有りますので良く調べて下さい(^^ゞ

star病気の検索(Yahoo)star1家庭の医学(萬有製薬検索)star2耳鼻科50音辞典

18.鼻炎対策として(一例です)

@ ミントティーに皮付リンゴをすりおろして飲用するとアレルゲンに対して効果が有る。

A ティーツリーオイルをマスク等に数滴たらして鼻から吸う。

B ゴマオイル、特に大白という銘柄が良く、このオイルを5〜10分程加熱する。

冷やした物を密閉の容器に入れて使うが、必要な時に鼻の鼻腔に直接2〜3適を点鼻する。

この後、1〜1分30秒程上を向いている。

終了後にゴマオイルが鼻から出てきたり、口の中に入ってしまった場合は、鼻をかんだり、良くうがいをする。

1日に2〜3度(必要に応じて適選)点鼻すると効果をはっきする。(インドのアーユルベーダより)

参考

大白(白ゴマ)は香りを抑えたタイプで、鼻には刺激が弱い。

◎ゴマ特有の成分セサミン、セサモリンなど7つの効用

1.ヘタリにくく消化吸収がよい 2.ビタミン類の分解を防ぎ、吸収を助ける 3.老化の防止と抗ガン性 4.結核菌の生育阻害作用(殺菌作用) 5.二日酔いの防止(アルコール代謝促進) 6.高脂血症の防止 7.ストレス性疾患に効果あり

19.点鼻スプレーと服用薬について

点鼻スプレーの効用

この状態を一時的に回避する為に充血解除用点鼻スプレーが販売されている。

スプレー以外にも内服用錠剤も販売されていて、成分はエフェドリンやフェニレフリン系で、商品名もナーベル、プリビナ、プリビナールその他の商品群。

中途で薬効が切れる恐れ有り !

点鼻スプレーや服用薬の危険性

点鼻又は服用(錠剤の方が効果が長い)してから2時間位の効果があるが、個人差も有り、途中で薬効が切れる場合が有る為に、使用に際して注意が必要で有る。

潜水開始時間の30分位前に使うと効果があるが、注意して使用し、万が一の事を考え、リバースブロックの解除法を覚えて頂きたい。

20.寒さと耳抜き  連絡管(導管、連絡導管)=サイナス

外気温や水温が低い場合でも耳が抜けなくなる事が有る。

寒さにさらされると、末梢の毛細血管が細くなり、血液を体内に取り込み体表面の血行が悪くなる事で、体表面の温度が時間を追って下がって行く。

この時、顔面も同じ状態で冷えが進行して顔がこわばってくる。

この冷えにより血管が収縮し、鼻や副鼻腔群、連絡管(導管、サイナス)も冷えて充血が始まり、粘液の分泌が多くなり、連絡管(耳管、前頭洞連絡管)=サイナスが閉塞し易くなる。

21.体温低下、鼻水の出る場所と器官は? 図解1  図解2  図を参照して下さい。

疲労・睡眠不足による血糖値低下でも同じ事が起きるので注意をされたい。

ダイビングでの2本目以降に疲労や血糖値低下で顕著に現れるので注意をされたいが、高カロリー、高脂質、高たんぱくの食べ物によって軽減される(飴、チョコレート等)

この他にマウスピースの噛み過ぎでも耳が抜けなくなる。

あごの関節に力が入り、顔面筋が強張って血行が悪くなり、冷えて耳管の閉塞が起きる。

酸素過剰(ディープダイビング、過剰換気)による体温の低下での耳抜き・リバースブロックの発生。
対策
:動きを止めて呼吸を停止させ、二酸化炭素(CO2)を体内に増やし体温を上昇させる事で回避出来る。

ここからは[耳抜き法]の実技に関した項目.

C.耳抜きの実技編.

耳抜きをする前の注意事項:「耳抜き」をする時は、口の中や鼻の所に水(海水、唾液、鼻水)が有ってはいけません。(湿気程度は大丈夫です。 水には海水だけで無く、淡水や唾液・鼻水も含まれます)

耳抜きをする時、耳管やサイナスへ水分や湿気を送ってしまう事で、耳管閉塞(イアーズブロック)や副鼻腔群のサイナス閉塞(サイナスブロック)を起こす為のトラブル防止策です。

押し耳・浮き耳説明図

文字が見づらい場合はクリックして拡大版を確認して下さい。

耳管位置図

副鼻腔群とその容量図

1.重要 副鼻腔群と中耳腔の含気容量(容積)を表しています。上の図参照.

副鼻腔群の容量は凡そ80ccだそうだが、これは小さなコップに 約半分位の水と等しい。

 (取り敢えず、計量カップで水を測って見るのも・・・納得の行く方法です(*^^)v)

この水を空気に入れ替えれば、察しはつくと思うが、潜降中や潜水中では口の中を陰圧にすると副鼻腔群にスクイーズが起きてしまう事となる。

その為、肺には十分なる空気を蓄えた状態で潜降或いは潜水し、いつでも口の中や咽頭及び副鼻腔群へ外気圧相当の空気を送気出来る様に準備が必要なのです。

中耳腔の片耳の含気容量は3.5〜17ccと個人差があり過ぎるが、平均的に片耳8〜10cc程度と思っていれば良い。

この送気と言う動作は耳抜きの動作(耳への耳抜き、副鼻腔群への耳抜き)であり、マスククリアーやレギュレータクリアーにも送気が必要です。

また、リバースブロックが起きた場合でも、コップ 約半分の空気を送り出す、吸い出す、コップ約半分相当の空気を戻すと言う考え方が必要となって来ます。

このコップ(6オンスタンブラー:180cc)約半分の空気を口腔操作(口の中と下顎を動かす)、或いは咽頭・喉頭や腹腔を動かす事で耳管或いは副鼻腔群へと送り出す圧力を作り出し、一連の耳抜き動作や操作が出来ている。 この時、咽頭蓋や口蓋は弁の役割をしている。

2.一般での耳抜き法

注意

耳抜きの中で、唾を飲んで抜く方法も耳抜きです。しかし、この方法は耳の圧平衡を取る為の動作時間が掛り、抜けずらい為、潜降スピードが速いと逆に耳を傷める場合が有ります。 ビーチでのスロープを使ったゆっくりとした潜降の時に[唾飲み耳抜法]を使いましょう。

下の図を見て頂くと、陸上では鼓膜の外側に外気圧が掛かっているが、1気圧以下しか無く、耳抜きによる送気をすると、0.3〜0.5気圧もの圧力を中耳側から鼓膜へと掛け、正常な位置にある鼓膜が外側へと張り出てしまう為、鼓膜及び鼓膜の付け根に負荷が掛かる。

水中ではどうだろう!?  水中では鼓膜の外側まで水没して水圧により鼓膜が奥へと押し込まれて折、耳抜きによる中耳内への送気圧力0.3〜0.5気圧を掛けても、鼓膜を押し込む外圧(水圧)によって圧力の相殺が起きる為、耳抜きによって鼓膜は正常な位置に戻り圧平衡が取れるが、陸上よりも水中の方が負荷・負担が少ない。

陸上と水中での耳抜き説明図

3.講習等で習う一般的な耳抜き方法

1.鼻をつまんで"うん" 又は"フン"と言う.

2.鼻をつまんで"う〜ん"といきむ.

3.鼻をつまんで唾を飲む.・・・・・・・・・ツインビー法

4.鼻をつまんで下あごを動かす.・・・バルサルバ法

5.鼻をつまんであくびの動作(下あごを奥に大きく引く)

6.上記の複合で、耳抜きをしながら首を回す、または左右に振る.(効果は薄い)

4.耳抜きが上手く出来なかった時の対処法

1.抜けない方の耳を上に向けて耳抜きをやり直す。(効果は薄い)
注意点:強く耳抜きをすると下側となる耳管へ水(鼻水・唾)を送り易い。

2.耳が抜けない所から少し上がって(1〜2m浮上)耳抜きをやり直す。
注意点:上がり過ぎると効果が無い。(繰り返しの耳抜きとなり、潜降に時間を要す)

3.あきらめて潜水を中止する!! 

5.普段の練習法

 耳抜きの練習だけで無く、スノーケルクリアー、マスククリアー、レギュレータクリアーの練習にもなります。

1. 鼻をつままないで、"うん"とか"フン"と鼻へ息を送る (声を出す、鼻から強く空気を出す).

2. 下顎を引いたり、動かす事で鼓膜を動かす(顎の所で"かくかく"と音がする).

3. 下顎を動かし、鼻から息を吸う(下顎を大きく奥に引き"あくび"の練習).

4. 唾を遠くへ飛ばす(さくらんぼの種飛ばし). 手の平に1円玉、五円玉、十円玉あるいは小さな紙を置き、息又は鼻息で飛ばす練習.

5. プールや海洋での練習の場合、手の平に水を溜めて、口の息又は鼻息でおもいっきり吹き飛ばす!

6. ゴム・紙風船を膨らます。 (風船ガムや普通のガムを噛む、膨らますなども良い練習になる) .

専用の練習具具 耳管通気具(鼻送気バルン) 製品名:オトヴェント スウェーデン製製 2,100円(要確認) 

6.「いきみの練習法」注意 注意 注意 注意 注意 要注意練習法(危険 むやみにしてはいけません)
陸上での練習法 一度に2〜3回迄で、連続してやってはいけない. 中・内耳圧痛他が起きる。

鼻をつまんで、ゆ〜っくりと息を吸った後、いきむと耳へ空気を送って行くが、意識を鼓膜と耳の中へ持って行き、鼓膜が外に張り出るのを確認する。鼓膜が両方とも浮いたら鼻の手を放して圧力を抜く。
最初の息を吸う時では、1.息を吸ってから鼻をつまむ. 2.鼻をつまんで息を吸う. どちらでも同じです。

この時に、片側の鼓膜だけが張り出て、もう一方の鼓膜が出ない感じがする場合は、その状態を維持したまま、耳の中を意識して、更にいきみ、息の力を掛けると抜ける(鼓膜が浮く)。

注意 瞬間的な圧力は掛けないで下さい。ゆっくりとしたいきみだけによる送気です。

この練習法は中耳及び内耳に対して連続した圧力が掛かります。
鼓膜が外に出た以上の圧力を掛けると、内耳、中耳、伝導骨、鼓膜の付け根周囲に痛みを伴いますので、やり過ぎは耳を傷める原因となります。

要注意 練習法
耳の弱い方、年配の方は特に注意が必要です。 1日に2〜3度程度で止めて下さい。
度を超えて行うと中耳炎や内炎症、耳骨変形、難聴になり易くなります。
更に、内耳窓破窓による内耳瘻を原因とする肩こりやめまい、及び平衡感覚障害、耳鳴り等も起きます。


解らない、解りづらい場合は相談用メール又は相談用掲示板にて質問を受けています。

7.耳鼻科の医師が奨める耳抜き法 陸上・高所耳抜き法の為急速な潜降には不向き!

1. ツインビー法・・・・・・・ 鼻をつまんで唾を飲む。

2. バルサルバ法・・・・・  鼻をつまんで下あごを動かす。鼻をつまんで歯を噛み合わせる。鼻をつまんで下あごを引く様にしてあくびの動作。

3. 2つの併用タイプ(ローリーテクニック)・・・鼻をつまんで唾を飲み込みながら下あごを動かす。

この方法はいつでも練習が出来ますので根気良く、まずは練習を!!

ただし、急激な圧力変化には不向きですが、練習によって対応可能です。

エレベータや飛行機の機内、電車の中では有効ですが、訓練により速い動作で潜水にも適する様になります。

8.プロダイバーの行う耳抜き法 [水中耳抜き法]急速潜降、全潜水潜降を可能とする。

単発法・・この耳抜きをする場合、口の中に多少でも水が無い事(僅かはやむ得ない)

※注意:この単発法を陸上ではやらないで下さい.・・・鼓膜、中耳を痛めます。

1. 息を吸い込み、鼻をつまんで一気に鼻の奥に向かって"フン"と瞬時に送るが、この時の背筋は真直ぐで行う。

2. 1.で耳抜きの抜けが悪い場合は1.のしぐさと同じだが体を前に丸めながら腹筋を使って耳抜きを行う。

単発法の特徴は、耳抜きとマスクブローを同時・瞬時に出来る.

与圧法・・鼓膜に外圧を少しずつ掛けながら耳抜きを行う方法. 

1. 水深1m毎に耳抜きをして行くので、耳抜きを強くやらなくても大丈夫.

単発法、ツインビー法、バルサルバ法、ローリーテクニックが使える.

連続法・・急速潜降等に有効.

1. 大きく息を吸い込み、次に鼻をつまんで鼻の奥に向かってハミングする。

この時のハミングは"ウ〜ン"や"ブ〜ン"と力を入れて連続的に圧力を掛けながら潜降して行く。

1回の連続ハミングで3〜5m以上の潜降が可能ですが、練習によりそれ以上の潜降が可能となります。

9.フリーダイビングでの耳抜き法. スキンダイビング用

1. ツインビー法・・・・・・・ 鼻をつまんで唾を飲む。

2. バルサルバ法・・・・・ 鼻をつまんで下あごを動かす。鼻をつまんで歯を噛み合わせる。鼻をつまんで下あごを引く様にしてあくびの動作。

3.ハンズフリー法・・・「随意耳管開放法」、自慰通管法と言い、最初はあくびの練習から行う.訓練が必要。

4.フレンゼル(マウスフル)法・・・空気を取り込み、口・気道・肺へ空気をパッキングする一つの方法で訓練が必要。特に腹部や胸部の柔軟性を必要とし、腹式呼吸の延長線上にある。

深い水深へと潜る場合、3.と4.の習得、そして精神的なストレス回避が不可欠となります。

10.副鼻腔群(前頭洞・各サイナス)耳抜き法 (注意が必要です)

ここの項は副鼻腔群への、特に前頭洞への[耳抜き法]圧平衡法ですが、浮上時に前頭洞連絡導管(サイナス)にブロック(閉塞)が起きる可能性があります。

ブロック解除の為に「リバースブロックの解除法」も同時に覚えて下さい。 尚、「リバースブロックの解除法」は耳管ブロック(閉塞)解除にも有効です。

潜降中に眉間部分が痛くなったら、また鼻骨の付け根部分が痛くなったら導管又は連絡管(サイナス)が通気をしていません. 時として血の匂いがする場合が有ります。

抜けていないと気が付いたら、少しだけ水深を浅く取りなおし、再度耳抜きをします。無理をすると鼻血の原因になります。

抜けない場合は神経を眉間回り(前頭洞)に集中して、下記の様に対処します。

1.大きく息を吸って鼻をつまみ前頭洞を意識しながら強く"いきむ" 、この時に キュキュかプチプチ或いはキューウ〜音と共に通気する。

◎「いきみ」の強弱でも、抜けるには個人差が有ります。

◎キュキュかプチプチ或いはキューウ〜音がした場合、浮上時にサイナスのブロックが起きる恐れがあります。
「リバースブロックの解除法」を覚えて下さい!

2. 1.で抜けない場合は、3m〜5m位の範囲で浮上と潜降を繰り返し、抜き直しを2回ないし3回程行ってみる。 これで抜けなければ、やむえず潜水を中止をする。

大きく息を吸って鼻をつまみ前頭洞を意識しながら強く"いきむ"(2.は誘導法)

前頭洞がどうしても抜けない場合は潜水を中止し、体を休めてください。

疲れている時や風邪を引いている時には無理をしてはいけません。

特に2本目のダイビング時、食事抜き等では血糖値低下による体温低下により、各サイナスのブロックや耳管ブロック(圧平衡の不安定)が起き易くなります。

11.耳抜きと耳鳴り

ダイビングを楽しんで行く中で、たまに耳が抜けずらい場合が有る。
耳の圧平衡が取れない状態を長く続けると、平衡感覚を司る三半規管内のリンパ液に影響し、そのリンパ液を充当している脳髄内圧へと関連して行く。 これは大脳皮質を刺激する事となり、この事がストレスへと変わってしまう。

このストレスは脳内血液や耳、顔面の循環血液にも及び、緊張感による血管収縮により一種の酸欠を引き起こす。
酸欠は一時的に部位体温の低下を来すが、部位体温の維持の為に産熱並びに血管の拡張が起こり循環血液量を増やそうとし、当然として脳髄リンパ液の圧力にも影響を及ぼし、さらに三半規管と蝸牛管の内部リンパ圧力にまで及ぶ。
これは内耳の音の聴覚神経器官である蝸牛管のリンパ液にも影響し耳鳴りとして脳の大脳皮質の聴覚受容体へ信号として送ってしまう。 耳抜きという動作は単に圧平衡と云う事ではなく、精神的な安定も司っている。

陽圧で+0.3気圧以上、陰圧で-0.3気圧以上の圧力を一定の時間受けていると内耳変調をきたし、平衡感覚不調、メニエール症候群の吐き気やめまいを起こし、特に受ける圧力が高いと蝸牛管の聴覚神経に傷を付けたり、聴覚神経破断等も起き、耳鳴りを確定で起こしてしまう。

この他には内耳窓(前庭窓、蝸牛窓)の破窓が起き、内耳炎等の炎症によって耳鳴りが起き易い。
また、耳骨変形により耳の聞こえにも問題が起き、これが原因での耳鳴りも有る。

もう一度、耳抜きという動作をすばやく的確に行う事を再考して頂きたい。

一般的な耳鳴りとしては、血行障害による内耳や中耳内圧への異常、脳内リンパ圧の高低圧や脳内血管の収縮、膨張による組織障害での耳鳴りが有るが、この他の原因として心臓に関わる循環器障害や内臓の障害等多岐に及ぶ。

前述の中に血行障害が有るが、肩こりや視力、歯痛、難聴などでもストレスを受けますので耳鳴りは当然として起き易くなるのですが、一時的に直す為には首筋や耳の後ろ、頭を冷やす事で、血液の温度や体液、周囲温度を調整する事で多少はしのげる。 しかし、一時しのぎでは直らないので、原因の究明を図りたいものです。

尚、最近では脳内の硬膜や髄膜剥離による脳髄圧及び延髄の圧力低下又は圧迫による耳鳴りも起きているので、よくよく原因を調べる必要が有ります。

ダイビングでは水圧による刺激を中耳や内耳へと直接的な圧力として受ける為、中途半端な耳抜きや半抜け状態での聴覚圧障害は、陸上に住む私達にとって重大な後遺障害を残す事となる。

耳抜きの練習具(リンクされています)個々にお買い求め下さい。

耳管通気具(鼻送気バルン) 製品名:オトヴェント スウェーデン製 2,100円? (税込み) 

自分で作る方は縁日や雑貨屋で売っているゴム風船で作る事が出来、ゴム風船を膨らませる事でも十分練習になります。

リバースブロック 浮き耳 オーバープレッシャー
浮上の時に起きる耳管閉塞障害と副鼻腔群閉塞障害

D.リバースブロック(Reverse block)とは

耳抜きをするという事は耳管や副鼻腔群に、肺から圧力送気をしたと言う事実だ!!

この肺から送気した空気は、耳の場合、耳管咽頭口から耳管を通って中耳腔に入り鼓膜を正常な状態に戻し、圧迫感の痛みを取り去り、音の聞こえを良くする。(耳腔内圧平衡)

副鼻腔群では、導管(サイナス)又は連絡管を通り各空腔に送気され、圧平衡でスクウィーズを防いでいる。

ただ、この中で導管(サイナス)又は連絡管が最も長い前頭洞と鼻涙管だけは通りが悪い為、圧平衡に何らかの問題点が出て来る場合がある。(副鼻腔群圧平衡)

ここの項で述べるのは、耳抜きをして取りあえず潜水が出来、帰りの水面への浮上の時に起きる耳管閉塞と副鼻腔群閉塞により、空腔内膨張による鼓膜の痛みや前頭洞を含む副鼻腔群の痛み、鼻血の出血について解説し回避法や対策法を述べたい。

導管又は連絡管はサイナス(Sinus)と言う。

1.耳抜き(圧平衡)に関する用語

耳抜き=圧平衡を取る(2つの言葉が含まれる) 1.中耳腔内圧平衡、2.副鼻腔群圧平衡  

日本語解釈の場合の[耳抜き]は2つの部分が含んだものとしているが、英・米語解釈の場合は別々にしている。

英語読みすると 1.イアーズイコライジング(Ears-equalizing). 2.サイナスイコライジング(Sinus-equalizing).

押し耳=この言葉は造語であり、鼓膜を外から中へ、又は内側へ押し込んでいる事を表す。

外圧によって押し込んでいる状態 1.中耳腔内圧収縮/中耳腔スクウィーズ. 2.副鼻腔群内圧収縮/副鼻腔群スクウィーズ.

英語読みすると 1.ミドルイアーズスクウィーズ(Middle ears squeeze).  2.サイナススクウィーズ(Sinus squeeze).

2.浮き耳(圧閉塞)に関する用語

リバースブロック(Reverse block)=(2つの言葉が含まれる) a.耳管閉塞. b.副鼻腔群閉塞.

日本語解釈の場合の[耳抜き]は2つの部分が含んだものとしているが、英・米語解釈の場合は別々にしている。また、更に細分化され、部位の指摘もされている。

英語読みすると

a.イアーズオーバープレッシャー(Ears over-pressure).  b.サイナスオーバープレッシャー(Sinus over-pressure).

a.リバース ミドル イアーズ スクウィーズ(Reverse middle ears squeeze).  b.リバース サイナス スクウィーズ(Reverse sinus squeeze).

1つの言葉にすると「浮き耳」日本語的解釈.

各洞への連絡管(導管)と開口位置図

各洞への連絡管(導管)と開口位置  各導管はサイナスだが、それぞれに名称有り。

◎下向きの矢印は粘液の出口(鼻水)及び通気口

副鼻腔群の鼻腔内開口部図鼻腔所見2

鼻腔の状態で副鼻腔群への通気と粘液の排出に問題が生ずる。

副鼻腔群への開口部は上鼻甲介及び中鼻甲介にあり、耳抜きをすると、ここから送気して圧平衡を取っている. しかし、風邪等を引いていたりすると連絡導管(サイナス)の粘膜が炎症を起して圧平衡が取れない場合がある。

又、仮に抜けて圧平衡が取れたとしても、浮上時に連絡導管(サイナス)の粘膜が炎症して閉塞し、副鼻腔群に送った空気が副鼻腔群に残留膨張して我慢の出来ない痛みを生じる。 更に、痛みを伴い鼻血が出る場合もある。

浮上時の副鼻腔群内・連絡導管(サイナス)での閉塞による圧力膨大をリバースブロックと言う。

副鼻腔群の炎症は癖(鼻血癖)にも成り得る為に注意が 必要とされます。

耳管解剖図1耳管解剖図2

耳抜きに於いても中耳内部へ耳管を通じて送気した空気が、浮上と共に耳管を介して咽頭内へ戻ってくれば問題は無いが、耳管軟骨部及び峡部の細い部分で炎症を起して塞がったり、口の中の水や鼻水を中耳内部へと送ってしまうと耳管粘膜が張り付き閉塞する場合がある。

耳抜きをする時に、鼻の部分に水が無い、口の中に水が無い事を確認しよう。

耳管・副鼻腔群ブロック位置図

スクイーズとリバースブロックの違いと状態図

画面をクリックすると更に大きな図を見る事が出来ます(*^_^*)

3.潜降中に起きる症状

[空腔(中耳腔・耳管腔、副鼻腔群)収縮でのスクウィーズ(スクイーズ)空腔内圧減少によって起きる組織の損傷]

耳抜きの動作・操作解説図2

耳管のスクイーズ・ブロックの発生する部位

耳の場合

耳管狭部の閉塞[原因:耳管狭部・周囲の組織炎症での腫れ、水分(唾、鼻水、水、リンパ・体液)による通管阻害(閉塞)]  ※脳脊髄リンパ液での通管閉塞阻害は潜り始めでは起きない。

1. 鼓膜が中耳側(内側)に押されて、音の聞こえが悪くなり、更に痛みが起きてくる。

2. 鼓膜が中耳側(内側)に押されて、中耳内の違和感を覚える。この違和感とは、鼓膜が内側に引き込まれているだけでは無く、中耳腔内の空腔収縮による痛みと、リンパ体液が集まって来る為、並びに耳骨変形や内耳窓が中耳側に引き込まれている痛み・違和感からである。

この状態が長いとめまいや吐き気が起きる場合がある。また、集中力の欠如が起き易い。この集中力の欠如によって鼓膜や内耳への負荷等で起きている本来の痛みを忘れてしまう為に大変危険であり、鼓膜を破いてしまう恐れあり。

3. 水深が深くなるにつれて、鼓膜が中耳側(内側)に強く押されて、鼓膜及び中耳腔の痛みが増す。

@耳全体が痛く感じるが、特に鼓膜が集中的に痛い。

A更に水深が増すと、鼓膜だけでなく、中耳の奥の方が痛みを増す。 これは、耳骨を介して内耳窓に圧迫と中耳腔内への吸引負荷が掛かっている為で、これ以上の痛みになると内耳窓の破窓(亀裂による脳脊髄リンパ液の漏出)が起きる。

4. 水深3m(1.3気圧)、水深5〜6m(1.5〜1.6気圧)、この水深までで正常に耳抜きが出来ない場合は潜水を中止する事。

潜れずに繰り返し潜水を試すと、鼓膜が伸び、又は鼓膜付け根の組織炎症が起きて中耳炎、外耳炎、耳骨の一時的変形や鼓膜のたるみによる一時的な難聴、特に低音域が聞こえづらくなる。

5. 仮に水深10mまで正常に潜れたとしよう(*^_^*) しかし、これ以深での水深で耳抜きが不調の場合、3.と同じ様な事が起きる為、注意が必要である。

負荷圧が0.3気圧(絶対圧1.3気圧)を超え、0.6気圧(絶対圧1.6気圧)が耳を傷める限界圧だが、訓練によって多少の限界圧の異差がある。

つまり、個人によって0.2気圧位から0.8気圧位までと、耳を傷める圧力の差がある。 当然として、訓練をすれば多少なりとも、その限界圧は上昇するし、鼓膜や組織も対応出来る様になる。

ただし、無理をすると、内耳窓破窓損傷による重篤な体性感覚神経障害や聴覚神経損傷による難聴、鼓膜全損ともなりかねない。
体性感覚神経障害とは、めまいや平衡感覚だけで無く、視野並びに距離感等も喪失する恐れがあり、脳脊髄リンパ液の漏出により肩こりや頭痛、耳鳴り等も起きて生活に支障をきたす恐れがある。

6. 潜水では無く、山やエレベータの高所からの降下(航空機も同じ)、トンネルに入った間際等では外圧が高くなるが、中耳腔や副鼻腔群内圧が低い為に同じ様な状態となる。
しかし、圧力が低い為に特に問題しなくても良いが、個人差もあって耳管狭部の閉塞が続く方もいる様だ。

この場合、痛くは無いが違和感の為、吐き気や頭痛、耳の痛みを訴える場合がある。
スクウィーズ(スクイーズ)ブロックと言われるもので、解除する為には耳の後ろのふくらみ部分や口腔内を温めたり、ガムを噛んだり、あくびのしぐさや唾を意識的に多く飲んだりすると解除出来る。

6.の項では潜水以外の解除法として、陸上での耳抜き法に準ずる.(バルサルバ法、ツインビー法)

副鼻腔群の場合(特に前頭洞)

副鼻腔群の連絡導管(サイナス)閉塞 [原因:副鼻腔群連絡導管(サイナス)の通管阻害及び閉塞による空腔収縮による内腔組織炎症での腫れ、水分(唾、鼻水、水、リンパ・体液)による連絡導管(サイナス)通管阻害(閉塞)]

前頭洞、篩骨洞、、蝶形洞、上顎洞、乳突洞(側頭骨の乳様突起にある)、連絡管(連絡通管、連絡導管、サイナス)、頭部にある耳、口、鼻腔、咽頭以外の空腔部位で、外圧の影響を受け易いが、特に潜水では多大に受ける為、注意が必要とされる。

副鼻腔群のスクイーズとブロックの起きる場所

a. 眉間の間(前頭洞)が痛くなり、水深が増すほど痛みが増し、つぶれそうな痛みに代わる。 酷い場合はミシミシと音がして、激痛に代わり、時として鼻血がにじみ出る。 また、血の匂いがする !

b. 頬骨の下あたり(上顎洞)が内側に引っ張られる感じの痛みと顔のこわばり。

c. 眼郭(篩骨洞)に影響して涙が出やすく、目が痛くなる。 また、鼻の付け根が痛く感じる。

d. 鼻の側面(鼻涙管)への痛み。 他の連絡導管(サイナス)より長い為、時として痛みが起きる。

◎痛みや違和感を解除する為には耳抜きを適切に行う。 また、連絡導管(サイナス)が閉塞した場合は耳抜きとリバースブロックの解除法を使って解除する。

4.浮上時に起きる症状

[リバースブロック(耳管狭部閉塞)の発生による中耳腔内オーバープレッシャー(膨張過大圧)による組織損傷]

リバースブロックの発生説明図

耳の場合(alterobaric vertigo)

耳管狭部の閉塞[原因:耳管狭部・周囲の組織炎症での腫れ、水分(唾、鼻水、水、リンパ・体液、リンパ・脳脊髄液)による通管阻害(閉塞)]

鼻水は副鼻腔群内から必要に応じて漏出するリンパ・体液。水は淡水或いは海水を指す。

リンパ・体液の漏出原因 中耳腔壁組織からの漏出。

リンパ・脳脊髄液の漏出原因 内耳窓[前庭窓(卵円窓)と蝸牛窓(正円窓 又は円形窓とも言う)]破窓による漏出。

1. 鼓膜が外に張り出し、痛くて浮上の出来ない状態。

2. 鼓膜が外に張り出し、耳の中でガサガサ音がして痛くて浮上の出来ない。

3. 鼓膜が外に張り出し、耳の中が膨潤感が有り少しめまいがする。(内耳圧迫)

4. 鼓膜が外に張り出し、耳の中が膨潤感が有り少し吐き気がする。(内耳圧迫)

5. 上記の併用した症状。

副鼻腔群の場合(特に前頭洞)

[リバースブロック(連絡導管(サイナス)閉塞)の発生による副鼻腔群内オーバープレッシャー(膨張過大圧)による組織損傷]

連絡導管(サイナス)の閉塞[原因:周囲の組織炎症での腫れ、水分(唾、鼻水、水、リンパ・体液)による通管阻害(閉塞)]

鼻水は副鼻腔群内から必要に応じて漏出するリンパ・体液。水は淡水或いは海水を指す。

リンパ・体液の漏出原因 副鼻腔群内壁組織からの漏出。

a. 眉間の上部分の膨張感が有り、大変痛い。(前頭洞)

b. 眉間の上部分の膨張感が有り、ミシミシと音がして大変痛い。(前頭洞)

c. 眉間の下部分と目の間の鼻の付け根部分に膨張感が有り、大変痛い。(篩骨洞)

d. 頬骨の下当りがこわばるような痛みがする。(上顎洞)

e. こめかみ部分が割れそうに痛い。(蝶形骨洞、その他の原因あり)

f. 目の付け根(鼻側)から鼻側にそって痛い。(鼻涙管)

鼻血が出る場合(副鼻腔群)

副鼻腔群全てが原因とも成るが通常は1.〜3.の症状にてスクウィーズ(スクイーズ)が起き出血する。

原因の大半は潜降中の耳抜き(副鼻腔群圧平衡)が取れてなく、空腔内の粘膜内出血が始まり、その空間の一部を血液及びリンパ液で塞ぐ(組織内圧平衡→組織内圧過大→皮下出血→出血)。

浮上時に空腔内の空気が膨張して、粘膜内の血液とリンパ液を押し出す.・・・これが鼻血だ !!

5.リバースブロック 浮き耳 オーバープレッシャーの解除法

耳や副鼻腔群(特に前頭洞)に浮上中ブロック(閉塞)は起こりますが、対処法と解除法はほぼ同じです。

@ 浮上時に痛みを覚えたら、一度痛みの無くなる水深よりも、もう少し深い方へ移動し、ここから耳抜きの動作をしながら、痛みの状態を確認し、ゆっくりと浮上します。(通常抜き)

A 浮上時に痛みを覚えたら、一度痛みの無くなる水深よりも、もう少し深い方へ移動し、耳抜きの動作後に、耳の中の空気に意識を集中して、お腹の方へ引き抜く動作をしながら浮上する。

ここでの空気の引き抜きの動作は、一連の動作となります。(強制引き抜き)

頭を下げながら(下を向いて)耳を抜き、頭を上げながら耳や副鼻腔群の空気を肺に吸い込む、「吹込み、吸引」の動作です。 

更に説明を加えると、確実に強く耳腔内又は副鼻腔群へ送気しなくてはならないと共に、強く送った空気を瞬時に咽頭から気道、並びに肺へ引き込まなければ耳管及び副鼻腔群の導管(サイナス)は開かないのだ!

操作法が判って来るとタイミングも判るようになり、さほど強く吸引しなくても中耳腔や副鼻腔群内のブロックしていた部分を開放出来る様になる。これをブロック解除誘導法と言う。

1. 頭を前に下げて、耳抜きをし、頭を上げつつ背筋を大きく伸ばしながら、中耳内の空気を強く吸い出す、又は前頭洞の空気を強く吸い出す。(強制引き抜き1)

2. 耳抜きをして、大きく体を前に下げて(手で膝を触れる位まで)丸めた所から、中耳内の空気を 強く吸い出す、又は前頭洞の空気を強く吸い出す動作をしながら体の背筋を大きく早く伸ばす。(強制引き抜き2)

この動作にはシミュレーションが必要です。 動作のみの練習をして見て下さい。

◎この練習や動作は陸上においてはやらないで下さい。(シミュレーションのみ陸上で)

鼓膜付け根や中耳腔内壁、耳骨や内耳窓を傷め易い為です。(水中では負荷が軽減される為、安全に行えます)

万が一、耳管閉塞や副鼻腔群閉塞が起きていて、すぐさま行おうと思う方、また、記載内容に不安の方は相談用掲示板又はメールにて相談をして下さい。

◎個人により圧抜き操作状態が違いますので、心配な方はメール又は相談用掲示板を御利用下さい。

E.潜水終了後のトラブル.

1.潜水中や潜水終了後に起きる異常 (インターバル中も含める)

すでにダイビングしている方は耳や副鼻腔群で色々な経験をしている事と思います。

潜水後に起きる症状を説明致しましょう。

1. 眉間の部分の膨張感と痛みがある。
前頭洞連絡管の閉塞(オーバープレッシャー)により前頭洞内の空気が膨張して痛みを発するが、内部の圧力の程度により軽微な物から重度の物まで有る。(頭を押さえる程度から、声を発したい位の重度の痛み)

対策として→ブロックの解除法を行なう、又は冷やして炎症を抑え、内部圧力が下がるのを待つ。

2. また呼吸の仕方が違っていた為に、急性の鼻炎等その他を起こし前頭洞閉塞の痛み二酸化炭素中毒や過剰な換気(呼吸亢進)による酸素過剰で頭部の部分的な痛みを訴える。
この部分的な痛み及びこめかみを含めた痛みが起きる。

対策として→CO₂の場合は痛い部分を冷やし、深呼吸をする。

O₂の場合は呼吸を短時間止めて体内のCO₂を増加させる事で回避出来るが、暫くの痛みは残る。

3. 中耳内でガサガサ音がしたり、膨潤感で音が聞こえずらいし、むず痒い感じがした時は耳管を通して水が侵入した為だ。

このままほって置いても直るが、痛みが有る場合は雑菌等の炎症の可能性があり、まずは耳鼻科へ。

対策として→音がキンキンやボワ〜ン/ボワ〜ンとしていたら内部の水分が気化して膨張している為だ。

耳管壁が水分によって貼り付きブロックしている為で、内部の気化水分や水分そのものを取り除かなければ回避出来ない。

ブロックの解除法もあるが、耳管口の部分を温めると結露作用で抜く事が出来る。

むず痒い場合は鼓膜付け根や中耳壁周辺の圧炎症や細菌炎症によるものなので中耳炎に注意 !

原因は圧傷害による細菌炎症で、耳抜き時に送ってしまった唾液や鼻水内の雑菌が原因です。
5.の項を参照して下さい。

2.難聴や耳鳴りが起きていたら・・・

○内耳窓(前庭窓、蝸牛窓)の破裂や裂損によって、脳脊髄液リンパ漏れで起きる場合の難聴。(めまいや吐き気も起きています)

○蝸牛管内の外リンパ筒のウイルス性閉塞、聴覚神経の破断、血圧の上昇、低脳髄圧によるもの、外リンパ痩等に於いて難聴等が有ります。

片側の耳だけが聞こえずらい、又は難聴、或いは耳鳴りがしている場合は耳骨変形や内耳窓付け根部分に圧傷害や炎症等あり。

対策として→有りません(;一_一)  軽い場合は様子を見るしかないのですが、耳鼻科へ行く事を勧めます。

内耳型減圧症の場合は減圧症専門の耳鼻医師、又は減圧症/高気圧障害自己治癒潜水法へ。

3.中耳(耳の内部)に水が残っていて、水の移動や閉塞感がある.

暫くすれば耳管を通して水は抜けるが、ほどほどの水分や湿気の為、キンキン、ガサガサ、ボワ〜ンとした音がしてしまう。

しかし、いつまで経っても抜けない場合は【中耳・耳管内の排水法】下図の様な抜き方もある。

極力温かい空気を耳管咽頭口周辺に送り、温度差による結露誘導で抜く方法だ。 ただし、練習が必要。

また、どうしても抜けない場合は耳鼻科へ行って鼓膜穿孔法(小さな穴を開けて)で抜くしかない。

耳管・中耳腔内の湿気・水の排出図

また、この方法は1本目のダイビングで耳管や中耳内へ水や湿気を送ってしまい、耳抜きが不調の時、インターバル中に【中耳・耳管内の排水法】を行うと、2本目のダイビングで耳抜きがうまく抜ける場合もある。 更に、普段から耳が抜けづらい方も、潜る前に耳管咽頭口周辺を温めて置くとうまく抜ける。

この方法で温める位置を変える事で、前頭洞の水詰まりや湿気抜きも練習により出来る様になる。

◎耳抜きの時、耳管を通して水(海水、唾、鼻水)等を中耳へと送っている場合があり、中耳内の水と空気(最初に内包された空気と耳抜きによって送気された空気)によって中耳内圧が不安定となるが、水深10〜15m辺りまで潜っている方がいる。 この状態では水深15m以上へ行く事は不可能に近い。

4.中耳腔・耳管腔の完全水没及び不完全水没の発生 !

◎また、浮上に際してリバースブロック等を起し易く、起こさなくても中耳・耳管内に残った水が中々抜けずに陸上の生活に支障をきたす事となります。

耳に対して違和感を感じる場合は、外耳と外耳周辺及び中耳と耳管並びに周辺に接触感、圧迫感、膨潤感、痛感、刺激感、閉塞感、耳鳴りや騒音感等が有ります。 

更に、平衡感覚や聴覚機能へも多大な影響を与える場合があるのです。

○中耳や耳管へと水の入る原因とは・・・! 

耳管と中耳に水の入る原因図

@耳抜きのタイミングのずれ、及び、ふん/うん等の送気送りが弱い場合、鼻腔・咽頭内が陰圧になり、マスク等から僅かだが水の流入と鼻腔内(上・中・下鼻甲介)サイナスから鼻水が耳管咽頭口へ来てしまい、耳抜きと共に耳管内へ送り込んでしまう。

A口の中の水や唾、鼻水を気にしていない。 また、鼻からの水の流入に対して無頓着。

 B耳抜きに時間を掛ける方。 また、耳抜き中に水深が維持出来ずに上下しながらの耳抜きをする方。

 C耳抜きをする時、首(頭)を左及び右に振って置き、またはゆっくりと振りながら耳抜きをする方。

耳抜き時の注意点は・・・、顔面を45度〜60度程度下向きに傾けて咽頭部分を上にして抜く。

 この時、口の中に空間を設けて咽喉部分の水分が無い事を確認。

又は、確認せずともあくびの動作による下顎を引く事でも同じ動作が得られる。

耳管開放症2の方の場合、中耳及び耳管へと水(唾及び鼻水含む)や水分を送ってしまう為、中耳炎等になり易いので注意が必要だ。

この開放症は練習や訓練によってある程度は直す(治す)事が可能で、頬骨の内側を通っている耳管周囲や顔面筋、下顎を大きく動かす等の筋肉トレーニングだ。

尚、カラオケで大きく口を開けての発声練習、大笑いでもトレーニングが出来る。

筋疲労に於ける嫌気性代謝での乳酸の産生によって身体疲労が起きた場合、呼吸や体温の異常を来す場合があり、極度に耳抜きが出来なくなる場合があります。

十分に体を休め、疲労が取れてから潜りましょう(*^_^*)

この項では、耳に於ける聴覚と平衡感覚、そして、内耳に関わるめまいや頭痛等、内耳性・脳神経減圧症を含めて述べて行きます為、編集には暫く時間が掛かります。書き足しながら進めます(*^^)v

F.減圧症関係.

1.血中アンモニア関連としての減圧症分類

ダイビングでの浮上時、体内窒素分は亜硝酸ガス・硝酸ガス化し、窒化或いは脱窒・還元されて窒素N2 として排出・排気されます。PROTECS JAPAN Hidenori Kunitsugu の見方として参考にして下さい(^^ゞ

日常の窒素からダイビングに於ける窒素まで詳しく説明してあります。要参照です(*^_^*)

窒素とアンモニア

クリックするとサイトへ飛びます(*^。^*)  クリックすると拡大されます(*^^)v

潜水障害・減圧症分類と治療法図

脳神経の働き説明図

2.-脳神経による障害-

嗅覚異常、視覚異常[距離感、レンズ眼、複眼(視)、斜視、遠近調整]、眼振異常、顔のこわばり、顔のひきつけ、飲み込み、噛み込み、そしゃく異常、舌のもつれ、ろれつが回らない、舌の拘束、味覚の異常、喉のつまり、喉が細く呼吸をしづらい、胸の息苦しさや締め付け、めまい、はきけ、頭痛・偏頭痛、平衡感覚異常(左右前後のふらつき、まっすぐ立てない、すぐ転ぶ、ふわふわ感)、聴覚異常(音感、音が割れる、異常な響き、高低音、閉塞、聞きづらい)、耳殻異常(耳介、耳たぶ、耳の輪郭部での違和感)、発声異常(ダミ声、発声しづらい、声が割れる)、知覚障害や失語症、記憶喪失、記憶の部分喪失障害、胸・腹部の異常(しめつけ、ちくちく、しぼられる、膨張感)、お腹(胃・腸)が落ちつかず異常な感覚、首周り・肩の凝りや痛み・重い・チクチク感、・・・等は全て脳型減圧症で、通常の生活が苦痛となり、行動や情緒不安等で精神的に落ちこむ様になります。これ以外にもありますので、気がつき次第に記載致します(^^ゞ

スキンダイビング・スキューバダイビングに於いて、肺内に取り込まれた窒素N2はそのままの形で体内へと取り込まれる訳ではなく、体外の加圧環境(水中・加圧室等)下では肺胞毛細血管の血漿中で酸化(水素イオンH+による)されて血中アンモニア(強刺激臭・有色・水溶性・脂溶性・有毒性のアンモニアNH3と無味・無臭・無色・無毒・難脂溶性のアンモニウムイオンNH4+)へと変換されて体内へと取り込まれて行きますが、大半はアンモニウムイオンNH4+として体内の組織へと取り込まれて行きます。

ただし、体内に於いては酸塩基平衡による血液pHの調整(7.35〜7.4〜7.45)が行われており、生体の恒常性を取りつつ取り込んで行きます。

尚、脳脊髄液pH値の正常値は7.2〜7.6 と幅が広過ぎる為、何故なのか現在調べています。

NH3 + H2O ⇔ NH4+ + OH- 【酸塩基平衡反応】生体恒常性に絶対不可欠!

酸塩基平衡反応によってアンモニウムイオン NH4+ と水酸化物イオン OH- が生じ塩基性を示すが、この逆もあって血液や体液のpH値で容易に行ったり来たりする!!

当然として、精神的ストレス・代謝的なストレスでも塩基性(アルカリ)化して有毒性のアンモニアNH3へと変わり、一過性或いは急性の高アンモニア血症による脳神経に対して毒性を発現する為、精神的ストレス・代謝的なストレスは脳神経性障害とU型減圧症の発症を誘因する。

体内に於いてアンモニアNH3 濃度が高くなり過ぎると、アンモニアNH3 の持っている神経毒性によって、脳へと送られるべき身体の状況伝達信号が遅くなり、思考力低下、判断力低下、記憶力低下、運動と運動反射力低下、視覚・聴覚等の感覚機能の低下が起き、意識がもうろうとして来る。

特にひどい場合、思考力喪失・判断力喪失・記憶力喪失・運動と反射能力の喪失・視覚聴覚の感覚等で急性的異常と意識の喪失と失神が起きる。

原因は、精神的ストレス・代謝的なストレスにより酸塩基平衡が崩れ、アンモニウムイオンNH4+と水酸化イオンOH- とが大量に結びついてアンモニアNH3に移行してしまう為で、大量に作られたアンモニアNH3は、脳への血液流量を調整している血液脳関門の調整機能を狂わす為、大量の血液と共にアンモニアNH3も脳内へと通過させて脳神経毒性を発現させてしまうのだ。

まるで、窒素酔いの症状に似ているが浅い水深でもなりえる為、区別出来る。(一過性・急性のアンモニア血症化)

脳脊髄液と血漿組成比較図

3.第1脳神経から第12脳神経分類と症状

第1脳神経(嗅神経)
匂いに過敏又は鈍感となったりし、匂い(臭い)の成分判断がおかしくなる。

第2脳神経(視神経)
斜視や視覚情報(視野狭窄、明暗、色調)の異常が起き、また、眼圧の異常が起きる。

第3脳神経(動眼神経)では動体視力の低下等。
第3脳神経(動眼神経)・第4脳神経(滑車神経)・第6脳神経(外転神経)で眼球を動かす筋肉の運動を支配。

第4脳神経(滑車神経)と第6脳神経で眼震や視点異常。
上斜筋によって目を外方(耳側方向)や下向きに動かす為、視点異常が起きる。

第5脳神経(三叉神経)
[上顎神経、眼神経+(顔面の皮膚)、下顎神経+(そしゃく筋)]では側頭部及び頬の痙攣やひきつり(場所確認)。

第6脳神経(外転神経)
外転神経は外側直筋を収縮させて眼球を外側に向かって水平に動かす作用を持つが、これを眼球の外転という。

眼球の運動に関わっている神経には、動眼神経、滑車神経と、この外転神経がある。
異常時:眼球が内側を向き、視点が交わらずに複視(物が二つに見える)が起きる。

第7脳神経(顔面神経)
顔の表情筋の働き、中間神経、舌の前部感覚と3/2の味覚支配、顔面の痙攣や顔のひきつり(場所確認)。

第8脳神経(内耳神経)
蝸牛神経、前庭神経 :メニエル型と言われ、吐き気や平衡感覚異常及び蝸牛管の異常による難聴や突発性難聴。

第9脳神経(舌咽神経)
舌の後ろ側3/1の味覚と咽頭部の運動・感覚・分泌を支配しており、唾の飲み込みが出来ないや、ろれつが回らない、味覚の消失。

第10脳神経(迷走神経)
外耳(耳たぶ等)の感覚異常、喉頭発声筋の運動異常、胸・腹部臓器全般的な動きを支配をする為に生活に支障が出る。

また、チョークス型とも言われる呼吸器系の息つまり異常と、胃や腸関係での異常で排尿・排便や脱水障害。

第11脳神経(副神経)・・・かなりのダイバーが罹患。 減圧症自己治癒潜水法で一発治癒完治します(笑)
首や肩の動きに関与・支配、胸鎖乳突筋・僧帽筋等首回り及び肩の筋肉に異変が起き、肩こりや首回りの違和感が起き、特に体温が上がった時に肩への圧迫痛が起き、頭痛や吐き気・集中力低下、寝苦しさの余りの睡眠不足の原因ともなる。 また、ひどい肩こりや集中力欠如の余りに肉体的・精神的な苦痛からの'うつ'等にもなり易い。

第12脳神経(舌下神経)
舌の痺れや麻痺での言語障害が起き、舌が思う様に動かない。

 

耳の病気と疾患 医師のページへリンクしていますので見て下さい。

 

ご覧頂いて有難う御座います。

2013.04.24

【「耳抜き」・「浮き耳」と仲良くなるページ!】の簡易メニュー付の改正編集版です。

内容等に於いて解りづらい、リンク不具合の場合はメールにてお知らせ下さい。さい。
また、本文説明内容に不足・不適切な文言があった場合は訂正致します為、書き直し
が有った場合は印を暫くの間ですが付加致します。ご了承下さい。

対処法はメールにてお受け致します。(私は耳鼻科の医師では有りません!!)
又は、相談用の掲示板を用意致しました。

長いダイビング経験から、医学的、物理的見地から見たアドバイスを致します。
ただし、私は医師ではありません。シニアなダイバーとしての立場で相談に乗ります(*^_^*)
質問の有る方は内容を細かく詳しく書いて下さいね !

メール送付先 mailto:dive@protecs.waterblue.ws   まで

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TEL 0557-80-3262 FAX 0557-80-3262

プロフィール

プロテックスジャパン PROTECS JAPAN

國次 秀紀(くにつぐ ひでのり/クニツグ ヒデノリ)(国次 秀紀) 國次 秀紀の経歴と家系図

Hidenori Kunitsugu.

所属団体 JAPAN CMAS 日本海中技術振興会 常任理事.

元所属団体 JUDFADS JAPANSDC、中部日本潜水連盟.

ADS JAPAN」、「SDC」、「JAPAN CMAS」の発会に参加.

静岡県スキューバダイビング安全会熱海支部 会長を経て退任.

伊豆スキューバダイビング安全対策協議会熱海支部 支部長を経て平成17年役員退任.

Divers Alert Atami Network(D.A.A.N) 会長を経て平成17年役員退任.

「熱海の海底遺跡保存会」海底遺跡調査主事(第一発見者).

イワクラ(磐座)学会元会員

熱海市観光協会元理事

伊豆ひがねの会会員

記念になる思いで CMAS 30周年記念名古屋大会の組織委員となり、皆様をさくら丸の玄関に於いて、組織委員の代表代理としてお迎えできた事や、フェアウェルパーティーを盛り上げる事が出来た事.(その当時の容姿は武田 鉄矢風でした)

1949年10月 大分県別府市浜脇に生まれる.

小学校2年の時に熱海市の伊豆山へ.

小学校4年生より伊豆山の海でスキンダイビングしながら物取りを始める.

中学校1年生の時に耳抜きを覚え、飛躍的に潜れるように.

17才の時に初めてスクーバタンクで潜る.

1969年 仲間2人でFRP船修理、潜水作業会社 海洋技研開発を始める.

1971年 マリンテック熱海創業 海洋他、多種作業始める.

1985年 (有)プロテックスジャパンに引継ぎ社名変更.

2002年 「熱海の海底遺跡保存会」を発足させ本格調査開始.

この年の9月に佐賀県立名護屋城博物館 学芸員 宮武 正登氏より海底遺跡として認証される.

調査時に本州以北(水中)で初めての「碇石」を発見.

2002年12月末 43本の「碇石」確認。(2005年には碇石100本を超える)

國次 秀紀のダイビング経歴等は下記記載のリンク先へ詳しく説明があります.

國次 秀紀の最新経歴と家系図

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